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2020-12-31

その他

日向坂46、「エース不在」の是非とパフォーマンスの魅力 #日向坂46

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2年連続2回目となる「紅白歌合戦」(NHK総合)の出場が決定した日向坂46。デビューから怒涛の快進撃を続け、近頃はバラエティなどでも目覚ましい活躍を見せている彼女たち。本稿では紅白の出場に合わせて、日向坂46の紅白出場を振り返りながら、彼女たちのパフォーマンスの魅力について考えていきたい。

2020年の日向坂46活動

日向坂46の結成から1年という節目となった2020年は、上村ひなのに次ぐ新3期生の髙橋未来虹、森本茉莉、山口陽世という新しいメンバーの加入に始まった。バラエティ力の高い1期生&2期生メンバーに混ざりながら、個性的なキャラクターを発揮しつつある新3期生の活躍に頼もしさを感じている方も多いのではないだろうか。


 
2月には4thシングル「ソンナコトナイヨ」をリリースすると、3月にはけやき坂46時代からこれまでの軌跡を追った書籍「日向坂46ストーリー」(集英社)を発売。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有の出来事によって、思うような活動ができない状況が続いてしまった上半期だった。しかし、7月には無観客生配信ライブ「HINATAZAKA46 Live Online, YES!with YOU!〜“22人”の音楽隊と風変わりな仲間たち〜」を開催。新3期生にとっては初のライブであり、2018年8月から学業のため活動休止していた影山優佳も復帰後初めてライブに参加するなど、無観客ながらも見どころ満載のライブとなっていた。

8月には新型コロナウイルスの影響で延期となっていたドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』が公開され、日向坂46躍進の裏側にあるメンバーの苦悩や葛藤がスクリーンを通して詳細に描かれた。9月には待望となる1stアルバム「ひなたざか」がリリースされ、リード曲「アザトカワイイ」では1stシングルから4thシングルまでセンターを務めた小坂菜緒から、けやき坂46時代を始め、多くの楽曲でセンターを務めてきた佐々木美玲にセンターのバトンが渡されたことは大きなハイライトとなった。

日向坂46のパフォーマンスの魅力

日向坂46は、乃木坂46とも櫻坂46とも異なる独特な雰囲気を持つグループだ。元々は欅坂46のなかのけやき坂46としてスタートした日向坂46ではあるが、欅坂46とは全く異なるスタンスを志向している。それは、欅坂46と折り合いをつけながら、けやき坂46として魅力を探求し続けてきた中で生まれたものであり、現在の日向坂46らしさである。そんな彼女たちのコンセプトを一言でハッピーオーラと呼ぶことも多いが、ここでは日向坂46のパフォーマンスの魅力はどこにあるのか、紹介していきたい。

日向坂46の根底にあるハッピーオーラを言葉で説明するよりも映像で見てもらったほうが容易いということは重々承知ではあるが、ここであえて言葉で説明させていただくならば、観ている人を幸せにする空気感に尽きるだろう。彼女たちのパフォーマンスを観ていると、抱えている悩みすらも吹き飛んで幸福感に包まれてしまう。常に笑顔を絶やさず、全力で駆け回りパフォーマンスをする姿はまさにハッピーオーラと言うに相応しい。



2019年3月にデビューした日向坂46は、デビューシングルにして日向坂46らしさ全開ともいえる明るい王道アイドルソング「キュン」、それに続く「ドレミソラシド」をリリースし、けやき坂時代の「ハッピーオーラ」や「ひらがなけやき」といった明るい楽曲たちを踏襲(厳密に言えば楽曲の志向は異なる)していた。3rdシングル「こんなに好きになっちゃっていいの?」ではキャッチーなダンスは身を潜め、繊細で美しいメロディが特徴的なバラードにも挑戦。けやき坂時代には明るい楽曲のほかにも、「期待していない自分」や「半分の記憶」、「未熟な怒り」など日向坂46の世界観に捕らわれないバラエティに富んだ楽曲を歌っていたが、改めて本作で日向坂46は幅の広いグループであるという認識を強めることになった作品だ。



それら表現力に加えて、小坂菜緒や佐々木美玲といったセンター経験者もちろんのこと、その脇を固めるメンバーのひとりひとりのパフォーマンス力が非常に高いことも日向坂46の特徴だろう。1期生の齊藤京子や加藤史帆、2期生の富田鈴花や丹生明里、渡邉美穂らはパフォーマンスに加え、バラエティ番組やモデルなどソロでも活躍を見せており、日向坂46を支えているメンバーだ。

