『銀魂 THE FINAL』レビュー|「終わる終わる詐欺」今回で終止符か?
アニメ『銀魂』が『銀魂 THE FINAL』というタイトルで、15年の歴史に幕を閉じようとしているというじゃないですか。
まあ、私はまだ信じていませんが。
終わる終わる詐欺常習犯、アニメ銀魂
・最終章と称し、半年間もシリーズを続ける
・〇ヴァンゲリオン風最終回を放送。原作ストックがたまるまで一旦終了
・『劇場版 銀魂 完結篇 万事屋よ永遠なれ』の上映
・完結って言いまくっていたくせに、新シリーズを始めちゃう
・「何度目だ銀魂、ゆるっと再開!」という銀さんのセリフとともに、本当にゆるっと4期が始まる
・今からいいとこ!ってところで、最終話であることが告げられる。挙句の果てにキャラクターたちが制作陣の愚痴を代弁しつつ、また一旦終わる。
これは全て、アニメ銀魂の「終わる終わる詐欺」前科です。最終章とか完結とか視聴者を煽りながら、何度ゆるっと再開すれば気が済むのでしょうか。そういうことを繰り返されるともう「終わらせる気ないだろう」と思われても仕方ないんですよ。
だから私は映画を観るまで信じません、銀魂が終わるなんて。
こんなにも大胆な抱き合わせ商法があるかい! 特典は『〇滅の刃』イラストカード
銀魂の悪事は、終わる終わる詐欺にとどまりません。入場者特典になんと、300億円を突破したあの人気作『鬼〇の刃』のイラストカードを用意しているというではありませんか。
実弥~~~~~!!!
じゃなくて!!!
いやほんとに、抱き合わせ商法もいいとこです。これを開き直りと言わずになんと言いますか? 竈〇さんと煉〇さんのところのご長男をはじめ、興行収入300億円を越えた鬼〇の刃関係者各位は怒っていいと思います。
で、銀魂は本当に終わるの?
最後の最後まで悪事を貫き通し、真っ黒に染まったアニメ『銀魂』。「THE FINAL」というタイトルにふさわしい美しい幕引きではなく、リアルに制裁を受ける系の終わり方をしてしまわないか心配はありますが、それ以前に前科のことを考えると出てくる疑問が「本当に終わるのか」ではないでしょうか。観てきた結論から言いますと、終わります。まごうことなき「THE FINAL」。もう、これ以上ない大団円でした。お家芸であるギャグとパロディ、下ネタは随所にふんだんに盛り込まれつつも人情味あふれるストーリーは、まさに銀魂の醜態成……いや、集大成と言えるでしょう。
あのテレビアニメのラストから原作最終回までのストーリーを、こんなにも笑えて、ドキドキして、泣ける作品に完成させてくれた作り手の皆さんに、「完成度高けーなオイ」と手が真っ赤に腫れるほどの拍手をおくりたいです。そして最後の最後まで銀魂の“魂”でいてくれた原作者の空知英明先生に、改めて「お疲れさまでした」と「ありがとう」と伝えたくなりました。
天晴!銀魂!
正直、テレビアニメが空知先生のやらかしに対する制作陣の愚痴で終わった時はどうなるかと思っていました。テレビアニメが終わった2018年はアニメではなく原作が「終わる終わる詐欺」を働いていましたし。「やるんじゃないかな」と、なんだか他人事な完全新作制作の告知を出されても、「いつになるのかな」「どうせまた終わらないパターンでしょ?」と、銀魂を疑う自分が心の片隅にいました。
でも本当に今回はラスト。最終章ではなく、最終回。マジのマジでファイナル。ちょっぴり、いやだいぶ寂しい……いや、なんかやっぱり万事屋の日常は今もまだ続いている気もしなくもないんですよね。え、また終わる終わる詐欺ですか? って笑い飛ばすのも全然ありだなあ、と。
とはいえここまで清々しいラストを見せてくれた銀魂に、ファンとしても思い残すことは何もありません。
ずっと銀魂を応援してきた人も、ちょっと話が難しくて離れていた人も、鬼滅の○のファンも、ちょっとお下品な下ネタのせいでご両親からテレビアニメの鑑賞を禁止されていた若者も、万事屋とその仲間たちのかっこいいラストを、ぜひ目に焼き付けてください。コロナウイルス感染対策は万全に、外出は映画を観にいくだけにして。鬼○の刃イラストカードの特典は2月5日から再配布も予定されているので、今はステイホームでも大丈夫ですよ。
天晴!銀魂!
本当に、本当に、ありがとうきびウンコォォォォォオオオオオ!!!
(文:クリス)
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(C) 空知英秋/劇場版銀魂製作委員会