「ムチャブリ!」第1話レビュー:勝手し放題カリスマ社長のムチャブリは”変わること”の大切さを教えてくれる!?(※ストーリーネタバレあり)
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高畑充希主演の水10ドラマ「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」が2022年1月12日より放送スタート。
ベンチャー企業「リレーション・ゲート」で社長・浅海(松田翔太)の秘書を務める雛子(高畑充希)。いきなり子会社の社長に指名されるという”ムチャブリ”に、彼女はどう対応していくのか? 生意気な部下・大牙(志尊淳)に軽んじられながらも、現実を受け入れていく様が描かれる。
本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ムチャブリ!」第1話レビュー
「予算を大幅にカットしろ」と言ってきたり、企画書を白紙に戻せと要求したり。浅海社長(松田翔太)の日々の”ムチャブリ”は相当なもので、担当秘書の雛子(高畑充希)は振り回されっぱなしだった。帰宅後、自宅でゆっくりゲームをするのが、彼女の唯一の憩い。時間や所構わず飛び出してくる浅海社長のムチャブリに辟易しつつも、30歳女子おひとりさま生活を満喫していた。
そんな矢先、雛子が過去に作った「カジュアルフレンチレストラン」に関する企画書が採用され、外食産業の子会社「リレーション・フーズ」が設立されることに。なんと、その新社長を雛子が務めることになった。
これまでにない最大級のムチャブリ。力量不足を自認している雛子は社長就任を断ろうとするが、浅海社長には聞き入れてもらえない。話はあれよあれよと進んでいき、経営不振に陥っているフレンチレストランを買い上げ、1ヶ月後を目安にリニューアルオープンすることまで決まってしまった。
乗りかかった船と言わんばかりに、自信のないまま社長業に邁進する雛子。これまでは一社員だったが、いきなり社長になったことで、周りには社長扱いしてもらえるようになった。一抹の高揚感を覚えるも、レストランのリニューアル過程において次々と問題が勃発。雛子の自信はまたもや霧散してしまう。
なんとか社長らしく立ち振る舞おうとするも、部下・大牙(志尊淳)には舐められる。「店ごと変わるなんて聞いていない、新メニュー開発なんて協力しない」と突っぱねる頑固なシェフ・古賀(神保悟志)とは上手くいかない。
所詮あの企画書は適当に出しただけだし、もともと私なんて社長になる器じゃないし……と言い訳を重ねる雛子。相次ぐトラブルに心が折れ、ついには浅海社長に「やっぱり無理です」と社長の立場を退きたい旨を進言してしまった。
このまま、外食産業の立ち上げまで白紙に戻ってしまうのか……。その瞬間、古賀の姿勢が変わった。「このまま新メニュー開発を断り続けたら雛子が辞めてしまう、そうなったら後味が悪い」といった理由で、やる気を出してくれたのだ。
その様子を見た雛子も、変わることを決意した。徹夜で新メニュー開発に協力し、なんとか完成にまで漕ぎ着ける。「古賀シェフと共に新しい店を作っていくこと」そして「社長を続けること」を決断した雛子。
社長の仕事は決断すること、と言ったのは浅海社長だ。ようやく雛子は腰を据えて、社長としての仕事を遂行したことになる。
このドラマは「変わることの大切さ」を教えてくれる。そして、変わるためには「考え方」と「行動」を見直すことが大事であることも。
古賀シェフ自身も、レストランの経営状態が悪いことにはずっと前から気づいていた。なんとかしなければならないと思いつつも、30年間フレンチレストランとしてやってきた矜持が、問題点と向き合うことを邪魔していたのだ。その頑なな姿勢が、雛子の存在によって変化した。
雛子もまた、変わることを恐れていた。
ずっと浅海社長の指示に従い、彼の言う通りに事が進むように、それだけを見据えながら仕事をしてきた。雛子だって、入社当時は「こんなことをしたい」と未来を思い描いていた新入社員だったのだろう。それが、目の前の仕事をこなすことに集中しすぎるあまり、自分のやりたいことに目が向かなくなってしまったのだ。
その結果、変わることは怖いし面倒だし、今のままでいたほうが楽である……といった価値観に繋がってしまった。「子会社の新社長に就任」という浅海社長のムチャブリによって、無理やり変わらざるを得なくなった雛子。彼女がこの先どんな変化の道を辿っていくのか、楽しみで仕方がない。
(文:北村有)
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