「#コールドゲーム」第4話レビュー:祥子vs良子!班長選挙の行方は…?(※ストーリーネタバレあり)
フジテレビ・オトナの土ドラ枠で2021年6月5日(土)にスタートした「#コールドゲーム」。
-45℃の氷河期を迎えた地球を舞台に避難所でたくましく生き抜こうとする人々を笑いあり・涙ありで描く本作。極限の世界でタフに生き抜こうとする主人公の女詐欺師を羽田美智子が演じる。
本記事では、cinemas PLUSのドラマライターが第4話の様子を紐解いていく。
「#コールドゲーム」第4話のレビュー
このドラマの飯テロ感の秘密は、配膳係のおかげだとようやく気がついた。
毎回食事を運ぶおじさんがごはんの内容を快活にアナウンスする。おかげで、見ているほうも「どんなごはんなんだろう?」と気持ちが高まって、つい祥子たちの食事に注目してしまうのだ。ちなみに今週のごはんは「栄養たっぷり!チーズつきで~す」のパンだった。
さて、今回のメインイベントは第七支部の班長選挙である。
祥子と現・班長の良子が対決の火花を散らし、当初優勢と思われたのは良子。ただ、彼女にはちょっとした裏の顔があった。実は良子は避難所の食料の缶詰を「ばれないわよね~」とちょこちょこ盗んでいたのだ。陽菜の力を借りて祥子はこの不正を暴き、良子に選挙を辞退するよう突きつける。
祥子たちに抵抗し証拠を奪おうとする良子だったが、祥子と良子がつかみ合う中で思わぬ事実が明らかになった。それは良子の身体のアザ。実は良子は息子から暴力を受けていたのだった。
これまで見てきたかぎり、良子は缶詰を盗む若干の図太さはあれど、決して裏表が激しいわけではなくそれほど悪意もない印象。家族もそれなりに円満に見えたので、深刻な問題を抱えていたのは少し意外といえば意外だった。
ただ、改めて思い返してみたら、つまりは彼女も祥子と同じく生きるのに必死だったんだな…と気が付いた。班長としてかいがいしく働いていたのも、「家族」「愛」が優遇されるこの避難所で、いい人、いい家族として認めてもらい優先的に救助してもらえるようものすごく頑張っていたんだなと。そして、懸命になるあまりに息子にも「いい子」を強要して追いつめてしまったのだろう。
良子が苦しんでいるのを知った祥子は彼女に理解を示す。選挙で対立はしたけれど、やはりそこは同じ母親。良子にかけた「いいお母さんだもの、あなたは」という言葉は祥子の本心だったと思う。実際、良子は家族のために一生懸命かつ避難所のみんなの世話も焼いて、本当によい母親だしよい班長でもあった。祥子の言葉に思わず泣き出す良子。母親二人がわかりあっていくこの場面は、なんとも心にしみた。
その後、選挙の結果に憤る息子に対して、良子はそれまでため込んでいたものを噴出するかのように「殴りたいなら殴りなさいよ!」と言い返し、「いい家族はもうおしまい!」と部屋の中で暴れる。これでよかったと思う。取り繕ってばかりでいるより喧嘩をしても本音をぶつけあえるほうがずっといい。
そして、班長選挙で当選したのは良子でも祥子でもなく、まさかのもう一人の候補・黒崎だった。
避難所の男たちにタバコと酒を渡して大量の票を得た黒崎。登場したときからどうにも掴めない男で、とはいえ元刑事だから何か正しいことのために動いているのでは…とも思っていた。しかし、今回やったことは明らかな不正行為。しかも支部長・如月の力を借りたもので、ある意味如月の子分になり下がったともいえる。そして、如月は新班長になった彼に木村家が偽装家族であるのを伝えてしまった。
自ら始めた班長選挙が裏目に出て、思わぬ敵を増やしてしまったかもしれない祥子。サバイバルゲームは4回裏を回ったが、この先、祥子と他の木村家の面々が窮地に追い込まれやしないか…? まだまだハラハラする展開が続く中、ひとまず見守っていきたい。
4話ストーリー
「政府のヘリと交信が取れ、我々が避難生活していることが政府に伝わったようです」如月(中村俊介)の緊急校内放送を聞き、喜びの声を上げる避難者たち。如月は優秀な家族を先に救出するはずとにらむ祥子(羽田美智子)だが、そうなると班長である良子(椿鬼奴)の一家が俄然有利だ。「よし、ここは選挙よ!」
祥子は“班長選挙”を提案し自ら立候補。負けじと良子(椿鬼奴)も名乗りを上げ、なぜか黒崎(篠原篤)も立候補し、避難所全体を巻き込む選挙戦が幕を開ける。
(文:田下愛)
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