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2022年03月04日

「科捜研の女」第13話レビュー:“ソロキャン”殺人事件!マリコは火起こしで科学者の本領を発揮(※ストーリーネタバレあり)

「科捜研の女」第13話レビュー:“ソロキャン”殺人事件!マリコは火起こしで科学者の本領を発揮(※ストーリーネタバレあり)


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沢口靖子主演の木曜ミステリー「科捜研の女 season21」が、2021年10月14日(木)より放送スタート。

画像分析やDNA鑑定などの科学技術を駆使し、難解な犯罪捜査に立ち向かう様を描いた本シリーズ。榊マリコ(沢口靖子)の活躍もさることながら、ともに捜査に精を出す刑事・土門薫(内藤剛志)の熱血ぶりも魅力だ。

本記事では、その第13話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「科捜研の女 season21」第13話レビュー

キャンプ場で見つかった遺体。被害者はボートの販売代理店をしている南郷朋親(山西規喜)だ。

“ソロキャン”に来ていたと思われる南郷。他に同じ場所でキャンプしていたのは5人。動画投稿にいそしむ野川桜子(小林万里子)、カップルの高見沢萌(市瀬由宇)と根室成人(竹田和哲)、そして、黒石萬作(斉木しげる)と森末未来也(藤田富)だ。



キャンプ道具を鑑定する科捜研。結果、検出された気になる成分は、現場にあったコーヒーミルの取っ手及び被害者のポンチョに付着していたみょうばん。また、黒石や森末の指紋も見つかった。

当初、被害者の姿を見ていないと嘘をついていた黒石たち。マリコ(沢口靖子)たちは改めてキャンプ場を訪れ、黒石が持っている火起こし用のメタルマッチを調べさせてくれと頼む。すると、「これでたき火を着けることができたら調べてもいい」と黒石は言う。


メタルマッチの使い方など知るはずもないマリコ。しかし、道具の素材から方法を導き出して、見事なたき火を作ってみせた。さすがは科学者だ。

マリコの火起こしに感心した黒石。殺人事件に巻き込まれたくなくてだまっていたが、あの日、南郷に声をかけられて夕食とコーヒーをご馳走したと明かした。例の取っ手は黒石のコーヒーミルのものだった。


火起こしや料理などを森末から教わったという黒石。「黒ちゃん」「師匠」と呼びあう二人の間には、キャンプを通して年齢差を越えた友情が生まれているようだ。

一方土門(内藤剛志)の捜査で、南郷がクルーザー購入のできそうな金持ちを探していたのが判明。さらに、黒石が大手企業のCEOであるのもわかった。南郷は黒石に近づきたくてキャンプに来たのだろうか。

そんな中、亜美(山本ひかる)が桜子から入手したキャンプ場の映像を解析。映っていたのは南郷とピンクのフードを被る人物。現場でピンクの上着を着ていたのは森末一人だ。


映像には黒石の姿もあった。マリコたちが森末と南郷を目撃したのでは?と問いただすと、黒石は森末を庇うためにだまっていたと認める。日々「社長」という肩書を背負って生きる彼にとって、何者かなど関係なく親しくしてくれる森末はかけがえのない友人。彼との時間を失いたくなかったのだ。

土門の取り調べを受けた森末は、南郷と面識があったことを白状。リゾート会員権の営業をしている彼は、南郷から会員権を買う代わりに顧客情報を教えるよう言われたという。

森末はスマホに入っていた黒石の写真を南郷に見られていた。南郷がキャンプ場に来たのはやはり黒石目当て。なお、森末は黒石が社長であるのをとうに知っていた。

南郷に顧客情報を流すことなく、黒石がお金持ちと知りながら営業をかけもしなかった森末。仕事に苦戦している不器用さも伺え、筆者は悪質な犯罪を犯すような人間にはちょっと思えなかった。

そして、例のみょうばんの正体がわからずすっきりしなかったマリコは、風丘(若村麻由美)が緑色のたき火の写真を見せたときに、ついに事件解決のヒントを見出していく。

「熱を加えると色が変わる……」



みょうばんに含まれるカリウムは炎色反応で紫色になる。犯人は、あの夜みょうばんでたき火の色を変えて楽しんだカップルの一人=萌だった。彼女の上着もまた温度変化で色が変わる素材。事件当時、炎で色が変化していたのだ。

デートでおしゃれするためのお金欲しさにキャンプ場で物を盗んで売っていた萌。あの夜、黒石のミルを盗もうとして南郷に目撃され、争っているうちに死なせてしまったのだ。この身勝手極まりない犯行を供述した彼女に「(キャンプを)本当に楽しめたのか!」と土門は雷を落とした。

森末が自身の素性に気づいていたことにショックを受ける黒石。森末は経済誌でそれを知ったという。ただ、わかった際に「宝くじに当たった気分」になりはしたものの、彼にとって黒石はやはりキャンプ仲間の「黒ちゃん」。友だちだと思っていた……と悲しむ黒石に彼が伝えた言葉は「友だちじゃない。師匠だよ」。最上の親しみをこめたものだった。

「またキャンプに行こう」と絆を深めるキャンパーたち。彼らを見守りながら、黒石を見習って立場や仕事を忘れて楽しめる趣味を見つけては……と土門はマリコにすすめる。マリコの答えは「科学より楽しめることってある?」

それでいいと思う。彼女は科捜研が仕事であり趣味でもある生粋の科学者なのだから。

(文:田下愛)


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