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2022年02月15日

「私の正しいお兄ちゃん」第6話レビュー:古川雄大が海利の“希望”と“絶望”を歌う(※ストーリーネタバレあり)

「私の正しいお兄ちゃん」第6話レビュー:古川雄大が海利の“希望”と“絶望”を歌う(※ストーリーネタバレあり)


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古川雄大主演の「私の正しいお兄ちゃん」(フジテレビ系)が2022年1月10日(月)より放送スタート。

モリエサトシによる同名漫画を原作とした、ジェットコースター・クライムサスペンス&ラブドラマで、ヒロインを山谷花純が務める。

本記事では、第6話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「私の正しいお兄ちゃん」第6話レビュー

自分は愛する理世(山谷花純)の兄を殺してしまったのかもしれない……。「私の正しいお兄ちゃん」第6話では、犯した罪の重さに耐えられず、海利(古川雄大)の心が壊れていった。

取り調べを担当した刑事の反応から、理世が正己(長谷川純)の妹なのではないかと思い始めた海利。最初はただの偶然だと自分に言い聞かせる海利だったが、正己が生き絶える前に「り…ぜ…」と呟いていたこと、正己が大切にしていたフェルトの怪獣を見せた時の理世の反応、何かに急き立てられるように就寝中の自分に覆いかぶさる彼女の表情がピースとなって繋がる。



理世はたしかに、海利を憎んでいたこともあった。しかし、生前の兄が犯した罪を知り、理世は復讐を果たすのではなく、自分をまっすぐに愛してくれる海利と共に生きることを決めたのだ。

でも海利は、理世が悩み抜いた末に出した答えを知る由もない。「理世が真実を知りながら警察に通報しなかったのは、自らの手で罰を与えるためだ」と海利は異なる結論を導き出してしまった。



海利がこれまでの幸せな日々を振り返るバックで、古川雄大の主題歌「指先、手」が流れる。

この楽曲では、古川自身が作詞作曲を担当。二度と自分には平穏で幸せな日々は訪れないと思っていた海利の前に、理世という一筋の光が差す“希望”と、残酷な運命が二人を引き裂いていく“絶望”が同時に表現されているようで切ない。



罪を犯してしまったことには変わりないが、本来の海利は自分を犠牲にしてでも愛する人を守り抜く正義感の強い人間だ(ゆえに正己を殺してしまったとも言える)。

きっと理世の人生を、自分への復讐で終わらせてしまわないようにと思ったのだろう。海利は自ら命を絶ち、理世の前からいなくなることで彼女を楽にすることを決意。理世が海利のために初めて自分の手を汚したことも知らずに。



理世は立花(堀井新太)からDNA鑑定を催促され、同僚が使用したコームから“自分のものではない”髪の毛を採取して手渡した。これまではただ事実を警察に黙っていただけだったが、理世は初めて海利が犯した罪の隠蔽に手を貸してしまったことになる。

二人の気持ちのすれ違いが綻びを生み始め、少しずつ別れの足音が近づいてきた。

(文:苫とり子)

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(c)モリエサトシ・講談社/フジテレビジョン

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