(C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli
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ジブリの世界

REGULAR

2021年09月03日

『アーヤと魔女』はなぜ厳しい評価がされるのか?見方を変えてみてほしい「5つ」の理由

『アーヤと魔女』はなぜ厳しい評価がされるのか?見方を変えてみてほしい「5つ」の理由


3:アーヤの名前が「日本語由来」になっている理由は?

ごく細かいところかもしれないが、1990年代初めごろのイギリスが舞台なのに、主人公のアーヤの本当の名前が「アヤツル(操る)」という日本語由来であることに違和感を覚えた方も多いのではないだろう。実は、英語版ではアーヤのもともとの名前は「Earwig(ハサミムシ)」だったのだ。(英題も『Earwig and the Witch』になっている)

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共同脚本を手がけた丹羽圭子によると、「Earwig(ハサミムシ)は眠っている人間の耳に潜り込んで入れ知恵をするという伝承がある」「アーヤはハサミムシのように、知らない間に人の心に入り込んで操り、自分も相手も幸せにする。アーヤの髪型がハサミムシの形になっているのは、そういう意図があるという話を聞いた」とのこと。つまり、Earwigが日本語訳で「アヤツル」になったのは、そのハサミムシの伝承と同じように、アーヤが後に「人を操る」たくましい子どもになることを、わかりやく示すためのものだったのだ。

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なお、Earwigは映画においても、アーヤの母がかつてボーカルとして参加していたバンドの名前として登場する。劇中歌の「Don’t disturb me(私を煩わせるな)」 は、そのタイトルも歌詞も「誰の言いなりにもならない」アーヤの母の(そして娘に引き継がれた)性格を表しているようで面白い。その「私を煩わせるな」は、魔女の家に住む長身の男マンドレークが言うセリフでもある。

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とはいえ、作中で「アヤツル」という日本語が、しかも「Earwig」という英単語も説明もなしに出てくることには説明不足な印象が否めない。宮崎吾朗監督作では、『コクリコ坂から』もヒロインの呼び名が「海」「メル」の2種類が存在するなど、必要十分な情報を統制できていない印象があった。ここはもう少し工夫しても良かったのかもしれない。

※以下からは『アーヤと魔女』のクライマックスとラストについて、明確に展開を記すことは避けつつも触れている。映画を未見の方はご注意を。

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