映画コラム
短文レビュー『SNS少女たちの10日間』:全ての親に捧ぐ義務教育的映画
短文レビュー『SNS少女たちの10日間』:全ての親に捧ぐ義務教育的映画
親たちの義務として、またひとつ必ず観るべきと言っても過言ではない映画が誕生しました。
幼い顔立ちの3名の女優が、“12 歳”という設定の下、SNS で“友達募集”をしたところ、なんと10日間で 2,458 名もの成人男性がコンタクトを。
ー12歳女子という釣り垢に男たちからの友達申請2458件...。
といったところであろうか。その経過を追っていく。
後にこの映画となったVTRを証拠として、実際に警察が動くことになった社会的問題に影響を及ぼした作品。
日本でも、同じような条件で撮影したらどうなるかが気になりますが「ボヤけていた真実を伝える」という映画としての役割をまっとうした作品といえます。
撮影されているとは気付かず、未成年に対する容赦ない欲望の行動は徐々にエスカレート。30半ばの筆者からみても卑猥極まりないもので、正直泣きたくなりました。
ヤラセでもなんでも良いから、作り物であって欲しいと願ったリアリティショー。
少女たちに性的な話を強要したり、身体を見せつける行為もあり、男性器にモザイクをかけたシーンがあったり、年齢制限があります。
ここから先は非常に難しい問題ですが、思春期の女の子にこそ見せた方が良い。普段、気軽にやっているSNSは、 こんなにも怖い世界の一面があることが伝わるから。
しかし、レイティングがあるため、そこは仕方がないので親がこの事実を受け止めて子供に伝えてあげなくてはなりません。
こんな目にあった子供は、歪まず、清らかに、育つことが果たしてできるのか。
恐ろしい真実を知ることになりますが、この作品はただ脅えさせるだけではなく、曇っていたメガネを拭き取り、視界がくっきりとしていくような感覚にも、到達できます。
まずは、社会問題の一端として、この事実を大人は受け止めなければなりません。
これは親としての責任なのだと、鑑賞後に気付かされました。
子供たちを守るために。その瞳で、是非ご覧ください。
(文:映画ソムリエ 東紗友美)
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