「全裸監督シーズン2」ファーストレビュー | ナイスな見どころは「破裂寸前のヒリヒリ感」
「全裸監督シーズン2」の前半戦の見どころ
今回、機会に恵まれ、配信に先立って「全裸監督シーズン2」の前半部分を見ることができました。この前半戦を一言で表現するなら、破裂に向かっていく巨大な風船、熟しきって腐っていく寸前の果実を見ているという感じでしょう。
冒頭、参議院選挙の街頭演説に立つ村西の姿は怖いものなど何もないといった絶頂にたどり着いた表情を見せます。
公私に渡るミューズ黒木香は一般メディアでも大きく取り上げられ、その知名度は村西を上回る時もあるほどですが、この村西・黒木のバランスの乱れが後々効いてきそうな予感がします。また、後に村西夫人となる乃木真梨子が女優デビュー前のミユキとして現れ、ストーリーの中心に徐々に近づいていっているのも気になるところです。
一方で、自分よりスケールの大きく、自分の破天荒なやり方が全く通じないビジネスマンの姿を見て嫉妬することを隠さない村西の様子も描かれます。また自分より黒木香が売れっ子になっていくことにも心中穏やかではありません。
この嫉妬が野心を生み、衛星放送事業への過剰な投資を生んでいきます。
ビジネスパートナーな昔からの仲間たちとの距離も生まれ、それでも突き進んでいく村西、「全裸監督シーズン2」の前半戦ではこの後描かれるであろう大きな破綻の危険な前触れが念入りに描かれています。
果たして後半戦はいかに?
まだ解禁されていない後半戦のストーリーですが、予告編ではなんと宮沢りえの姿もあります。衛星事業の鍵を握る存在として重鎮の石橋蓮司とともに登場するようで、資金繰りのために彼らの前で土下座する村西の物語が描かれています。
「全裸監督」はフィクションの部分もありますが、基本的には村西とおるという人物の実際の生涯を基にしたものになっていて、そのことから考えると「全裸監督」の劇中の村西もまた衛星事業への過剰投資の結果、信じられないような大借金(300億円)を重ねて、大きく転落していくはずです。そのことを考えると「シーズン2」の前半戦のヒリヒリ感がより一層際立ってきます。村西とおるが果たして、どれだけダイナミックに人生を転落していくのか?6月24日の配信が待ちきれませんね。
(文:村松健太郎)
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