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『FUNNY BUNNY』レビュー:自称小説家=中川大志のぶっとびかっとび「正義」の行使が暗鬱な世相に響く!



※本作品は、2021年4月28日現在では、4月29日より公開とされております。新型コロナウイルスの影響で一部地域では延期になる可能性もございますが、auスマートパスプレミアムにて同日配信のため、その配信自体は予定通り開始される予定です。

■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

『彩恋 SAI-REN』(07)『大人ドロップ』(14)『榎田貿易堂』(18)『ステップ』(20)などで知られ、『ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~』公開も控えている飯塚健監督が2012年に脚本・演出し、2015年には「ファニーバニー」として小説化した作品を自らのメガホンで映画化。

自称小説家・剣持聡(中川大志)と彼に振り回される面々が織り成す騒動を、「図書館襲撃」「ラジオ局電波ジャック」の2部構成で描いていきます。



いろいろサプライズ満載の作品ゆえ、ストーリー的な前知識はあまり入れずにご覧になったほうがよろしかろうとは思われますが、最初はコメディかと思いきや、急にシリアスになったり、ミステリアスになったり、青春もの、音楽もの、果てはこれってファンタジー? と思わせる瞬間もあったりで、なかなか先が読めないオモシロ新感覚エンタテインメントとして屹立しています。

秀逸なのはやはり自らの「正義」をふりかざす主人公の造型で、とにもかくにも熱い! そして面倒臭い!

もっとも好漢・中川大志がそんなぶっとびかっとびな彼を演じると、不思議と「暑苦しさもまた一興」といった好もしい風情が生まれ、友人の漆原聡(岡山天音/いつもながらに良い味出してくれています)さながら見ているこちらもグイグイ牽引されてしまうのでした。



また、そうした魅力の基ともいえる一因のひとつが過剰なまでの主人公の台詞の多さで、しかしそれらが昨今の映画やドラマ、アニメなど巷にあふれまくっている説明台詞とは大いに一線を画し、あくまでも主人公の「魂の叫び」として熱く、熱く、熱く(!)響き渡っているのは本作の最大の美徳ともいえるでしょう。

中川はもとより関めぐみ、落合モトキ、角田晃広など飯塚作品への出演キャリアを持つ面々も含めた俳優陣の魅力もバランスよく醸し出されており、また夜のほのかな暗闇をベースにした舞台設定の雰囲気をぐんと高める小松髙志の撮影も特筆しておきたいところです。

それにしてもオリジナル舞台の初演は東日本大震災の翌2012年でしたが、コロナ禍のさなかにお目見えする映画版も、暗鬱とした世相に響くものに成り得ているのは嬉しい限りでありました。

(文:増當竜也)

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