特撮向上委員会

SPECIAL

2021年01月17日

新スーパー戦隊『機界戦隊ゼンカイジャー』の制作発表を見て感じたこと

新スーパー戦隊『機界戦隊ゼンカイジャー』の制作発表を見て感じたこと

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

『魔進戦隊キラメイジャー』の次回作、3月7日からスタートするスーパー戦隊シリーズ第45作『機界戦隊ゼンカイジャー』の制作発表記者会見の様子がおととい生配信されました。



この制作発表の少し前には公式ツイッターで作品タイトルとビジュアルが公開されたんですが、例年とは比べ物にならないくらい驚きました。

毎回新ヒーローが発表されるたびに驚いてるんですが、今回はレベルが違いました。

「センターが赤じゃない」
「ゴーグルがない」
「メンバーがロボット」
「めちゃくちゃアカレンジャーに似てるな」

『宇宙戦隊キュウレンジャー』のシシレッドがパワーアップして白になったり、『ジャッカー電撃隊』の白い追加戦士、ビッグワンがセンターを担ったりはありましたが、初めからこの布陣には度肝抜きました。

そして『電子戦隊デンジマン』から採用された目元の黒いゴーグルは、色がつくことがありつつも基本的にはずっと受け継がれてきました。

しかし、ここで一気にそのスーパー戦隊の定義を打破。

黒のゴーグルではなく、青い仮面ライダーカブトを彷彿とさせる目元。

今まで新たに大胆なチャレンジをすることでマンネリを回避し、時には思いっきり王道に戻ったりを繰り返してきた40数年。

「ゼンカイジャー」のこの壊し方は、これまでに類を見ません。

そして、めっちゃ壊してるのにスーパー戦隊ど真ん中に見えるビジュアルは、流石としか言いようがありません。

そんな情報量の多い画像を見た衝撃を経ての、今回の生配信。

MCのカズレーザーのアイドリングが心地良い。

(余談ですが初めてカズレーザーに会ったとき、『魔法戦隊マジレンジャー』の魁の赤いジャケットを舞台衣装でもなんでもなく普通に着てました。)

そしてキャストの登場。

ここでまた驚く。

あの画像に写ってたロボ達は同じ姿のまま戦ったり、巨大化したりするものだと勝手に思い込んでたんですが、なんとあの姿は変身した姿だったことが会見で判明します。

『轟轟戦隊ボウケンジャー』のズバーンとか、最近で言ったら『獣電戦隊キョウリュウジャー』のティラミーゴ的な感じだと思ってたんですが、まさかの「キュウレンジャー」のチャンプ、バランス、ラプター方式でした。

ここで僕は、さらにハッとします。

最初からこのスタイルだったのか、それともコロナ禍がこの横並びを生んだのか。



例年通りの人間のキャストの5人並びだと、飛沫だソーシャルディスタンスだなどと気を使わなければいけませんが、人間1人、キカイノイド4体の並びだと、そこの問題がいとも簡単にクリアされてるではありませんか。

ここからも手が緩まることなく、波状攻撃の発表が続きます。

主人公のおばあちゃん役に、なぜ今までキャスティングされてなかったのかが不思議なくらい、スーパー戦隊のカラーにピッタリな榊原郁恵さん。

そして、主題歌を歌うのは、かつて『ウルトラマンダイナ』で主役を務めあげた、つるの剛士さん。

その主題歌を手掛けたのは数々の特ソン、アニソンを、特にメタルヒーローシリーズにおいては世界観の半分はこの方の作った音楽の功績と言っても過言ではない、渡辺宙明さん。

そして会見後にはキカイノイドの声優さんが発表されました。梶裕貴さんをはじめとする豪華声優陣が集結。

全方位PR。

フックもトピックスも山盛り。

すごすぎる。

チーフプロデューサーは皆さんご存知、白倉伸一郎プロデューサー。

平成ライダー、特に一期は白倉さん無しでは語れないほど数々の偉業を遂げられていて仮面ライダーのイメージがかなり強いんですが、実は『鳥人戦隊ジェットマン』からダイレンジャーまでの3年間は戦隊に関わられています。

なので、満を持して戦隊に凱旋という形になるんですが、このキャスティングを見るとかなり本気だなというのがわかります。

仮面ライダーで培ったものを全部つぎ込んでる印象さえあります。

期待する部分はやはりキカイノイド。

『仮面ライダー電王』のイマジンのメソッドを使用していると思うんですが、スーパー戦隊でどんな活躍をしてくれるか楽しみでなりません。

昨年の東京国際映画祭で行われたプログラム「スーパー戦隊シリーズの歩み」の中で白倉さんは、「戦隊で仮面ライダーを見返してやらにゃならん」とおっしゃられてました。

誰が言うてんねんと会場でも笑いが起こっておりましたが、その発言を今回のゼンカイジャーでぜひ実現していただきたいと思います。

そして双方の切磋琢磨で、東映特撮がさらに発展していくことを願っています。

ここで浮かれてしまってる自分を引き締めておかないといけないことがあります。

「ゼンカイジャー」への期待は膨らませつつも、最後まで「キラメイジャー」をきっちりがっつりたっぷり応援する、これをあらためて肝に銘じたいと思います。

(文:篠宮暁)

【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】

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第187回:丑年にちなんで牛モチーフのヒーローを振り返る
第186回:仮面ライダー冬映画の感想|コロナ禍の作品だからこそ感じられた感動と感謝


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