(C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli
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ジブリの世界

REGULAR

2021年09月03日

『アーヤと魔女』はなぜ厳しい評価がされるのか?見方を変えてみてほしい「5つ」の理由

『アーヤと魔女』はなぜ厳しい評価がされるのか?見方を変えてみてほしい「5つ」の理由


まとめ:意義のある作品だったと思いたい

これまで書いてきたように、『アーヤと魔女』は「小さな」作品ではあるが、3DCGの美術や表情の作りこみから「こだわり」も存分に感じることができるし、今の子どもに向けた真摯なメッセージを込めている。

ジブリ作品に多くの人が期待しているであろう「夢いっぱいのファンタジー」や「ワクワクする冒険活劇」とは全く異なるし、結末があっけない、物語にも中途半端な印象がある点は否定はできないが、これまで書いてきたように見方を変えてみれば、評価に値するポイントがいくつもある、少なくとも「したたかな女の子の奮闘の物語を今の世界に送り出す」作り手のねらいはしっかり結実した、意義のある作品だったと言えるのではないか。

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また、もともとがテレビ放送向けに作られてはいるが、「暗がり」が映える画が多い点もあり、十分に映画館で観る価値もあった。音響も優れており、特に終盤の「マンドレークが激怒する」シーンでは、その迫力に本気の恐怖を覚えるほどだ。ただ、「劇場版での一部の新カットを追加」はストーリーの印象が大きく変わるものではなく、あくまで少しシーンが足された程度、テレビ放送版と見比べないと気づけないほどのものなので、過度の期待はしないほうがいいだろう。

何より、アーヤのしたたかな性格とその言動は、今の子どもたち、特にコロナ禍という未曾有の世界にいる今では、とても勇気づけられるものだ。前述した通り、彼女は成長しないのではなく、「どこでも変わらない」強さを持っている人物だ。それでいて向上心を持ち、現状を少しでも良くしようと努力をしたり工夫をしたりする。ある意味では、アーヤは理想的なヒーローにも思えるのだ。

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そして、宮崎吾朗監督は長編初監督作の『ゲド戦記』で容赦のない酷評を受け、続く『コクリコ坂から』は多くの人に愛されたものの、今回の『アーヤと魔女』でまたも厳しい評価を受けることになった。偉大すぎる父・宮崎駿を持つ重責はとても重いものだろうが、その作品群からはしっかり作家としての矜持も感じられるし、今後とも応援したいと心から思うことができた。次回作も楽しみにしたい。

(文:ヒナタカ)

参考図書:
アーヤと魔女 (ロマンアルバム) 徳間書店
アーヤと魔女 ダイアナ・ウィン・ジョーンズ著 徳間書店

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