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2022年03月10日

「相棒 season20」第18話レビュー:詩人の女性を追う特命係!冠城が刺された真相は……?(※ストーリーネタバレあり)

「相棒 season20」第18話レビュー:詩人の女性を追う特命係!冠城が刺された真相は……?(※ストーリーネタバレあり)


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シーズン20作目となる「相棒」が、2021年10月13日(水)にスタートした。

水谷豊演じる杉下右京と、反町隆史演じる冠城亘の二人からなる警視庁・特命係が事件の謎を解いていく人気長寿シリーズの本作。今シーズンの最終話をもって7年相棒役をつとめた反町隆史が卒業することが決定しており、右京と冠城の“最終章”がどのように描かれるのかも見どころの一つだ。

本記事では、その第18話をcinemas PLUSのライターが紐解いていく。

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「相棒 season20」第18話レビュー

いきなり冠城(反町隆史)が刺されるシーンから始まった18話。どうにも穏やかではないが、その後、ドラマは時間を遡り、なぜこのような事態になったのかを描いていく。

 うつろな目をして踏切に手をかける女性・マキ(太田莉菜)が気になった右京。その後、「あたしの詩を買ってください」と看板を掲げた彼女から詩集を買った。

「千里一歩(せんりかずほ)」というペンネームで書かれたマキの詩はなかなか伝わってくるものがあり、どうやら才能があるようだ。ただ、彼女は明らかにカタギでない男性(日向丈)と接触していたり、雑誌のページを見て「私は惨めな思いをしてきたのに…」とつぶやいたりと、どうにも物騒な気配がある。

マキが見ていたのは、KAZHO(篠原真衣)という名の新進気鋭のデザイナーの記事だった。自分のペンネームと同じ名を持つ女性に嫉妬しているのだろうか。

マキが何かことを起こすのではないか……と考える右京たち。そこで、冠城はマキを尾行することに。非番の青木(浅利陽介)も呼び出して手伝ってもらう。とはいっても、青木が任されたのは冠城の車の番。すごく嬉しそうに冠城の元へやってきていただけに、若干彼に同情を覚えてしまった。

一方マキの書いた詩にヒントを得た右京は、とある小料理店にたどり着く。その店は前日に女将の澄江が心筋梗塞で亡くなったばかり。マキはこの店で住み込みで働きながら澄江に詩の手ほどきを受けていた。

お店でナイフを購入するなど、危ない兆しが感じられるマキ。彼女が恨んでいると思われるKAZHOはマキの写真に見覚えがないと語った。しかし、右京に聞かれて名乗った本名は「千里一歩」。まったく無関係とは思えない。



マキを追う冠城。彼女がナイフを買おうとするところ、さらに詩を売っているところに偶然を装って接触し「絶望的に思えるときでも必ず光が見えてくるもの」と言葉をかけ、彼女から詩集をもらった。


その後、角田(山西惇)や伊丹(川原和久)らの協力も経て右京たちが探りあてたのは、マキとKAZHOを結びつける非常に深刻な事情だった。

カギを握っていたのは、マキに近づいていた大倉という男。実はこの男は戸籍売買に手を染めており、かつてマキ=本名・千里一歩の戸籍を買ってKAZHOに売っていたのだ。

 自分の戸籍を買った相手が有名デザイナーとして成功していると大倉から聞かされて許せなくなったマキ。公衆電話で「あたしの名前で生きているあんたがどうしても許せない」と訴え、会わないならマスコミにばらすと脅してKAZHOを呼び出す。夜の公園で近づく二人を止めようとした冠城は、KAZHOの振りかざしたナイフに刺されてしまったのだった。

 冠城が殉職、もしくは致命傷か?と心配したが、幸い傷は浅かった。胸元にマキからもらった詩集を入れていたからだ。

 不幸なめぐりあわせで争うことになってしまったマキとKAZHO。彼女たちの壮絶な過去が明らかになる。学校にも行けず母親から虐待されて育ち、母の死後に逃げ出して新たな戸籍を買ったKAZHO。やはり母を亡くして家を出て、男性に騙され借金を被らされて戸籍を売ったマキ。冠城いわく「コインの表と裏」のような二人の人生。聞いていてなんとも苦しくなった。

 戸籍を売った後、自分がこの世に存在していないかのような思いを味わい、何度も自殺を考えたというマキ。そんな彼女に助けの手をさしのべたのが亡くなった澄江。澄江は遺言状と預金通帳を残しており、自分が死んだ後もお店や詩を書くことを続けてほしいとマキにメッセージを残していた。マキには「詩人の魂があるから」と。

 遺言状を手に泣き出していくマキ。「千里の道も一歩から。自分の名前に戻ってもう一度一から人生を始めてください」という右京の言葉に、彼女は大きくうなずいた。

 今回、殺人事件になりかねない事態をなんとか未然に防いだ右京たち。ただ、ひたすら車の番をさせられていた青木がちょっと気の毒だった。友情の証として青木を女性と会わせるかのようなことを言っていた冠城。果たしてこの約束、彼が特命係を去る前にちゃんと果たされるのだろうか。


(文:田下愛)



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