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2021年11月05日

西島秀俊がイケてる素敵な映画5選|『劇場版きのう何食べた?』「真犯人フラグ」と絶好調のイマ

西島秀俊がイケてる素敵な映画5選|『劇場版きのう何食べた?』「真犯人フラグ」と絶好調のイマ


(C)2021 劇場版「きのう何食べた?」製作委員会 (C)よしながふみ/講談社


2021年11月3日から『劇場版きのう何食べた?』が公開されました。

西島秀俊&内野聖陽のカップルが2LDKアパートで暮らす日常を「食」メインで描いていくほのぼのヒューマンドラマの劇場用映画です。

今年、西島秀俊はこの作品以外でも『劇場版奥様は、取り扱い注意』『ドライブ・マイ・カー』と新作映画が公開、アニメ映画『劇場版オトッペ パパ・ドント・クライ』ではあのイケメン美声で歌まで披露!

テレビドラマでも現在「真犯人フラグ」が話題沸騰!

先ごろ終了したばかりの「おかえりモネ」の浅岡役も印象的でしたね。

年末には『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』が、そして来年公開予定の『シン・ウルトラマン』も撮影を終えています。

今回はそんな絶好調の西島秀俊がイキな映画を集めてみました。

北野武監督のラブストーリー
『Dolls』主演で大いに飛躍!

西島秀俊は1971年3月29日、東京都の生まれ。

子どものころから映画好きで、映画関係の仕事を夢見るようになり、19歳の時に受けたオーディションがきっかけとなって俳優の道へ進みます。

俳優デビューは1992年のドラマ「はぐれ刑事純情派5」でレギュラーで務め、93年には「悪魔のKISS」「あすなろ白書」で注目を集めます。

映画デビューは『居酒屋ゆうれい』(94)で、96年には『菜の花配達瓶』で初主演、そして97年の諏訪敦彦監督作品『2/デュオ』で大きく飛躍し、99年の黒沢清監督作品『ニンゲン合格』で第9回日本映画プロフェッショナル大賞を受賞しました。



21世紀に入り、北野武監督作品『Dolls』(02)に主演し、さらなる飛躍を遂げます。

この作品、北野監督からほんの少し質問を受けただけで主演に抜擢されたという、奇跡のようなエピソードからキャスティングされたものでした。

3組の男女のエピソードが交錯していくラブストーリーの中、西島秀俊は出世のために最愛の恋人(菅野美穂)を裏切って社長令嬢と結婚しようとするも、それが原因で彼女が自殺を図って記憶を失ったことを知らされ、彼女を連れ去って彷徨していく男を虚無的に熱演していました。

作品そのものもダマスカス国際映画祭最優秀作品賞、第4回文化庁優秀映画賞長編映画部門優秀映画賞をなどを受賞しています。

ちなみにこの作品が縁となってか、北野武の両親を主軸に描いたドラマ「菊次郎とさき」シリーズ(03・05)で、西島秀俊は小学校時代の武の担任・藤崎先生を演じています。

 多くの映画賞を受賞した
『帰郷』(04)



『Dolls』の前後からテレビドラマ出演も俄然増えていく西島秀俊でしたが、並行して2004年の萩生田宏治監督作品『帰郷』に主演します。

これは母の再婚の結婚式に出席するために帰郷した青年・晴男(西島秀俊)がかつての恋人・深雪(片岡礼子)と再会するも、その娘チハル(守山玲愛)とともに取り残されてしまい、ふたりで深雪を探しに出るというハートウォーミングなプチ・ロードムービー。

低温気質のようで誠実に対処もできるイマドキ風の若者を西島秀俊は好演し、第20回高崎映画祭主演男優賞を受賞。同年度に出演した『さよならみどりちゃん』『雨よりせつなく』との合わせ技で第15回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞も受賞しています。

また同年から「大奥 第一章」シリーズ(04~05)「純情きらり」(06)「怪奇大作戦セカンドファイル」(07)「ジャッジ~志摩の裁判官奮闘記」シリーズ(07~08)など、テレビドラマでも大活躍し、2010年の「ストロベリーナイト」シリーズ(10~13)に至るのでした。
 