センターひとりが目立つということはなく、グループとしてのまとまりがありつつも、それを壊すことなくそれぞれの個性がしっかりと発揮されているのが日向坂46の良さ。それゆえに、日向坂46のグループとしての調和を担保しながらも、絶妙なさじ加減でメンバーの個性が随所に発揮され、日向坂46の幅の広さを生んでいる。欅坂46は平手友梨奈という絶対的なセンターによって、ある種の欅坂らしさを作り出していたが、日向坂46はメンバー全員がグループのらしさを作り出していると言えるだろう。

紅白で披露する「アザトカワイイ」の注目ポイント



初出場となった昨年の紅白では「キュン」を披露した日向坂46。初めての紅白ということで緊張した面持ちを見せていたメンバーだったが、いざ歌唱が始まるといつもと変わらないハッピーオーラ全開のパフォーマンスを披露。キュンキュンダンスと呼ばれるSNSでも流行したキャッチーな振り付けを司会の内村光良や櫻井翔、綾瀬はるかも踊る場面も映し出されており、紅白の会場は日向坂46色に染め上げられていた。今年も日向坂46のハッピーオーラ全開の空気感が、会場内に伝染していくかというところにも注目が集まる。



21日には紅白の曲目が発表されたが、日向坂46は「アザトカワイイ」を歌唱することが決定した。昨年披露された「キュン」と同様にキャッチーで可愛らしい振り付けのダンスが目白押しとなっており、日向坂46らしいステージとなりそうだ。

本曲でセンターを務めるのはけやき坂46でもセンターを務めてきた佐々木美玲。22人体制での初の作品ということでメンバーにとっても思い入れの深い楽曲となるだろう。振り付けは櫻坂46の「Nobody's fault」と同じくTAKAHIROが担当しているが、こちらは青空を想起させる爽やかなメロディが特徴でいかにも日向坂らしい。だが、スピーディーなダンスや激しいパフォーマンスの入れ替わりがあったりと、意外と難易度の高い楽曲であることが分かる。



「アザトカワイイ」のタイトルが表す通り、あざとい仕草の女子に釣られて恋をしてしまう主人公の心情を歌っており、ダンスには片思いハートや頬に手を当てる小顔ポーズなど可愛らしい振り付けが取り入れられている。メンバーが見せる仕草のひとつひとつがアザトカワイさ全開で、瞬きすら惜しいと感じてしまうくらいだ。カメラに抜かれた際のメンバーの表情や仕草もぜひ注目してほしい。

「エース格の不在」が今後のグループに与える影響

先に話したように、日向坂46はグループとしてのまとまりが非常に優れたグループである。その一方で、現在の日向坂46には乃木坂46の白石麻衣、欅坂46の平手友梨奈など世間から広く認知されたメンバーが不在であることが指摘できる。このことはグループの魅力という前提を踏まえた上で、エース格の不在が今後のグループに与える影響を考えていきたい。



もちろん、日向坂46は今年で1周年を迎えたばかりでもあり、この話題は時期尚早ということは重々承知しているが、日向坂46は先に述べた白石や平手のようなグループの宣伝塔的な役割を担うメンバーが現状ではいないということは事実としてある。日向坂46におけるこの横並び感は今後のグループにとってどのような影響があるのだろうか。

やはり、一般層への訴求力が期待できないということがやはり大きい。乃木坂46の例で言えば白石がモデルを中心としたアイドル外での活動を積極的に行ったことで、モデルとして高い支持を得た結果、女性ファンを多く獲得したという経緯がある。欅坂46の場合は平手が中心となり、表現力の高さを見せつけてアイドルに精通していないファン層にまでグループの知名度を高めることとなった。こう見ていくと、当然ではあるが、普段アイドルに興味を持たない層へリーチし、グループの知名度を高めることに繋がることが分かる。



とはいえ、日向坂46のメンバーはバラエティ番組の出演も多く、芸人を相手に各々バラエティ力を発揮するなど最近の活躍は著しい。例えば影山に至っては、グループ復帰後サッカー番組にも出演が増加しており、サッカー好きアイドルとしてサッカー界隈で名前が知られてきているという実感はある。それでもなお、今後のさらなる知名度の獲得には一般層に対して訴求力の高いメンバーの現出は必要となってくるだろう。

だが、日向坂46のあえてエースを作らないこの構造は彼女たちの強みであり、支持されている理由でもある。むしろこれらの強みをこれからも続けていくことで、日向坂46がアイドルの常識を覆す可能性も十分にあるだろう。これについては、5thシングルでの選抜の動向や今後のメンバー個人の活動にも目を向けていきたい。

(文:川崎龍也)

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