<5週目ダイジェスト>「カムカムエヴリバディ」:嫌でも目立つ、カムカム子役たちの光る演技(※ネタバレあり)
2021年11月1日からスタートしたNHK朝ドラ「カムカムエヴリバディ」。
日本でラジオ放送が開始された日に生まれた、和菓子屋の娘・橘安子(上白石萌音)。幼馴染の雉真勇(村上虹郎)や水田きぬ(小野花梨)とともに、穏やかに過ごす日々。勇の兄であり、雉真繊維の跡取り息子・稔(松村北斗)に出会ったこと、ラジオ英語講座に出会ったことから、安子の人生が動き始める。
本作の朝ドラヒロインは、安子の娘・るい(深津絵里)へ、そして、るいの娘・ひなた(川栄李奈)へと移り変わっていく。彼女たちの傍には、ラジオ英語講座があった。
本記事では、第5週目のレビューをしていく。
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「カムカムエヴリバディ」第5週目レビュー
たくましく戦後の日本を生き抜く安子。この時代に女手一人で、娘を育てながら商いをして生きていく強さ。いつの世も、守るものを持った人間の強さは底知れないものがある。
雉真の家を出て大阪へ移り、娘のるいと二人、芋あめを始めとするお菓子を売りながら生計を立てる安子。少しずつ大口の注文も入るようになり、当時は高級品とされていたラジオを買えるまでになった。万事問題なく進んでいると思いきや、いきなり千吉(段田安則)がやってきたのが先週までの展開である。
「るいは安子さんの子供であり、雉真家の子供でもある。それに相応しい教育を受けさせてやりたい。ここでは、それは叶わないだろう」と言う千吉に対し、意地を張る安子。何がなんでも二人で生き抜くと決めた先に待っていたのは、過労による人身事故だった。
ろくに食事も睡眠もとっていなかった安子。角から出てきたバイクに気づかずにぶつかってしまう。左腕を折る大怪我をし、るいも頭に傷を負ってしまった。申し訳なさに打ちひしがれた安子は、雉真家へ戻ることを決意する。
少しずつ成長していく娘・るいの姿に、嫌でも反応してしまう週だった。まだ立つのもやっとな時期のるいを演じたのは、永尾琉衣と今井望鈴。そして、木曜の回から登場したるいを中野翠咲が演じている。
彼女はすでにドラマや映画への出演歴があり、今回の朝ドラ出演によってますます活躍が期待される子役の一人。木曜ドラマ「にじいろカルテ」(2021年)で、水野美紀演じる緑川嵐の娘・日向を演じていたことが記憶に新しい方も多いだろう。また、映画『糸』(2020)や『ステップ』(2020)にも出演するなど、ベテラン役者との経験も豊富である。
筆者が思わず涙ぐんだシーンは、突然訪ねてきた千吉が安子を責め、その間に割って入ったるいが「お母さんをいじめたらいけん!」と叫んだ場面。この子が次のヒロインとして生きていくのだと思うと、早くも感慨深くなってしまった。
子役たちの健気な演技も注目していきたい。
「カムカムエヴリバディ」第5週目のあらすじ
再婚を勧められた安子(上白石萌音)。耐えかねた彼女は、娘・るいを連れて雉真家を去る。大阪でお菓子を売りながら生計を立てていこうと決めた安子は、手始めに芋あめを作ることに。懸命に商いに励むが、戦後の日本は誰もが生きることに必死で、誰も安子のことを気にも留めない。身も心も疲れ果て、挫けそうになる安子の耳に届いたのは、ラジオから聞こえてくる「カムカムエヴリバディ♪」の音楽だった。英語講座を聴きながら、再び生きる気力を取り戻していく。
(文:北村有)
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