2021年09月04日

映画『マスカレード・ナイト』レビュー:木村拓哉のエンタティナーとしての誇りと貫禄を堪能できるシリーズ第2弾!

映画『マスカレード・ナイト』レビュー:木村拓哉のエンタティナーとしての誇りと貫禄を堪能できるシリーズ第2弾!


ゴージャスなサービスに満ちた
2時間強の至福の時間! 

前作は立場も性格も全く異なる新田と山岸のデコボコ・コンビによるバディ・ムービーとしての体裁が貫かれていましたが、今回も基本的には同じであれ、山岸がコンシェルジェに移動になったことで、フロントクラークを装う新田といつも行動を共にするわけではありません。

この部分が今回のキモみたいなところもあり、お互いが離れながら事件と対峙していくことで、ふたりの関係性が如実に見えてくる仕掛けにもなっています。



同時に今回は山岸の職務的な立場を通しての成長みたいなものも描かれており、新田はそれを遠くからサポートするような図式にもなっています。

もちろんふたりのバディ・ムービーとしての基軸そのものはまったく損なわれていませんが、今回はその補助とも補強とみえる役割として能勢刑事(小日向文世)が前作以上にさりげなくも存在感を発揮してくれています。

そして今回の木村拓哉は、いわば観客の熱いアンコールに応えて再登場するエンタテイナーの誇りと貫禄みたいなものが自然に醸し出される好演です。

きちんと全体を見渡しつつ、その時折のシーンでの相手役との空気を直感でキャッチしながら、自身のスター性と役柄とを違和感なく両立させるパフォーマンスで返していくという、これぞ木村拓哉ならではの秀逸な資質でもあり、今の日本映画演劇界でそれを成し得る稀有な存在であるともいえるでしょう

また今回は冒頭で華麗なアルゼンチン・タンゴを披露してくれていて、こちらも多くは語れませんが「見逃し厳禁!」とだけお伝えしておきましょう(まあ、冒頭から出てきますので、見逃すはずもありませんが!?)。

なかなか今のご時世の中、日本映画界もアニメ映画以外は苦戦を強いられがちではありますが、久々にメジャーならではのゴージャスなサービスに満ちた2時間強をお約束してくれる作品であることは間違いないでしょう。

(文:増當竜也)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

(C)2021 東野圭吾/集英社・映画「マスカレード・ナイト」製作委員会

RANKING

SPONSORD

PICK UP!