2021年08月07日

「サ道2021」第5話レビュー:“サウナの世界遺産”はおじさんたちを癒やし続ける(※ストーリーネタバレあり)

「サ道2021」第5話レビュー:“サウナの世界遺産”はおじさんたちを癒やし続ける(※ストーリーネタバレあり)



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テレビ東京はドラマ25枠で、「サ道」の新シーズンを放映する。
出演は、前作に引き続き原田泰造・三宅弘城・磯村勇斗が決定。今回、“ディスタンスと継承”をテーマとし、様々な距離をこえて受け継がれていくものを描く。

本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「サ道2021」第5話レビュー

最近は女性も通うようになったサウナだが、昭和の時代は「おじさんのもの」という印象が強かった。

「サ道2021」第5話に登場する“サウナ界のパイオニア”、“サウナの世界遺産”こと大阪「ニュージャパン梅田」は、今でも男性専用の施設だ。だから、今回のナカタ(原田泰造)やイケメン蒸し男(磯村勇斗)らの会話には、これまで以上に「おじさん」というワードが頻出する。

お盆を前に、ナカタは実家のある大阪に帰省していた。父親の形見分けをしている最中にスケッチブックを発見。父親もサウナ・銭湯好きだったことを知る。「サ道2021」のテーマは「継承」だが、サウナ好きも継承されていたというわけ。

ナカタは父親も通っていた大阪の老舗サウナ「ニュージャパン梅田」へ向かう。1973年開業でカプセルホテル発祥の地として知られる。イケメン蒸し男によると、サウナパンツを広めたのもこの店らしい。4フロアに及ぶ巨大なスパ&サウナのほか、お食事処にマッサージ室も完備。まさにおじさんたちの天国であり、オアシス。思わずナカタもこう呟く。

「たくさんのおじさんたちが、ここで生き返ってきたんだろうな」
「ここを作った人は、おじさんに優しい人だったんだろうなぁ」

「ニュージャパン梅田」の支配人は「人は人にしか癒やされない」という考えのもと、“接遇”を大切にしていると語っていた。20年働いている女性のマッサージ師は、客(たぶん、ほとんどがおじさん)に「1週間、これで頑張れるよ」と言われるのが最高に嬉しいという。ナカタの父親をはじめとする、昭和・平成の日本経済を支えていたおじさんたちを癒やし、彼らの大切な居場所になっていたのが、サウナなのだろう。

「建物も遺産なら、そこに息づく人も大事な遺産だな、って感じました」とナカタは言う。日本は古い建物を残さずにスクラップアンドビルドをしていく都市開発が多い。だが、建物を壊せば人はいなくなり、そこに伝わるものも霧消してしまう。そのことを考えずに“遺産”を継承することはできない。

なお、ナカタの母親は「あんな熱いところ入って、何がええんやろね」と笑っていたが、演じる昭和の名女優・松原智恵子の実家は、名古屋市南区にあるサウナ付き銭湯「東温泉」であり、現在も元気に営業中。サウナと昭和にちなんだキャスティングなのかもしれない。

(文:大山くまお)

「サ道2021」第5話ストーリー



久しぶりに大阪の実家へ帰省したナカタアツロウ(原田泰造)は、母・ヒロコに頼まれ父の遺品整理を手伝うことに。棚の引き出しを整理し始めると、奥に年季の入った謎のノートを発見する。
食べ物屋の店名やイラスト、風景のスケッチが書かれている中、サウナや銭湯のメモ書きを発見!ナカタは、その中に書かれていた梅田に戦後間もない頃からあり歴史を感じることが出来る施設を訪れる。浴場に入り洗い場を探すために館内マップを見たナカタは珍しい構造に驚く!

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(C)「サ道2021」製作委員会

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