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<新作レビュー>『偶然と想像』偶然から紡がれる3本の想像力あふれるドラマ




■増當竜也連載「ニューシネマ・アナリティクス」SHORT


2021年『ドライブ・マイ・カー』が第74回カンヌ国際映画祭脚本賞を、ニューヨーク映画批評家協会作品賞を受賞(日本映画としては史上初!)という栄誉に輝いた濱口竜介監督。

そして本作もまた第71回ベルリン国際映画祭で審査員グランプリにあたり銀熊賞を受賞し、一気に世界的な注目を集めるようになっています。

その伝でも本作は今後の彼の飛躍を占う上でも映画ファン必見といえますが、そうした期待に違わぬどころか、大いに予想を上回る面白さに満ちた傑作&快作として、試写室界隈では『ドライブ・マイ・カー』以上の出来だと太鼓判を押すマスコミ陣も多数。


「魔法(よりもっと不確か)」

ここではタイトルに偽りなく、ある種の偶然によって予想もつかなかった怒涛のドラマが始まることがままある事を、3つのエピソードで綴っていきます。

通常なら「いやいや、そんなこと普通ないでしょ」と言えるようなことも、時たま本当に起こり得るという人生の不可思議さみたいなものが、これら3本の優雅で洗練された語り口によるエピソードが見事に描出しているのです。

とかくオムニバス映画というものは、1本1本の短さもあってどこかしら物足りなさを感じることもよくありますが、本作に限ってはそういった不満は微塵もなし!


「扉は開けたままで」

この点でも画期的な作品ではないかと喝采を贈らずにはいられません。

またオムニバス映画の場合、どのエピソードが一番面白かったかを見た者同士で議論するのも鑑賞後の楽しみのひとつではありますが、これまた甲乙つけがたい秀逸なものばかり!

そうなるともうあとは好みの問題でしかなくなるのですが、それとても全て好みとしか言いようがなく、その意味では映画ファン泣かせの傑作であるともいえるでしょう。


「もう一度」

(あえて個人的に申せば、偶然と想像の構成にひとひねりしてあり、ヒロインを演じた森郁月のファンということで第2話「扉は開けたままで」になるのか……でも第1話「魔法(よりもっと不確か)」の古川琴音&玄理も、第3話「もう一度」の占部房子&河合青葉も同様ではあり……)

なお濱口監督はこの題材スタイルをライフワークとして今後も披露し続けていきたい由。

ぜひ次なる新しい“偶然”と“想像”も、私たち映画ファンに披露し続けていただきたいものです。

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(文:増當竜也)

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