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<徹底解説>『キングスマン:ファースト・エージェント』超過激と断言できる3つの理由


まとめ:エンドロール始まってすぐの「おまけ」もお見逃しなく!

あえて気になることを挙げるのであれば、後半の展開だろう。マシュー・ヴォーン監督は良くも悪くも観客を「裏切る」展開をよくやる方なのだが、今回は正直に言って気に入らない方も当然出てくると思う。その後のクライマックスにつながる動機とも、感情としては一致しているが、目的との多少の齟齬も出てきていることも否めない。個人的にこれは主人公チームの内面や価値観を描くために必要だったと肯定したいし、怒る方が多かった『キングスマン:ゴールデン・サークル』のサプライズと比べると遥かに誠実だとは思うのだが、やはり賛否両論は呼ぶだろう。

なお、マシュー・ヴォーン監督自身は、これまでの『キングスマン』シリーズとは違うことをやりたい、大掛かりで壮大なアドベンチャー作品にしたい、『アラビアのロレンス』(62)のような叙事詩でありながら退屈しないジャンルの映画を盛り上げたい、という気概があったのだそうだ。

しかも、マシュー・ヴォーン監督は過去にも『​​X-MEN:ファースト・ジェネレーション』(11)でも、現実にあったキューバ危機の時代に、フィクションのスーパーヒーローが大活躍する映画も手がけていた。つまり、実際の歴史と、フィクションの設定およびアクションを掛け合わせる作風は監督の十八番のようなもの。今回も全力にそこに取り組んだがゆえに、とんでもなく面白い映画になった、というわけなのだ。

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全編がアクションとドラマを両立させたエンターテインメント作品として「あー!めっちゃ面白かった!!」と大満足で観終わることができたその後、エンドロールが始まってすぐに、とんでもない「おまけ映像」があった。スーパーヒーロー映画でもこうしたエンドロール後の映像はニヤニヤできるものだったが、これまで挙げた『キングスマン:ファースト・エージェント』の特徴を踏まえれば、これは「うおおお!やったーーー!」とさらに大興奮できるものだったのだ。

ちなみに『キングスマン:ゴールデン・サークル』に続く、現代を舞台にした『キングスマン』シリーズ第3作の撮影は2022年9月より開始される予定で、この『キングスマン:ファースト・エージェント』はその第3作に向けて「種を蒔く」作品でもあるのだそうだ。こちらも待ち遠しくて仕方がない! 英国紳士スパイたちの活躍を大期待すると共に、さらなるシリーズの広がりもぜひ追ってみてほしい。

(文:ヒナタカ)

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