【Netflix】埋もれた名作5選『ムーンナイト』監督過去作etc
4:『AIに潜む偏見:人工知能における公平とは』
昨今、AIによる機械学習が注目されている。2022年2月26日(土)ユーロスペースほかにて公開の『チェチェンへようこそ-ゲイの粛清-』は、ゲイ狩りが横行するチェチェン共和国から脱出する者を追ったドキュメンタリーだ。
本作では、当事者を保護するためにディープフェイクが用いられ、AIにより自動生成された顔を亡命者にはめ込んでいる。言われないとディープフェイクが使われているかわからないレベルの編集により本作は、第93回アカデミー賞視覚効果賞のショートリストに選出された。
Netflixには機械学習に関する怖いドキュメンタリーがある。『AIに潜む偏見:人工知能における公平とは』は中立公正であるはずのAIが、偏った結果を提示してしまう危険性を唱えている。
大学で顔認証技術を使った課題作成に取り組んでいる黒人女学生。しかし、なかなか顔を認識してくれない。このことに疑問を思って調査すると、顔認証の精度に偏りがあることが判明する。
映画はこの学生と共に、類似事象を追っていくなかで段々とあることに気づかされていく。それは、AIが偏見のある現実社会を複製していることである。実際に、マイクロソフトが開発したおしゃべりボットが差別的発言をするようになった事件を目の当たりにするとSF映画の恐怖は、すぐそばにあることに気づかされる。
エンジニアはもちろん、ジェンダー論に関心ある方は必見のドキュメンタリーである。
>>>『AIに潜む偏見:人工知能における公平とは』Netflix配信ページはこちら
『ロニー・コールマン:偉大なる王者』
「大胸筋が歩いている!」
彫刻のように引き締まった筋肉で覆われた巨人、ロニー・コールマンの雄姿を目の当たりにすると、誰しもそう叫びたくなるだろう。ロニー・コールマンは、ミスター・オリンピア8連覇を達成したボディビルダーだ。
そんな彼は、激しいトレーニングによって身体に負荷がかかり、今や松葉杖での生活を余儀なくされている。ロニー・コールマンの軌跡を追ったこのドキュメンタリーは、あまりボディビルダーに詳しくなくても涙こみ上げてくるものとなっている。
見た目の豪快さに反して、彼は勤勉で優秀である。大学では、アメフトをしながら会計学の勉強に励み優秀な成績で卒業した。しかし、職に恵まれずピザ屋で働き、毎日まかないのピザを食べる生活を送っていた。ここで彼の頭の良さが発揮される。まかないのピザに飽きた彼は、近くのファストフード店で働いている者に「お前、飽きただろ?交換しないか?」と持ちかけるのだ。このビジネス取引のセンスが後にサプリ事業へ繋がっていく。
一方、ボディビルダーとしての活躍も重厚に語られる。ミスター・オリンピア8連覇の快挙を成し遂げたが、回を重ねるごとに身体に無理が生じていた。それを一番知っていたのは、ライバルのジェイ・カトラーだ。
彼は長年、ロニー・コールマンに勝てなかった男。そして、彼の9連覇を止めた男である。通常だったら嬉しいはずの勝利。しかし、彼は嬉しくなさそうだ。彼の口から語られるその理由を聞くと魂が揺さぶられる。
スポーツ映画好きにイチオシなドキュメンタリーである。
>>>『ロニー・コールマン:偉大なる王者』Netflix配信ページはこちら
5作品とも観応え抜群の作品。Netflixの膨大な作品数に迷ってしまったら、これらの作品に挑戦してみてはいかがでしょうか?
(文:CHE BUNBUN )
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