「私の正しいお兄ちゃん」第4話レビュー:ついに海利(古川雄大)の過去が明らかに。理世(山谷花純)の兄はなぜ殺された?(※ストーリーネタバレあり)
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古川雄大主演の「私の正しいお兄ちゃん」(フジテレビ系)が2022年1月10日(月)より放送スタート。
モリエサトシによる同名漫画を原作とした、ジェットコースター・クライムサスペンス&ラブドラマで、ヒロインを山谷花純が務める。
本記事では、第4話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「私の正しいお兄ちゃん」第4話レビュー
海利(古川雄大)が理世(山谷花純)と話しているところに、立花(堀井新太)が警察手帳を見せながら接触してきた。「ちょっと聞きたいことがある」と言われ、人を殺してしまったことがバレたのかと海利は怯える。
しかし、立花が聞きたかったのは、二人のアルバイト先のカフェに訪れていた女子高生について。その時、家出中の女子高生に似ているという彼女が若い男性に連れて行かれそうになり、海利は立花の制止を振り切って助けに行く。
「僕はもう正しいと思うことを曲げたくない」
「私の正しいお兄ちゃん」第4話では、何かに取り憑かれるように正義を貫く海利の過去が明らかとなった。
立花から何に怯えているのかと問われ、転機となった出来事について語る海利。当時高校生だった海利は教育員会の教育長を務めていた父親(阪田マサノブ)のことを心から尊敬していたが、そんな父が自分の在学していた女性教師(佐津川愛美)を性的暴行し、訴えられる。それだけでなく、父親は動画を使って女性教師を脅していた。
真実を知りたい海利は父親の部屋に忍び込み該当の動画を見つけ出す。しかし、そこに父親がやってきて、判例から同意の有無を立証することは難しく、被害届を取り下げる方が女性教師も傷が浅くて済むと諭す。若い頃の海利は思わず父親の意見に納得してしまい、結局動画のデータを盗むことはできなかった。
その際、女性教師から言われた「あんたはあいつの息子。どうせあいつと一緒なのよ」という言葉に海利はずっと支配されていたのだ。
父親とは違うと示さなければ、父親と同じ側の人間になってしまう……。そんな恐怖から正しさに囚われたままの海利に、立花は「そんなことしなくても、君は父親とは違う」と優しく微笑む。海利が高校生だった頃に彼のような人がいてくれたらどんなに良かったか。現実は残酷で、その後の海利は取り返しのない罪を犯してしまった。
海利の過去を知り、最愛の兄を殺した人物であるにもかかわらず、同情してしまいそうになった理世。今回の「憎ませて」というタイトル通り、理世は意を決して海利が兄を殺した時の状況を聞くことにした。
すると、明らかになってきたのは別人に成り果てた兄・マサキ(長谷川純)の姿。理世の知っている優しい兄は自分たちの父親と同じように暴力で人を支配する大人になっていた。
たまたまマサキが、当時海利のバイト先である居酒屋にやってきたことで知り合った二人。性格は正反対だったが、父親を恨んでいるという共通点で不思議と仲良くなり頻繁につるむようになった。しかし、海利はマサキが家に連れ込んだ女性に暴行を加えているところを目撃してしまう。
すぐさま自首を促すも、二人は揉み合いに。「お前だってな、お前の親父と同じなんだよ」と過去の傷を掘り起こされ、海利はマサキを殺してしまった。
この時点では海利が嘘をついている可能性もあったが、立花の調べでマサキが非行グループの一員だったことが分かる。また、海利は自分の言っていることを信じてもらうため、マサキの関係者から集めた証言を理世に渡した。これによって希望を全て失ってしまった理世は、「一緒にいるためにできることは僕がする。いてくれるだけでいいって言ったのは僕なんだから」と自分だけを見てくれる海利にすがってしまうのだ。
しかし、真実は一つの方向からだけじゃ語れない。理世は写真や関係者からの話だけで、海利と同じように兄は殺されても仕方のない人間だと判断してしまったのかもしれないが、マサキの目線から物語を見ればまた違った印象を持つだろう。
理世と生き別れた後、マサキはどんな家庭環境で育っていたのか。虐待を受け続けていたのであれば、だれか彼を助けてくれる人はいたのか。マサキが死んでしまった以上、もう本人の思いは誰も知る由がない。
(文:苫とり子)
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