表現者・庵野秀明「5つの人物像」を考える<庵野秀明展 無事閉幕>
表現者・庵野秀明像5:アニメを持続可能な文化にするために貢献
アニメと特撮文化の継承には、原画やミニチュアなど「中間制作物」を保存することが大切です。
これらから、映像がどのように作られたかが分かり、作り手が込めた精神性や、芸術的価値、魅力の源泉を知り、研究することも可能になります。#ATAC #アニメ特撮アーカイブ機構https://t.co/tgOk9r7bLz — ATAC:アニメ特撮アーカイブ機構 (@Info_ATAC) December 18, 2021
庵野秀明展の最後を飾るのは、「そして、これからつくるもの」を紹介するパート。
筆者が印象的だったのは、庵野氏のアニメ・特撮文化を次世代に引き継ぐための取り組みです。
庵野氏は「アニメや特撮映像の職人的な技術と宿っている魂を次世代に伝え、残しておきたい」という思いから2017年に特定非営利活動法人アニメ特撮アーカイブ機構(ATAC)を設立。理事長に就任しました。
ATACは、アニメの画コンテや原画、特撮のミニチュアやデザイン画など、映像制作過程で作られる「中間制作物」を収集・保管し、整理したうえで展示や出版など非営利目的の範囲での利活用を目的としています。
アニメと特撮の文化とそのエッセンスを後世に伝え、継承するATACの活動は、庵野氏にとってはアニメや特撮への「恩返し」に位置づけられるとのことでした。
また、2017年7月には映像作品の制作に携わる人材育成に注力したアニメ・CG制作会社「PROJECT STUDIO Q,INC.」を株式会社カラー、株式会社ドワンゴ、学校法人麻生塾の3社で共同設立します。
先人たちの技術や魂を次世代に伝え、アニメ・特撮という文化をこの先ずっと残していこうという庵野氏の強い想いが感じられる取り組みたちです。
影響を受けた作品群、自分が制作した作品群、そしてこれから作られるであろう作品群すべてに敬意を示し、守っていくのが表現者・庵野秀明の在り方なのだと感じました。
庵野秀明展は、今後地方を巡回予定
庵野氏の作品をそこまで詳しく触れてこなかった筆者ですが、膨大な資料や映像を目にして庵野氏のさまざまな人物像を知れた本展。
庵野氏の作品ファンはもちろん、アニメや特撮ファンにとっても満喫できる空間であることは間違いありません。
庵野秀明展は、2月から大分、大阪、山口の順に巡回する予定です。
東京会場に行けなかった方はもちろん、あの空間をもう一度味わいたいという方はぜひ会場まで足を運んでみてくださいね。
■庵野秀明展ホームページ
https://www.annohideakiten.jp/■庵野秀明展巡回情報
大分会場会期 : 2022年2月14日(月)〜4月3日(日)
会場 : 大分県立美術館
大阪会場
会期 : 2022年4月16日(土)~6月19日(日)
会場 : あべのハルカス美術館
山口会場
会期 : 2022年7月8日(金)~9月4日(日)
会場 : 山口県立美術館
※上記以降も、追加巡回を順次調整中とのこと。
<参考>
庵野秀明展 展覧会図録
(文:きどみ)
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