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ホラーが苦手な私が新感覚参加型ホラー『ROOOM』を体験してみたレポ



『ROOOM』公式サイト

ホラーが苦手な筆者が、新感覚参加型ホラー『ROOOM』を体験してみた。

「ホラー」「新感覚」「参加型」……普段なら避けたいワードが連なっている。ホラーと名がつくものは映画に限らず小説も苦手で、お化け屋敷も無理だ。ホラー映画に触れた記憶は、幼少期の頃にテレビで観た『チャイルド・プレイ』しかない(そしてチャッキーがトラウマになり、ホラー全般がダメになった)。

そのため、『ROOOM』制作を担当したアスミック・エースがこれまで手がけてきた『リング』『スクリーム』『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』『ソウ』『戦慄迷宮3D』……総じて未視聴です。申し訳ありません。

あらゆるホラーを避けてきた筆者が、なぜ『ROOOM』を体験することを選んだのか? それは、ホラーに対するトラウマを上回るほど「面白そう」だったからだ。

上映開始前から怖さを増幅させる仕組み

筆者が『ROOOM』を体験したのは7月30日(金)19:30〜の回。事前に届いたメールを確認し、上映開始15分前に視聴ページへ移動する。画面にはLINEオープンチャットへ入室できるQRコードが表示されていた。他の参加者全員と一緒に、同じ映像を観ながらわいわいチャットのやりとりができるのだろうか? さすが参加型! さっそく登録する。

19:30の上映開始前から、ぽつぽつと始まる参加者同士のやりとり。「こんばんはー」「こういうの初めてなんですが、よろしくお願いします!」「怖いのかな」「ドキドキ、、」などというメッセージが並ぶ。今からみんなでホラー映画を観るんだ……というわくわく感と緊張。いつ画面が変わるか、今か今かと待ちながら筆者もメッセージを送る。

上映開始前から怖さを共有するこの仕組み、なかなか秀逸だ……。部屋を暗くし、イヤホンをして、チャットルームを凝視しながら上映を待つ。この時間が怖い。待っている時間が怖い。この時間からすでに『ROOOM』は始まっているのだ。

視聴者の言葉が登場人物の命運を握る

19:30を少し過ぎた頃、画面が切り替わった。幸せそうな夫婦が映る。画面の色味が褪せている感じで、夫婦は笑顔で話しているのに恐怖がにじむ。これから何が始まるのだろうか、この夫婦の身に何かが起こってしまうのか……?

妻・はるかを演じるのは生駒里奈。身重のようでお腹が大きく膨らんでいる。隣には夫。真新しいソファが置かれているのは綺麗に整えられたリビングで、おそらくこの部屋で新生活が始まるのだろう。新生活、新居、部屋、ROOM……。もしや、この部屋で何かが起こる?

映像を観つつチャットルームを覗く。次に何が起こるか読めないのが怖いけれど、チャットルームを見れば他の視聴者がいるのがわかるから、少しだけ恐怖がまぎれる。作品の感想をぽちぽち流しつつ、行く末を見守るのが楽しい。このチャットルームがあるおかげで、怖くない。

すると……少しずつ、様子がおかしくなってきた。作品内ではるかが持つスマホの挙動が怪しくなる。なぜかLINEのアプリしか画面に表示されなくなり、ひとつのチャットルームにしか参加できなくなっているのだ。そのチャットルームが、まさかの……視聴者たちが実際に見ている手元のチャットルーム!

実際に「はるか」というユーザーがチャットルームへ入退室を繰り返す。映像と連動している様子に、私たちはだんだんと勝手がつかめてきた。映像内のはるかも、実際にこのチャットルームを見ている。彼女は数々の怪異に見舞われることになるが、チャットルームから送られるメッセージを頼りに難を逃れられるかもしれないのだ。視聴者は必死になる。なんとかして彼女を助けようと、あの手この手でいろいろなメッセージを送り続ける。

筆者自身もメッセージを送りながら、気づいた。「新感覚」「参加型」とはこういうことか。私たちがどんなメッセージを送るかで、はるかの命が救われるか否かが決まってしまうのだ……!

あるきっかけを元に分かたれる、ふたつの結末

何とかしてはるかを救おうと躍起になる視聴者。ともに同じ映像作品を観ている一体感と、登場人物が実際に手元のチャットルームに参加しメッセージを送ってくれる感動とで、没入感が一気に高まっていく。部屋を暗くし、イヤホンをしているのも正解だった。恐怖は増すけれど、チャットルームの存在が心の支えになってくれる。

筆者のようにホラーが苦手な方にとっては、『ROOOM』を体験するのは少々気が進まないかもしれない。けれど、コロナ禍により在宅時間が長くなればなるほど、人は違う体験を求めるものだ。私自身もホラー作品を観るのは勇気が必要だったが、チャットルームがあるおかげで何とか最後まで楽しめた。「そろそろ在宅も飽きてきた……」と新たな刺激を求める方にはぴったりだ。

ネタバレになってしまうため詳細は控えるが、視聴者がどういうメッセージを残すかで、はるかの行く末が決まってしまう。そう、この作品には結末が複数あるのだ。自分のメッセージで彼女を助けられるのか、それとも……? 筆者がどんなエンドを観たのかも書かないでおく。今これを読んでくれているあなたが『ROOOM』を体験するその日まで。

最後に一言、部屋の天井から一定間隔で音が聞こえ始めたら、それは……あなたを呼ぶ音かもしれない。

(文・北村有)

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