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2021-11-24

『アタシ、キレイ?』中村優一×瀬戸祐介対談|防護服にマスク、メイキング生配信も…コロナ禍だからこそ生まれた映画の裏側に迫る


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監督・脚本のヨリコジュンが「口裂け女」を新しい解釈で描いた、ホラー映画『アタシ、キレイ?』が2021年11月27日(土)に配信される「DOKUSOフェス2021」にて初公開される。

コロナ禍でエンターテイメント業界が低迷していた、昨年8月に撮影が行われた本作。ワンカット撮影という挑戦に加え、メイキング風景を6台のカメラで生配信するという驚きの試みを実施し、感染症対策も徹底していたという。

そんな撮影の裏側やお互いの印象について、怪しい治験を受けたことで痛覚と快感がペアリングするという関係を演じた、美山春人役の中村優一と森崎和巳役の瀬戸祐介に語ってもらった。



——コロナ禍でエンタメ業界が困惑していた頃に企画された意欲作ですが、中村さんは企画から関わっていたそうですね。

中村:緊急事態宣言によって、エンターテイメントに関わる人たちの仕事がすべて止まってしまったんですよね。そのときに、ヨリコさんに「何かやりたいんです」とご連絡したら、すごい勢いで脚本を書いてくださって。

さらに、コロナ禍になる直前に舞台でお世話になっていた「DOKUSO映画館」代表の玉井雄大さんに一か八かで連絡したんです。インディーズ映画を中心とした配信サービスということで個人的に以前から気になっていたこともあり、「僕たちと作品を作っていただけませんか?」と電話したところ、その場で「やりましょう!」と快く言ってくださって。そこから具体的に企画がスタートしました。

——瀬戸さんはヨリコさんからのご紹介ということで、オファーが来たときは、どんな印象を受けましたか?

瀬戸:僕もコロナの影響で出演予定の作品が次々と中止になっていましたが、その中でも自分の物作りに対する気持ちは一切消えていなくて。そんなときにヨリコさんからお話をいただいたんです。ヨリコさんとはこれまでにも何作かご一緒させていただいていたので信頼もありましたし、ヨリコさんがものすごい映画を撮るというのは周りから聞いていたので、いつか映画でもご一緒したいなと思っていて。企画の概要も聞いて面白そうだったので、「ぜひやらせてください!」とお返事しました。


中村:感染症対策もありスタッフさんも最小限の人数だったので、セットの準備などの裏方の仕事もキャスト自らやるという感じでした。僕は企画の段階からそういう話も聞いていたのですが、瀬戸さんは現場に来て驚いたんじゃないですか?

瀬戸:いやいや、楽しかったですけどね。僕はピンクのベッドを運んだり、障子を張ったりしました。

中村:撮影自体はナイターだったので、昼間に自分たちで準備して、リハーサルをやって、本番という感じで。さらに、撮影が終わったあとも全員で撤収作業をしました。床の血糊も一生懸命拭いて。

瀬戸:そういえば、僕はこれがコロナ禍になって初めての映像作品だったんですけど、初めてスタジオに行ったとき、防護服を着たキャストがいたんです。それを見て、「この現場はそのぐらい対策しているのか…!」と思って(笑)。

中村:あはは! たしかに医療従事者の方のような服を着ていましたもんね。あれも感染症対策の一環で、マスクや防護服を使った撮影ができる設定として治験のシーンを入れたそうです。


瀬戸:リハーサルの段階から感染対策をしっかりとやってくださっていたので、演じる側としても安心して現場に入れたんですけど、まさかここまで!と。そうやって勘違いしたのもいい思い出ですね。

——撮影の様子を6台のカメラで生配信するという斬新な試みもしていましたね。

中村:撮影風景を配信することで、ごまかさずにちゃんと感染症対策をして撮影をしているというのを見せる意図があったんです。

瀬戸:革新的ですよね。

中村:ヨリコさんもDOKUSOさんもすごく攻めていますよね。姿が映っていなくても声が入ってしまうので、より覗いている感というか生々しさがあって面白いなと思いました。声だけ聞こえてくると、今どういうシーンを撮っているんだろう?と見ている方も興味がわいたんじゃないかな。


——ワンカット撮影ということで、場面転換やメイク、衣装の切り替えがとても難しそうだなという印象を受けました。

中村:僕はスタンバイがすごく緊張しましたね。自分のシーンが次でも、カメラに映らないようにしないといけないので。しかも、NGを出したら最初から全部やり直しなので、すごく怖かったですね。一度カメラの前に出たら、NGになりそうでも何とかするしかないというか。

瀬戸:本当に全員が集中しないと成り立たない現場だったと思います。僕たち演者だけじゃなくて、スタッフさんも常に気を張っていないといけない状態でしたから。

中村:他の映像の現場とも違うし、かといって舞台の現場とも違う。新鮮な感覚でしたよね。キャストは次のシーンのスタンバイで走って、スタッフさんもいろんな仕掛けや演出の準備のために走り回って……。ワンカット撮影なのに、雨降らしまでやりましたから。しかも、その雨を降らしているのが監督ですからね(笑)。


——お二人はそれぞれヨリコさんとお仕事をされてきていますが、脚本を読んで思ったことや、ヨリコさんがやりたかったことについてどう感じましたか?

中村:最初、僕はヨリコさんから「まず口裂け女の話をやりたい、そこから快楽の話を混ぜたい」と聞かされていました。そうしたら、この脚本ができあがっていて。なんというか、想像していたものと全然違うんですよ(笑)。

瀬戸:僕らが持っている「口裂け女」に対するイメージと、全然違いましたね。撮影が終わったあとは少し切ない気持ちにもなって、不思議な感覚でした。「口裂け女」がモチーフになっているところも面白いですし、優一くんと僕の痛覚と快感が繋がるというアイディアも画期的だなと。

中村:快楽の部分も僕が思っていたのと違っていて、近未来っぽい話になっているんですよね。どちらかが痛みを感じると、どちらかが気持ちよくなるって、もしかしたらそういうことが今後あるかもとも思わせてくれる話で。例えば宇宙人が人類を絶滅させるために、快楽によって人を殺していく可能性もあるかもとか、そうやって勝手に想像を膨らませたり。さらに、口裂け女の話がこうやってつながるんだっていうのもまた、想像を超えてきて面白い。


瀬戸:今回の撮影を通して思ったのが、ワンカットっていうのもあると思うんですけど、僕と優一くんが痛覚と快楽でつながるシーンは台詞が少ないんですよね。表情やリアクションで見せるというシーンが多くて。特にトイレのシーンは台詞が全くない。

中村:本当に息を合わせたシーンでしたよね。トイレの個室に別々で入って、痛がる方、快楽を感じる方を、お互いの声を聞きながら、交互に演じて、同じタイミングで個室から出てくるという。

瀬戸:僕はこの作品で、そこがすごく勉強になったんですよね。語らずしてもリアクションで表現するというか、喋るだけが役者の仕事じゃないというのを改めて感じさせてもらいました。ヨリコさんも、僕ら演者にそういうことを伝えようとしたのかなとも思いましたね。

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