世界で大絶賛された
映画愛に満ちた『CUT』



2010年代に入って、西島秀俊にとってのひとつの大きな転機が訪れます。

イラン出身でナント三大陸映画祭で2度のグランプリに輝くアミール・ナデリ監督がメガホンを取った日本映画『CUT』(11)に主演し、ヴェネチア国際映画祭でオリゾンティ・コンペティション部門のオープニング作品としてプレミア上映された際、10分におよぶスタンディングオベーションで熱狂的に迎え入れられたのです。

映画監督の秀二(西島秀俊)は兄が遺した莫大な借金を返済するために殴られ屋を営んでいます。

そして殴られるたびに、彼は脳裏に古今東西の名作映画のことを思い浮かべるのです。

小津、溝口、新藤、黒澤といった日本映画界の名匠からロベ-ル・ブレッソン、バスター・キートン、ジョン・フォードなどなど、当然ながら彼らへのリスペクトが劇中あふれかえっています。

そして秀二は殴られ続けながらも、己の信じる「映画」を復権させるために幾度も立ち上がっていくのです。

秀二は叫びます。

「映画は真に娯楽であり、芸術である!」

西島自身「僕の俳優人生は『CUT』前と『CUT』後で変わった」と言わしめた革命的作品です。

西島ファンならずとも必見の作品であるともいえるでしょう。
 

恩師的存在、黒沢清監督の
『クリーピー 偽りの隣人』



西島秀俊の俳優としての運命を大きく変えた恩人の中に黒沢清監督がいます。

彼の『ニンゲン合格』に主演したことで、西島秀俊は俳優として大きく開眼し、ステップアップしていきます。

2006年には中谷美紀主演の日韓合作ホラー『LOFT ロフト』にも出演。

そして2016年、西島秀俊は久々に黒沢清監督作品『クリーピー 偽りの隣人』に主演したのでした。

前川裕の『クリーピー』を原作に、引っ越し先の不気味な隣人(香川照之)に翻弄され、破滅への道を歩んでいく夫婦(西島秀俊&竹内結子)の恐怖を描いたスリラー映画。

今をときめく香川照之の大仰熱演を巧みに利用しながら、ごく普通の夫婦が異常な状況下に落とされていく様を、黒沢監督は持ち前のシネフィル感覚を駆使して冷徹に描いていきます。

西島&竹内ともに自分たちが一体何をやっているのか錯乱してるかのような、しかし絶対的に黒沢演出を信頼しながら流されていく甘美な悪夢のような感覚が映画的に心地よい、そして公開時は賛否両論真っ二つに割れた問題作として今なお本作は話題を集め続けているのでした。

 何とヤクザが高校再建!?
ぶっとびコメディ『任侠学園』



日本で俳優をやっている限り、恐らく大抵の人が一度は通る道、それはヤクザ映画でしょう。

そして西島秀俊もついにヤクザ映画に主演!

しかし、それはいつものヤクザ映画とは一味も二味も違う、何と義理と人情に生きる任侠道の昔気質のヤクザが、何と経営不振の高校を立て直すという、今野敏の同名小説を原作とするぶっとびかっとびな内容のコメディ映画なのでした。

弱小ながらも義理人情を重んじるあまり、社会奉仕に目のないヤクザ阿岐本組の組長(西田敏行)はいつもの気まぐれで経営不振の高校再建に協力することになり、いやいや理事を任されることになった代貸の日村(西島秀俊)が子分らと一緒に高校へ赴くと、そこは無気力無関心な生徒と事なかれ主義の教師ばかり……だったのですが!?

そもそも中卒で学校嫌いの日村でしたが、しかしそこで学園や生徒らの裏の顔などを知るに至り、次第に血が騒ぎ、「昭和か?」ってくらいの熱血学園ドラマが繰り拡げられていくのでした!

いつものクールながらも優しさあふれるキャラとは一転した西島秀俊の、これまた新境地をとくとご覧あれ!

なお本作の木村ひさし監督の最新映画『99.9-刑事専門弁護士-THE MOVIE』にも西島秀俊は出演しています。

またまた演出と演技の息の合ったコンビネーションを魅せていただきたいものですね。

(文:増當竜也)

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