「ムチャブリ!」第10話レビュー:雛子が選んだ”人生を切り拓く選択肢”にしびれた最終回(※ストーリーネタバレあり)
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高畑充希主演の水10ドラマ「ムチャブリ!わたしが社長になるなんて」が2022年1月12日より放送スタート。
ベンチャー企業「リレーション・ゲート」で社長・浅海(松田翔太)の秘書を務める雛子(高畑充希)。いきなり子会社の社長に指名されるという”ムチャブリ”に、彼女はどう対応していくのか? 生意気な部下・大牙(志尊淳)に軽んじられながらも、現実を受け入れていく様が描かれる。
本記事では、第10話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「ムチャブリ!」第10話レビュー
葛原専務(坪倉由幸)の画策により、リレーションフーズは解散寸前に追い込まれる。頼みの綱である浅海社長(松田翔太)は姿を消したまま、万事休すの状態。雛子(高畑充希)の恋愛模様にも決着がついていないのに、なんともハラハラさせられる展開である。「リレーションフーズを会社ごと買い取ればいいのでは?」との妙案が生まれ、なんとか資金をかき集めようとするも、順風満帆とはいかない。あれほど敵対していた野上(笠松将)が「復讐にビジネスを利用するなんて間違っていた」と改心し資金援助を申し出てくれた展開には熱くなったが、当の葛原専務は「君たちに会社を売る気はない」と実に塩対応だ……。
このままでは、大切な会社がなくなってしまう。プチボナールの存続も危うい。
社員たちはなんとか本社に戻れるかもしれないが、リレーションフーズとして採用されていた知美(夏帆)はまたもや就活のやり直しだ。そして、雛子自身の進退は……。
なんとも言えない暗雲が立ち込めていたところ、一筋の光が差してきた。
なんと、浅海社長が戻ってきたのだ!
雛子に冷たくされたショックから傷心旅行にでも出ていたのでは……とコッソリ心配していたが、なんと彼は自分の会社を取り戻すため、株を集めて回っていたのだという。社長を解任され、なんとなくやる気も見えず、このままフラフラと暮らしていくのかと思っていたが、やる時はやる男だ。
無事に社長へと返り咲いた浅海。「やはりお前には勝てないってことか」とぼやく葛原と最後に酒を交わすシーンも感傷的にさせられるが、会社が無事に立て直ったということは……また、新たな問題が浮上してくることになる。
そう。雛子は一体、浅海社長と大牙(志尊淳)のどちらを選ぶのか問題!
最終回らしく、雛子にはわかりやすい選択肢が提示された。なんと浅海社長、せっかく戻ってきたにも関わらず社長を再び退任し、アフリカに学校を作るため飛び立つというのだ。
「もう会えなくなるなんて嫌です」と訴える雛子に対し、浅海社長は言う。「それなら一緒に来てほしい」と……。
浅海社長に対して並々ならぬ思いがある雛子。彼は特別な存在で、元々は秘書として彼を支えることに生きがいも喜びも感じていた。かと言って、共にアフリカに行くのが”愛”なのかと問われると……。
雛子は、もう以前の彼女とは違う。一会社の長であり、抱える社員もいる。置いていくにはあまりにも惜しい大切なものを、たくさん手にしてしまっているのだ。
最終的に、雛子はアフリカ行きを断った。
この物語の結末について、見方によっては「雛子は仕方なく大牙を選んだ」といった捉え方もあるかもしれない。浅海社長がアフリカ行きを決断しなければ、きっと今後も雛子は彼の存在を心に置き続けただろうから。
しかし、人生の選択とは、時として”偶然”に支配されるものだとも感じる。
またもや浅海社長のムチャブリによって、本社・リレーションゲートの社長に就任した雛子。子会社の社長になっただけでもアタフタしていた1話の彼女を思い返すと、なんとも頼もしく映る。彼女はまた大切なものを手にし、それらを守るために1秒1秒を尽くしていくのだろう。
雛子を支える大牙の心労も相当なものになりそうだが……そこは、惚れた弱みということで。ぜひともアナザーストーリーをHuluで配信してくれと願いつつ、未来の彼らの幸せを祈りたい。
(文:北村有)
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