映画コラム

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2021年02月27日

『ガンズ・アキンボ』レビュー:“ハリー・ポッター”がデスゲームに強制参加!?

『ガンズ・アキンボ』レビュー:“ハリー・ポッター”がデスゲームに強制参加!?


デスゲームを愉しむ悪意を
昇華させるエンタメの効能

いやはや、もう久しぶりに見る側の悪意を発散させてくれる一大快作の登場です。



殺し合いを見世物にしたデスゲームの歴史は意外に古く、それこそローマ帝国時代の奴隷たちによる剣闘を貴族が愉しむという人間の残酷さは、スタンリー・キューブリック監督のスペクタクル史劇大作『スパルタカス』(60)でも描かれていた通り。

近未来を舞台にデスゲームを繰り広げていくSF映画も多く、ノーマン・ジュイスン監督の『ローラーボール』(75/2002年にはジョン・マクティアナン監督のリメイクもあり)やアーノルド・シュワルツェネッガー主演『バトルランナー』(87)などが有名なところ。

日本でも深作欣二監督の『バトル・ロワイアル』(00)が大ヒットするとともに国会議員を激怒させる問題作として話題になったのも記憶に新しいところです。

特に日本ではこの後『リアル鬼ごっこ』シリーズ(08~)などデスゲームを題材にした作品が急増していきましたね。



こうした流れの中、ネット社会の現代において、闇サイトによるデスゲームが警察の網の目を潜り抜けて大流行という、本作『ガンズ・アキンボ』の設定も実に(そして困ったことに!?)腑に落ちるものがあります(もう既にあったりして……)。

殺戮をショーとして愉しめてしまう人間のおぞましさ、しかしそのおぞましさをおよそ2時間前後の上映時間で思い切り発散させ、心の中から払拭させてくれるのも映画の効用といえるでしょう。

そして、何よりも「やはりクソリプなんてしないほうがいいですよ」といった教訓も作品のメッセージとして含まれているのか否かはともかく、この主人公、ひたすら情けないです。そして哀れです!

でも、それを見て思わず笑ってしまう私たち観客もまた困った存在です!?



本作はそういった人間の「負」とも「闇」とも称せられる要素を見事にエンタテインメントに転化させながら、次の展開はどうなるかと見る側をワクワクゾクゾクさせながら、およそ95分の上映時間を鮮やかに疾走してくれます。

そして鑑賞後の私たちから心の毒素までも払拭させてくれるという、どんな良薬に勝るとも劣らない効能を発揮してくれているのです!

(などなどのこちらの戯言を抜きにしても、ほんとメチャクチャすっきりします!)

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