青春の1ページ:『レオン』のマチルダになりたかった
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一人でこっそり観に行った映画1「新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に」「シト新生」
(C)東映
友だちと映画に行く機会ができた中、人を誘えない映画もあった。エヴァの旧劇がそのひとつだ。エヴァを何となく好きなのではという人は知っていたが、映画を観に行くほど好きかはわからなかった。土曜日の部活の後にこっそり行った旧劇場版。クラシックに載せた戦闘シーンや、アスカがシンジに放った「気持ち悪い」は、慣れない一人映画にきた少しの気まずさと一緒に思い出す。今となってはなんだかその感じもエヴァっぽくていいなと思う。
ちなみに今は一人映画、全然平気だ。むしろ一人で行くほうが多い。
一人でこっそり観に行った映画2「バトル・ロワイアル」
(C)2000「バトル・ロワイアル」製作委員会
友だちに小説を借りてハマった通称『バトロワ』。キャスティングが最高だったし、大好きなブランド、BA-TSUが衣装提供していたし、絶対に観に行きたかった。だが内容が内容だし、これまたみんな映画を観たいレベルなのかわからずこっそり観に行った。小説版の一番大事だと思ったシーンがすっ飛ばされていて解釈違いはあったけれど、メインキャストはやっぱりよかった。特に栗山千明の千草貴子と柴咲コウの相馬光子がほんとに秀逸だった。
この映画の公開は2000年。その前の1990年代は少年犯罪が報道されることが多く、「キレる17歳」という言葉も生まれ、1999年9月9日に人類が滅亡するというノストラダムスの大予言が話題になったりしていて、1990年代後半~2000年代前半に作られたものの一部には、退廃的な作品や若年層の殺人をテーマにした作品が増えていたように思う。「世紀末感」と言ったらいいのだろうか、そんな中で送った思春期真っ只中の作品だった。
惨劇の後のエンドロール、「Dragon Ash」の「静かな日々の階段を」がなんだか讃美歌、鎮魂歌のように感じた。当時通っていたのはキリスト教の学校で、毎朝礼拝があった。
映画は人生の一部。いい作品は永遠に色褪せない
今回振り返って思った感想は、映画と一緒に当時の自分の状況を思い出すということ。子ども時代や学生時代だとなおさら時期の差が明白で、映画は人生の一部なんだなと感じた。これからも人生の一部となるような作品とたくさん出会いたい。また、いいと思う作品は、数十年を経てもなお魅力的だとあらためて感じた。古さ新しさでは測れないものが、そこにはある。
(文:ぐみ)
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