インタビュー

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2022年06月08日

TikTokクリエイター・しんのすけ:TikTokで感じる「邦画と洋画」について

TikTokクリエイター・しんのすけ:TikTokで感じる「邦画と洋画」について




映画感想TikTokクリエイターのしんのすけさんを迎えた短期連載の第3回。

今回はTikTokを通して感じる、邦画と洋画の置かれている状況について語っていただきました。

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最近のTikTokで感じる、邦画と洋画について


まず「映画好きにウケることと、世間でウケることは違う」ということはやり始めてから肌で感じます。

コメントの熱量や実際に映画館に行くというアクションを見てみると、シンプルですが邦画が強い。それはもう圧倒的に。

邦画と洋画では、再生回数としてはもうダブルスコアぐらい違いますね。もう如実に数字に現れてた。例えば『エターナルズ』は「もしかして誰も観てねぇんじゃねえか……?」となるくらいでした。

「ハリウッド大作を皆が知っていて楽しみにしている」という状況ではないんだなと。

TikTokのコメント欄を見ても、洋画は映画好きが集まってる感じがします。邦画の場合はキャストの知名度や原作など、コメントする内容の選択肢も多いので、かなり盛り上がっている印象です。

洋画の作品単体の熱量よりも、邦画の総合的な要素が完全に上回っているのは感じますね。

特にコロナ禍に入ってからは、洋画の本数が減って僕のTikTokも邦画中心になったんですよ。邦画の動画ばかり上げていたら、周りに邦画好きの人間だと思われるようになって。

「おすすめの邦画教えてください」「泣ける邦画教えてください」みたいに邦画の質問ばっかり来るようになりました。たまたま邦画ばかりになっただけで、「いやごめん、俺邦画はあんまりよく分からない」と思ってました(笑)

邦画が圧倒的に伸びるなか、洋画で少し注目される作品には“派手な要素”があるような気がします。例えば「いじめ」「グロ」「ホラー」など、作品の知名度というより、ジャンルで伸びている印象です。

「『洋画のグロ描写は容赦ない』というイメージがあるから観てみよう」というコメントは結構見かけるんですけど、洋画をキャストで選んでいる人はあまり見かけないような気がします。

肌で感じる「韓国映画」の強さ


僕は普段は韓国ドラマをあまり観ないんですけど、韓国映画の盛り上がりは実感しています。

「韓国コンテンツをTikTokで紹介してほしい」という話もよく貰うので、韓国映画については鬼のような需要があることを肌で感じています。韓国映画を紹介する時は伸びるな、という印象です。

今の洋画の状況について思うこと


「テレビで洋画を放送する回数が明らかに減った」ということは如実に感じています。

『マトリックス レザレクションズ』公開のタイミングでワーナーの人と話して、「今の子たちは『マトリックス』を知らないんですよね」と言われたんですよ。

確かに僕も『マトリックス』の動画を1本出してみて、全然伸びなかった印象でした。『マトリックス』はもう10年もテレビで放送してないと聞いて、納得しました。

Webが伸びている状況でも、やっぱり日本のテレビは最強なので、テレビで洋画が放送されなくなったのは機会損失だと思っています。

別に日本の映画が悪いわけじゃないですけど、あまりにも洋画をテレビで放送しなかった問題が、10年かかって数字に出てきた。僕はもう『ハリー・ポッター』でも認知としてはギリギリだと少し思ってます。

一方で、洋画を観られる機会が減った以外にも「邦画が面白くなった」ことも関係していると考えています。邦画はとにかくレベルが上がっていると思います。

「邦画は分かりやすい」という意見も含めて、僕の勝手な解釈ですが、たまにビッグバジェットムービーがあって、基本的には少し暗めの作品が多いと思っていたんです。

でも、ここ10年くらいでいわゆる洋画っぽい邦画が増えてきたことは、結構関係していると思います。気軽に楽しめる邦画……昔の洋画ノリで楽しめるような邦画が多く出てきたっていうことは、間違いなくあるだろうな、と思っています。

(語:しんのすけ/取材・構成:シネマズ編集部)

しんのすけ(映画感想TikTokクリエイター)プロフィール



1988年生まれ。京都芸術大学映画学科卒業後、「水戸黄門」や『HiGH & LOW』シリーズで助監督を務める。2019年より映画感想TikTokerとして活動。

TikTokでは主にエンタメや社会問題の情報発信を行い、人気を集める。現在は情報発信の他にもドラマ・映画の監督業をはじめとして幅広く活動。

初めての著書「シネマ・ライフハック」がKADOKAWAより好評発売中。

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