お笑い好きライターが選ぶ「2021年熱かった芸人ベスト5」 お笑いは今年も最高だった…!
第4位 鬼越トマホーク “喧嘩上等漫才”、ついに覚醒
ここ数年お笑い界で話題となったお笑い第7世代。もちろん第7世代には魅力的な芸人が多数いるが、一方第7世代に入らなかった6.5世代、6.75世代とも呼ばれる芸人たちの近年の活躍も素晴らしい。
6.5~6.75世代の中で特に筆者が注目しているのは吉本興業の養成所・NSC 東京校の15期生たち。一昨年、昨年と2年連続のM-1決勝進出を果たしたニューヨーク、女性芸人のおかずクラブや横澤夏子、ハーフ芸人が所属するコンビのデニスやマテンロウ、歌動画がバズったパーパー・ほしのディスコ(※パーパーの所属はマセキ芸能)など、猛者揃いの期だ。そして、この期で最近勢いを増してきているのが揃ってコワモテの坂井良多と金ちゃんのコンビ、鬼越トマホーク。筆者が今一番好きな芸人ということもあり、今回4位に入れさせていただいた。
鬼越トマホークといえば、その代名詞は喧嘩芸。激しく争う坂井と金ちゃんを止めに入った者が暴言を浴びせられるが、それが絶妙に的を射ている…という独自のスタイルで彼らは注目を集めた。よばれた番組で先輩芸人や俳優、文化人などに辛辣な毒舌を吐いて知名度を上げ、この2021年もテレビの露出がかなり多く躍進した年だったように思う。
ただ、今年の彼らが最も熱かった、少なくとも筆者がそう感じた場所はテレビではない。それはM-1グランプリ予選のステージだ。
YouTubeで「11年やってて(ネタが)4本しかないから」と語っていたこともあり、喧嘩芸に比べてネタが弱い印象の拭えなかった鬼越トマホーク。筆者も彼らの漫才ネタをいくつか見て、申し訳ないが喧嘩芸に比べて若干物足りなさを感じることがあった。
ところがである。2021年のM-1予選で目にした彼らの漫才は大きく進化していたのだ。
鬼越トマホークが今年のM-1でかけてきたのは、得意の喧嘩を本格的に盛り込んだネタ。マイクにたどりつく前から大声で争い、漫才中も罵り合って、挙句に街などまでディスりだす彼らを見たとき、「ついに自分たちにしかできない漫才を始めた……!」と鳥肌が立った。
喧嘩漫才にはまだ粗削りなところも感じられ、戦績は準々決勝敗退。とはいえ、2回戦で敗退した前年のリベンジはしっかり果たしたし、何より着実に一皮向けた姿を見られたのがファンとして本当に嬉しかった。
M-1グランプリの公式YOUTUBEに上がっているインタビューで、「できないことをタテにずっと漫才から逃げていたけど、今年は弱音を吐かずにガチで狙おうと」と語っていた鬼越トマホーク。ついに覚醒した喧嘩上等漫才はこの先まだまだ進化するはず。ぜひ今後もブレずに、“らしい”ファイティングスタイルでネタに立ち向かっていってほしい。
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