「やんごとなき一族」第9話:深山家に生まれる女子の悲劇とは?再会した明人の姿
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土屋太鳳主演・松下洸平共演の木10ドラマ「やんごとなき一族」が2022年4月にスタート。
原作は講談社『Kiss』で連載中の、こやまゆかりさん作の同名コミック。庶民の家庭から上流社会の一族に嫁ぐことになった主人公が、理不尽な一族のしきたりや親族内の複雑な人間関係に翻弄(ほんろう)されながらも、夫とともに真正面から立ち向かい奮闘する“アフター・シンデレラ・ストーリー”をお届けします。
本記事では、第9話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「やんごとなき一族」第9話レビュー
かなりお腹が大きくなってきた佐都(土屋太鳳)。
圭一(石橋凌)をはじめ、みんな赤ちゃんの性別を気にしだす。結婚した有沙(馬場ふみか)も、姑に「男の子を授かるためには身体をアルカリ性に」「今日は排卵日でしょう」などと言われていた(最悪だ)。
男の子にこだわる周りを疑問に思う佐都だが、深山家では男子しか役に立たない、女子はいい人と結婚できれば役に立つくらいの考えなのだった(これまでの内容から想像はついたが……)。
そんな中、圭一の妹・春菜(キムラ緑子)が家にやってくる。春菜はアイドルのヤマト(内藤秀一郎)の熱烈な追っかけをしており、佐都は彼の舞台に連れていかれる。圭一は彼女のことを疎ましく思っているようで、女の子について「これ以上お荷物が増えたらかなわん」と言う。
深山家に女子として生まれ、結婚もしていない春菜は厄介者らしい。彼女は華道の腕前が素晴らしいが、深山家の女は仕事をさせてもらえず、各地をボランティアをしてまわり、深山家の財産で暮らしているらしい。
春菜はヤマトに高価なプレゼントをして貢いでいるようだ。なんと、圭一が明日国交省のお客さんに見せようとした高い花瓶(高価な骨とう品)を価値もわからず売ってしまったのだ。
困った佐都と健太(松下洸平)は、ヤマトに時計を返してもらえないか頼みに行く。意外にもヤマトはあっさり返してくれ、「こういうことはもうやめてもらうよう言ってくれませんか」と言う。
ヤマトは売れない時代から応援し続けてくれた春菜に感謝しているから、高価なプレゼントなんかいらないというのだ。ヤマトくん、アイドルの鑑……。深山家に訪れたときも(家に呼べるんかい)「(男の子でも女の子でも)どちらでも最高にかわいいんでしょうね」と言っていたし、本当にいい人みたいだ。
だが春菜は「その子は男の子よ!そうじゃなきゃ悲劇だわ」と言う。後から聞いた話によると、春菜は女子なうえに身体が弱かったため、役に立たないと父親(健太たちの祖父)に無視されていたのだ。
ひ、ひどい……。お見合いもしたが、身体が弱いために「跡取りを産めないんじゃないか」とすべて断られたという。春菜はずっと自分には価値がないと思い、ヤマトくんだけが自分を必要としてくれた「自分が存在してもいいんだって思える唯一の救いなの」のだという。なんだか悲しい……。
佐都はそんな春菜に「素敵な花をいけられるなんて心が豊かな証拠です。誰かの奥さんになるとか親になるとか、それだけが人の価値なわけないです」と伝え、久美(木村多江)も「私ね、春菜さんのお花が大好き」と言った。
圭一は翌日の来客時、春菜に恥ずかしいから顔を出すなと言ったが、佐都の提案で、来客時に花瓶にお花をいけてもらうことに。客人は骨董品に花がいけてあったことに大変驚いたが、「スケールが違う!」と感心し、久美は「主人の妹の春菜です」と誇らしげに紹介するのだった。初めて人に認められた春菜は感謝した。
妊娠していると嘘をついていた美保子(松本若菜)。前回提供された精子を使うのはさすがに思いとどまったようで良かったが、お腹にシリコンを巻いて嘘をつきつづけていた。召使いに語る、オールバイ美保子の努力によるシンデレラストーリー、ちょっと気になる。
お嬢様の集まる大学に頑張って入ったが、深山家の3人だったら誰がいい? という話題になっても「美保子さんのところは家柄が違うから関係ないか」と馬鹿にされたりしたらしい。
大学で話題になる深山家三兄弟もすごいが、この話に出てくる金持ち、性格悪い人多くないか……?
なぜか明人(尾上松也)オーディションをし、明人の笑い方を再現する美保子、やはり面白すぎるんだが。明人から呼び出しがあったと思ったら離婚届が張り付けてあり、電話で「別れてくれ」と告げられるが美保子はブチギレ。明人が座っている車の反対側の窓の下から「見いつけた」と顔を出してきたのは怖すぎた。前回でホラー回は終わったと思ったのに(笑)。
明人、ずっと不敵な感じだったのにさすがに美保子があらわれたのにはびっくりし、叫んで形態をぶん投げてビビッていた。仕事には遠隔で復帰したみたいだが、美保子はそのことを知らないらしい。
さとけんたの子どもの性別が判明。女の子だとわかり「がっかりだ」という圭一に、「勝手にこの子に役割を押し付けないでください。子どもに役割なんかありません。女の子だろうが男の子だろうが、どんな性別だって、この世に生まれてきてくれるだけで十分に価値があるんです」と言う佐都。
「そうだよ、俺たちの子どもをこの家の犠牲にはさせない」という健太。
どっちの性別でも、この2人の子どもに生まれてきた時点で大ラッキーな気がする。
ラスト、妊娠は嘘だったことがばれ、ひどい言葉でなじられた美保子はナイフを手にしようとし、それを止めた佐都はリビングで産気づいてしまう。
ちょうどその頃、健太は明人に呼び出されていた。明人は車いすに乗っていた……。
どうなる? 佐都。 どうなる? 健太。
次回、佐都が健太に別れを告げていて気になるどころじゃない……。
(文:ぐみ)
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