<新作レビュー>『ベロゴリア戦記』第1章&第2章:ディズニー・ロシア独自の魅力!
<新作レビュー>『ベロゴリア戦記』第1章&第2章:ディズニー・ロシア独自の魅力!
■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT
ディズニー映画といえばアメリカ、という認識などはもう古いようで、本作はディズニー・ロシアが製作した異世界ファンタジー大作の2部作で本国では大ヒットを記録。
『第1章:異世界の王国と魔法の剣』が2021年11月26日から、『第2章:劣等勇者と暗黒の魔術師』が2021年12月3日からそれぞれ公開となります。
開巻早々、森の中から広大な大地へ抜けての馬と剣のアクション、そして悪しき美女魔術師の登場といった下りが矢継ぎ早に繰り広げられていきますが、確かにハリウッドとは異なるロシアならではのクールで不気味、それでいてどこか独特のコミカルですっとぼけたな描出の数々に期待を募らせてくれます。
もともとロシアは旧ソ連時代から知る人ぞ知るファンタジー大国ゆえ、見始めるや否や、画面の虜になること請け合い。
孤児院出身でペテン師の小悪党イワンが異世界に召喚され(もともとその世界に生まれた人間ではあったのですが、ワケありで人間界で育てられた)、全然やる気はなかったもののいつのまにか王国の危機を救うヒーローになっていくという設定も特に目新しいものではないものの、ロシア語の響きとともに不思議とすんなり受け入れられるものがあります。
足のある小屋とか空中移動できる樽、若返りの秘薬を用いても声は老婆のままとか、ユニークな設定もふんだんで、一方では英語の歌が劇中に流れたり、もはや異世界では使い道のないスマホが意外に役に立ったり!
第2章では人間界との行き来が頻繁になる分、その対比の面白さもより濃厚になっていきます。
またロシアの女優さんってどうしてこうも綺麗な人が多いのだろうという素朴な疑問を、本作はさらに募らせてくれます(ヒロインが可憐!)
第1章と第2章、もちろん連続ものではありますが、単体でもそれなりに理解して楽しめる作りになっていて(ただしどんどんサーガ的様相を呈してきているので、やはり第1章から見たほうが後々は良策かと)、ロシアでは双方の大ヒットを受けて今年12月に最新作の第3章が公開予定される予定とのこと。
いずれにしましても、同じディズニーでも国が変わればテイストも変わるといった倣いで、ロシアならではのディズニー映画。
こうなると、日本のディズニーも何か映画を企画して見たら面白いかもしれませんね(「桃太郎」とかを現代的に解釈してみたりして。「浦島太郎」と「竹取物語」は地続きのお話であるという説もありますしね)
(文:増當竜也)
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