2021年10月08日

ドラマ『僕の姉ちゃん』杉野遥亮インタビュー|姉・ちはるを見て「うらやましい」と思った意外なコト

ドラマ『僕の姉ちゃん』杉野遥亮インタビュー|姉・ちはるを見て「うらやましい」と思った意外なコト

<「僕の姉ちゃん」特集企画>

益田ミリの人気マンガ『僕の姉ちゃん』が黒木華&杉野遥亮により実写ドラマ化。Amazon Prime Videoにて、全10話の配信がスタートした。


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親の不在により、束の間の2人暮らしをすることになった姉弟の日常を描いた本作。辛口の姉・ちはる(黒木華)の弟・順平役を務めた杉野遥亮はどのようにこの役と向き合い、演じたのだろうか。


——実写化が決まった時の感想を教えてください。

杉野遥亮(以下、杉野):主演の黒木さんもおっしゃっていたのですが「これをどう実写化するんだろう?」というのが最初の感想です。どこをどの様に切り取るのか、想像もつきませんでしたが、きっと素敵なものになるんだろうという予感はしていました。このキャスト、スタッフの皆さんと、面白いものを作りたいと思いました。


——杉野さんが演じる弟の順平の人柄を教えてください。

杉野:僕自身もそうですが、順平も、「男だから」とか「女だから」とか、そういう風にカテゴライズする必要はないんじゃないかなって思ってる気がします。すごくピュアだし、相手の一挙手一投足を気にして、毎日必死に生きていて。とても素敵な人なので、ずっとそのままの彼でいてほしいです(笑)。


彼の感じる葛藤や悩みは僕が少し前順平と同世代だったころに抱えていたものでもあるので、スムーズに順平という人柄に向き合うことができました。何を思っていて、どう感じているのか共感できる部分は多かったです。

——黒木さんと二人芝居のシーンが多かったと思いますが、いかがでしたか?

杉野:撮影期間はとても短くて、二人芝居のシーンは正味10日間くらいだったと思います。それだけぎゅっと詰まった撮影をしていたので、もちろん疲れもあるんだけど、だんだん僕も黒木さんも、役と自分との境目がわかんなくなってきたような気がします。


黒木さん自身もちはるみたいに砕けた感じになってました(笑)。いい意味でちょっと変というか、面白かったです。関西弁でしゃべってくれるようになったのがうれしくて。ただ、僕も気を抜くと、順平みたいにタメ口になってしまっていたみたいで(笑)。それはもしかしたら失礼だったかもしれないと、のちに反省しました!


——ほかの共演者の方々とのエピソードがあれば教えてください。

杉野:真田美穂子役の久保田紗友さんは、レッスンを受けていた先生が同じ方だったので、なんとなく知っていて。初共演でしたが、共通点があったので初めてという感じがあまりしませんでした。ただ、他の方々も同じなのですが、撮影期間がとても短かったので、演じることに必死になりすぎて、あまりオフの時間に話したりすることはできませんでした。


——本作は姉と弟による会話劇が中心となりますが、撮影においてこだわった部分はありますか?

杉野:二人の基本スタンスがコントみたいに映らないように気をつけました。日常の中でクスっと笑える瞬間を切り取る作業というか。でも、自分の芝居を改めて見返すと「もっとこうすればよかった」とか悔しい部分もたくさんあります。たとえば、2人の会話の合間の取りかたとか…。「もっとちゃんとできただろ!」と、映像で見て自分に突っ込むことも多々あります。


——では、最後にこのドラマの見どころを教えてください。

杉野:温かい何かを心にお届けできる作品だと思います。見てホッとしたり、こだわって作り上げたドラマの世界観にひたったり、二人の会話から自分の中に何かを思い起こしてみたりと、人それぞれ、いろんな楽しみ方ができると思います。


それに、監督や美術さんのこだわりが詰まった独特の世界観は目でも楽しめます。二人が暮らしている一軒家はロケセットだったんですが、本当に順平とちはるが暮らしているような空間だったので、撮影が深夜に及ぶと僕も自分の家にいるみたいな感覚になっていました(笑)。

とくに、黒木さん演じるちはるがおいしいものを食べるシーンは毎話の見どころです。撮影現場で隣で見ていても、本当においしそうに食べるんです(笑)。順平はちはるに比べて食べるシーンが少なかったので「姉ちゃんはいつもうまそうなもの食べていて、うらやましいな」と思っていましたが、映像で見返しても同じことを思いました(笑)。


2人の会話劇ももちろん見どころです。ちはるの言っていることは独特なので、はじめは「なんだかつかみどころのない姉弟だな」とは思うかもしれません。でもちはるの言葉はエッジが効いている中にも、相手を思いやっていたりするところがあるんです。会話の端々にただよう二人の雰囲気がすごく魅力的だと思います。


一見、恋愛の身近な悩みに答えているだけのようで、人生そのものを表していたりして、僕自身も考えさせられました。少しほっこりして、少しおなかがすいて、人生を少し振り返るきっかけになるドラマかもしれません。

(撮影:八木英里奈、取材・文:AK)

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