「孤独のグルメ Season9」第5話レビュー:焼肉暴れ食いが“俺の夏フェス”だ!(※ストーリーネタバレあり)
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2021年7月9日、テレビ東京金曜深夜枠に「孤独のグルメ」が帰ってくる!
輸入雑貨商を営む主人公・井之頭五郎を演じるのは、松重豊。食欲をそそる料理と五郎の大胆な食べっぷりに注目だ。
本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「孤独のグルメ Season9」第5話レビュー
ドラマの冒頭で井之頭五郎(松重豊)が食べているのは、静岡県賀茂郡河津町にある「わさび園かどや」の「わさび丼」。ここはSeason3の第三話で訪れた店。このわさび丼、店主が2年かけて丹念に自家栽培した生わさびをすりおろして食べるもの。わさびの味は「甘い」のだという。原作者の久住昌之も書籍『「孤独のグルメ」巡礼ガイド』のインタビューで思い出の店として真っ先に挙げており、「孤独のグルメ」ファンには人気の店だ。まだ元気に営業しているみたいで良かった。五郎さんは軽く完食して、すかさずおかわりをオーダー。さすがだ。
ところは変わって、静岡県伊東市宇佐美。思わず五郎さんも「のどかだなぁ~」と言ってしまうのどかさだ。しかし、「のどかすぎて、店もない」。暑さと空腹にやられながら、隠れた場所にある「焼肉ふじ」を見つけたときの目がすごかった。さっそく飛び込んで、名物の「豚焼きしゃぶ」「牛焼きしゃぶ」をはじめ、「野菜スープ」「上ハラミ」「キムチ」「ライス」をオーダー。
今回のモノローグで好きなのは、「見ただけで胃袋がせり上がってくる」(初めて聞いた表現。だいたい、せり上がってくるのは胃液)、「安定ハラミ、焼肉界の中継ぎエース」(よくわかる)、「よーし、焼肉ふじロックフェスティバル2021だ」(ここから音楽ネタが続く)、「俺と肉とのコール&レスポンス」(肉と真摯に向き合っている感じ)。
さらに「石焼ビビンバ」と「赤身カルビ」を追加オーダーして食べ終わると、「俺の夏フェス、終了。至福の放心状態。この興奮を胃袋は忘れない」。まさに真夏の肉フェスといった感じだった。それにしてもよく食べる。店主(綾田俊樹)も思わず感嘆するほど。
「いやぁ、奮発しちゃったなぁ。でも、今年、初焼肉だもんな」
最後のセリフに「ああ、健啖家の五郎さんでも、今年は夏まで焼肉を食べる機会がなかったんだなぁ」と不意に胸をつかれる。「ふらっとQUSUMI」では久住さんがビールを飲んでいたが、8月8日からは「蔓延防止等重点措置」が適用されて伊東市でも酒類の提供は終日自粛を要請されることになった(産経新聞 8月6日)。誰もがのびのびとビールを飲みながら焼肉を食べられる世界が早く来ますように。
(文:大山くまお)
「孤独のグルメ Season9」第5話ストーリー
井之頭五郎(松重豊)は数年ぶりに静岡県河津町を訪れ、かどやのわさび丼を食べていた。昔と変わらない主人のわさび愛に笑みをこぼす五郎。久しぶりに本場のわさび丼を満喫した五郎は、商談のため伊東市宇佐美駅に移動する。商談先の相手は、知り合いの美容師・横山綾香(野波麻帆)。商談中に回覧板を持ってきた近所のおばちゃんと横山の会話にどこか和まされつつ、商談を終え五郎は、美容室をあとにする。宇佐美のきれいな空気を味わいながら海を眺める五郎は気づけばすっかり空腹に。海沿いにある宇佐美の旨い魚料理の店を探すことに決めた五郎は歩き出す。しかし、魚料理どころか、のどかすぎて飲食店が一軒も見当たらず、ギラギラと照り続ける太陽に体力を奪われて次第に五郎はバテバテになる。するとそこに現れたのは「焼肉」の看板。精肉店と隣接する「お肉屋さんが営む焼き肉」五郎は喜び勇み店に入り…。
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