映画コラム
『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』徹底解説|作品を読み解く「5つ」の疑問
『ジャスティス・リーグ:ザック・スナイダーカット』徹底解説|作品を読み解く「5つ」の疑問
疑問③:ED曲の意味とは?
本作のエンディングには、ザック・スナイダー監督の亡き娘に対する強い愛を感じました。
エンディング曲として使われたのは、Allison Croweさんによる楽曲『Hallelujah』。
実は、この楽曲、監督にとってお気に入りの一曲のようで、過去作『ウォッチメン』のとある場面ではLeonard Cohenが歌うバージョンが挿入歌として使用、本作の予告編でも、同楽曲が使用されていました。(監督の公式twitterに投稿された白黒版の予告編でも、同楽曲が使用されています。)
#UsUnited pic.twitter.com/NiHatOzxJn
— Zack Snyder (@ZackSnyder) November 17, 2020
本作のエンドクレジットでは、『ジャスティス・リーグ』製作の最中、亡くなってしまった監督の娘・オータムさんへの追悼の言葉が映し出されますが、それを踏まえて、楽曲の歌詞に着目してみると、そこに監督の強い思いを感じられます。
「信念」や「神様」、「天国」といったキリスト教的な言葉を用いながらも、その主軸として歌われるのは「愛する者との別れ」。
また、本作では物語において、通常版以上に「愛する者の喪失から前へ進む者たちの物語」という側面が強調されています。
亡き恋人を思って戦うワンダーウーマンや、父の死を乗り越えて新たな人生を歩むサイボーグ、クライマックスで崩壊した世界を元に戻すフラッシュの姿には、そんなテーマが象徴されていたのではないでしょうか。
ヒーロー映画という題材でありながらも、その核にはザック・スナイダー監督の亡き娘に対する強い愛を感じられ、その内容に筆者は強く感動しました。
疑問④:ラストに登場した謎の人物の正体は?
本作のラストシーンでは、悪夢から目覚めたバットマンのもとに「マーシャンマンハンター」と名乗る謎の人物が登場します。
マニアックかつ、日本での知名度も低いキャラクターゆえに、登場した直後、疑問を抱えた人も多いのでは?
実はこの人物、ワーナーブラザーズの公式サイトによれば、スーパーマンに匹敵する力を持ったスーパーヒーローの1人とのこと。
また、劇中ではスーパーマンの育ての母・マーサに変身し、彼がスーパーマンの恋人・ロイスに助言を与えるシーンも描かれており、その正体が、シリーズの常連キャラクター・カルヴィン・スワンウィック国防長官だったことが明らかになります。
つまり、彼は、劇中で未来のキーパーソンとなることを示唆されていたロイスを助けるため、その守護者として行動をしていたのです。(また、スーパーマンの蘇生シーンでは、ロイスの死によって、未来のスーパーマンが悪に陥る展開が示唆されていました。)
ちなみに、今回、初登場となったキャラクターには、サイラス博士(サイボーグの父親)の右腕・ライアン・チョイという人物もいました。
原作シリーズの彼は「アトム」というヒーローに変身する超重要人物。(DCのTVドラマシリーズでは、映画でスーパーマンを演じた経験もあるブランドン・ラウスさんが、同ヒーローに扮していた。)
このように、劇中では今後のシリーズ展開を左右するような重要キャラクターの布石が多数あり、本作の続きがあれば、一体、どうなっていたのかは、強く気になる部分です。
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