2021年08月05日

『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』レビュー:ラブコメと見せかけ、実はスリリング極まる航空パニック映画の快作!

『元カレとツイラクだけは絶対に避けたい件』レビュー:ラブコメと見せかけ、実はスリリング極まる航空パニック映画の快作!



■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT

邦題からラブコメと勘違いしてしまう方もいらっしゃるかと思われますが、これがもう見事なまでにスリリングな航空パニック映画であり、世代的には『エアポート‘75』(74)を彷彿させてくれるものまで大いにありです。

まさに元カレと偶然一緒になって、小型プロペラ機で南の島での友人の結婚式に向かうことになったヒロインでしたが、飛行中にパイロットが急死したことによって決死のサバイバルが始まります。

そこに至るまでの導入部に関しては、こじらせ型ラブコメ的情緒が大いにうかがえることから、こういった邦題を思いついたのかもしれません。

(まあ、元カレと一緒であろうとなかろうと、誰しもツイラクだけは絶対にご勘弁ではないかと思われますが……!?)



ところが、いざ飛行機が離陸して事態が急転直下して以降の展開は、もう手に汗握るとはこのこと! といっても過言ではない状況がつるべ打ち!

しかもそれらが決してあざといドラマ風に用意されてないこともまた、本作の妙味ともいえるでしょう。

というか、あざとさを感じるほどの余裕もないほどにスリリングすぎて、はっきりいって高所恐怖症の人はちと漏らしちゃうかもしれません!?

(いや、大袈裟ではなく、マジで。少なくとも下半身が一気に縮こんでしまうような、あの感覚はしょっちゅう体感できてしまいます!)

もっとも、そうした大空の中の密室にふりかぶる極限状況の数々に男女が共闘して対処していけばいくほど、なぜかしらイチャイチャしているようにも思えてくるのも、また本作の邦題がこうなってしまった所以なのかもしれません。



ただしパニック映画の名作『スピード』(94)の中で「極限状況を通して結ばれたカップルは長続きしない」といった台詞が出てきますが、その伝でいくと本作のカップルのその後はどうなるのか?

というよりも、それ以前にふたりが無事生還できるのか否か? をぜひその目でお確かめください。

(もちろんカップルでの鑑賞も大いにオススメ……かな?)

(文:増當竜也)

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