【画像あり】『ムーンライト・シャドウ』完成報告会見|小松菜奈「そっと背中を押してもらえる作品」
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来週の公開に先駆け、9月1日(水)に『ムーンライト・シャドウ』の完成報告会見イベントが行われ、小松菜奈、宮沢氷魚、佐藤緋美、中原ナナ、原作者の吉本ばななが登壇した。
イベントでは、まず主人公・さつき役の小松菜奈が「最初は一人のシーンから撮りはじめて、冬場の撮影で肺に入る空気さえも冷たくて、孤独を感じる時間も多かったのですが、やっとみんなと再会できた時の嬉しさはすごく愛おしい時間でした。そして今日この会見には来れなかったエドモンド監督の想いも、私たちが届けられたらいいなと思います。」、さつきの恋人・等役の宮沢氷魚が「いよいよ9月10日に皆さんにお届けできると思うと、とれも嬉しく思います!今日は色々な話が出来ればと思います!」と挨拶。
小松は、本作の主演を務めた気持ちについて「私が生まれる前から原作はあって、ばななさんが「キッチン」を書かれたのが24歳で、私がさつきを演じたときも24歳だったので、不思議な縁を感じてとても光栄で嬉しく思いました。」と明かした。そして吉本ばななが「小説を書くときは頭の中の人達の思いだけを描くんですが、映画では小松さんがさつきを演じてくださったことで、肉体のぬくもりを失ったんだなということが伝わりました。」と絶賛すると、小松は安心した様子を見せていた。
劇中で、さつきと等が「鈴」をきっかけにして導かれるように出会い、恋に落ちていく姿が描かれていくことにかけ、「忘れられない出会い」について話が及ぶと、小松は「友達の友達が地方に住んでいて古着屋をやっていると聞いて、偶然その土地に仕事で行くことがあったんです。その時は相手の方の名前も場所も知らなかったんですが、ふらっと入った古着屋で出会った方がなんとその友達で、こんな素敵な引き合わせあるんだなと思ってすぐに友達に報告しました(笑)。そこで購入した服もとても印象的に残っています。」、宮沢は「舞台で3度共演した俳優さんがいるんですが、その人がいるから今の自分がいるなと思うんです。初めて会った稽古場で若手メンバーだけでリハーサルしてたんですが、その時にダボダボの古着に真っ赤な靴下を履いて、サングラスをかけてオールバックの怪しい人だったんですよ。異様な空気感が漂っていて、仲良くなれるか不安だったんですが、稽古初日からすごく仲良くなったんです。人は見かけによらないなと改めて思いました。」と語った。
等の弟・柊役の佐藤緋美は「犬を飼っているんですが、実は犬アレルギーなんです(笑)でも犬が大好きで大きい犬を飼いたいなと思っていたら、家族が飼うことを考えていたんです。トイプードルとチワワのMIXですごく小さいんですが、一瞬で虜になってしまいましたね。モジャモジャなので、モ“ジョ”という名前をつけました!笑」、柊の恋人・ゆみこ役の中原ナナは「この作品が初めての映画出演で、演技も初めてだったんですがみなさんに温かく迎え入れてくれて、この映画との出会いが私にとって人生の中で忘れられません。」とコメント。
吉本は「自分の子供を産んだ時ですね。お腹にいるときは超音波ではどんな顔をしているか分からないから、苦手な顔が出て来たらどうしようと不安だったんです(笑)でも産まれて来てくれた時の表情を見たらすごく好きな顔だったので、それが一番忘れられないですね。」と貴重な出会いを嬉しそうに話した。
そして、マレーシアに住んでいるエドモンド・ヨウ監督がなんとリモートでサプライズ登場。エドモンド監督は「みなさんこんにちは。よろしくお願い致します。」と日本語で丁寧に挨拶すると、予想外の監督との久しぶりの再会に一同は大喜びの様子。監督はまず原作者の吉本へ「僕が「ムーンライト・シャドウ」を読んだのは22歳の頃でした。吉本先生が原作を書いたのも22歳頃と聞いて不思議な縁を感じています。親しみを持っていた作品を映画化するのは奇跡のようなことだと感じています。そして尊敬する吉本先生の作品を映画化出来て、とても光栄に思います。」と学生時代から触れていた思い出深い作品の映画化に万感の思いを吐露すると、吉本が「もともと「ムーンライト・シャドウ」は全部が夢かもしれないという話なんです。監督の撮る映像を観たら本当に夢のようで、ぴったりだなと思いました。」と語った。
さらに、監督はキャスト陣に向けても「小松さんについては彼女がいないとこの作品は成立しなかったと思います。佐藤さんと中原さんは演技経験は浅いとは思えないほど、本当に熟練したような俳優さんのように思えました。等は宮沢さんしか考えられなかったので、僕が選んだ皆さんに間違いはなかったんだと思いました。」キャスト陣へ絶賛のコメントを寄せた。
会見も終了に近づき、エドモンド監督は「いまマレーシアでは映画館が休館しているので、日本の映画館で上映されるのはとても嬉しいです。ムーンライト・シャドウファミリーが努力してこの作品を作り上げたことをぜひ観て欲しいです!」と意気込みを語り、宮沢は「いま大変な状況の中、この作品でさつきや柊が愛した人を亡くしたように、皆さんも色々なものをなくしたと思います。誰かの背中を押せるような作品になったら良いなと思って作りました。少しでも希望を持って貰えたら嬉しいです。」とコメントした。
最後に小松が「この作品の好きなところは言葉ではない内面に秘めている感情を、監督が美しく儚く、希望の光のようなキラキラしたまなざしまでも撮ってもらいました。この映画は、自分なりの一歩で良いんだなとそっと背中を押して貰える作品になっています。私たちが届けたいものが詰まっていると思います。」と映画公開を心待ちにしているファンへ向けてメッセージを贈り、終始和やかな空気の中会見は幕を閉じた。
ストーリー
さつき(小松菜奈)と等(宮沢氷魚)は、鈴の音に導かれるように、長い橋の下に広がる河原で出会った。恋に落ち、付き合うまでに時間はかからなかった。等には3つ下の弟・柊(佐藤緋美)がいて、柊にはゆみこという恋人(中原ナナ)がいた。初めて4人で会ったときから意気投合し、自然と一緒に過ごす時間が増えていく。食事をしたり、ゲームをしたり、ゆみこが気になっているという〈月影現象〉について「もしも現実に月影現象が起きたら、誰に一番会いたいか?」を語りあったり。何気ないけれど穏やかで幸せな日々が過ぎていくなかで、別れは前触れもなくやってきた。等とゆみこが死んだ──。深い哀しみに打ちひしがれるさつきと柊。愛する人を亡くした現実を受け止めきれず、ショックで食べることも忘れ、ひたすら走るさつき。そんなさつきを心配しながら、ゆみこの制服を着て何かを感じようとする柊。それぞれの方法で哀しみと向きあおうとしていた。ある日、2人は不思議な女性・麗(臼田あさ美)と出会い、少しずつ“生きていく”という日常を取りもどしていく。そして、以前みんなで語り合った〈月影現象〉に導かれていく。もう一度、会いたい、会いに来てほしい──。その現象とは、満月の夜の終わりに死者ともう一度会えるかもしれない、という不思議な現象だった……。
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