2022年04月19日

“明日カノ”主演・吉川愛インタビュー「作品への理解と自分らしさ、どちらも大切にしたい」

“明日カノ”主演・吉川愛インタビュー「作品への理解と自分らしさ、どちらも大切にしたい」


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単行本の累計発行部数300万部を突破し、連載中のマンガアプリ「サイコミ」ではランキング1位をキープし続ける大人気作を原作としたドラマ「明日、私は誰かのカノジョ」が、2022年4月12日(火)より放送を開始した。

cinemas PLUSでは、主人公の雪を演じる吉川愛にインタビュー。作品や雪への思い、実写作品を演じる際に気を付けていることなどを伺った。

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素の部分と「レンタル彼女」の部分、演じ分ける際に意識していること


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――出演が決まった際の率直な感想は?

吉川愛(以下、吉川):ちょっと前から友達に「(雪に)見た目や雰囲気が似てるね」と言われていたのでお話をいただいたときはうれしかったです。作品自体も広告などで見て気になっていて、次に読もうと思っていたところでした。

――今回演じる雪に共感するところや、好きなところを教えてください。

吉川:雪ちゃんと私は性格的には似てないですけど、共感できることはあって。演じていて雪ちゃんにハッとさせられるところもあるし、面白いです。例えば「後から謝るぐらいなら、なんで人が傷つくようなこと言うの?」というセリフがあるんですが、「それはそうだよな」と思いました。わかっていたつもりだったけど、あらためて言われると「私ちゃんとできてたかな?」とドキッとさせられる言葉が多いんです。

好きなところは、何でもスパッと言えるところと、まわりをすごく見ているところ。相手のことを思って言えたりだとか、相手の気持ちになることができる女の子なんですよね。それってみんなできそうでできないことでもあるし、それができる雪ちゃんがかっこいいし素敵だなと思います。


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――発表の際、素の雪と「レンタル彼女」としての雪の差を出せるようにしたい、とおっしゃっていましたが、特に意識した点があれば教えてください。

吉川:雪ちゃん自身は、あまり自分を見せないタイプで、実際根暗ではあるんですね。だけど、まわりのこともちゃんと見ているし、いろんな考え方を持ってる女の子なので、そこを出せたらいいなと思っています。

レンタル彼女としての雪ちゃんは、妹系だったりスポーティーだったりというお客さんの要望に合った女の子を、不自然になりすぎないように演じるようにしています。演じているうえでさらに演じているので、難しいなと思ったんですけど、雪ちゃんはレンタル彼女として優秀なほうなので、ベテラン感が出るように意識してます。

実写化作品では、作品や役への理解と自分らしさ、どちらも大切にしたい


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――「自分らしい雪ちゃんを演じたい」ともおっしゃっていましたが、心がけている点は?

吉川:自分になるべく感情的なところで嘘をつかないように、雪ちゃんを演じています。例えば、演じている最中に私が「こう動きたいな」と思ったら動くようにするとか。漫画原作の実写なので、違うと思われる方もいるとは思うんですけど……。

――やはり実写化は気を遣う点が多いですか?

吉川:そうですね、ちゃんとその作品を理解して寄せることと、自分らしさを出すこと、どちらも大切だなと思っています。私もアニメが好きで、原作を大切に思う方の気持ちはすごくわかるんです。実写化作品に出させていただく場合には、まず原作と演じる役を徹底的に知って、少しでも役に近づけられるように意識しています。

一方で、実写には実写ならではの良さがあると思うから、私らしさも入れてもいいかなとも思うし、原作は原作、実写は実写で分けて観てほしいというか、実写の良さもわかってもらえたらうれしいなとも思います。

――この作品の実写ならではの注目してほしい部分は?

吉川:内面も見てほしいのですが、外見的なところでピンポイントでいうと火傷の痕ですかね。かなりリアルにできていて、すごく「漫画のままだな」と思いました。それがすごいので、見てほしいです。

――火傷の痕のメイクは時間がかかるんですか?

吉川:それが、メイクさんがすごくて、20分くらいでできちゃうんです。

ビジュアルも内面も。酒井監督とちょっとずつ作り上げた「雪ちゃん像」


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――酒井麻衣監督と一緒にお仕事されて、いかがですか?

吉川:世界観の作り込みがすごいですね。実写化の場合、ビジュアルに関しては監督によって考えが違って、再現よりは自然体にという方もいるのですが、酒井監督は原作を忠実に再現する方で、衣装も髪の毛も徹底ぶりがすごい監督だなって思いました。例えば髪の毛ひとつでも「もうちょっとここの毛を出したい」「髪の毛が一本出てるから直して」「雪ちゃんはサラッとしてるイメージだから」など、細かい部分まで気にされているので、私自身も似せるように意識しています。

内面に関してもいろいろと考えていて、「リナちゃんといるときの雪ちゃんは、性格は出ているけどもどこかしら壁があって、見せないようにしてる部分もある」というようなお話をして、雪ちゃんらしくしすぎると友達感が失せたり、友達感を出しすぎると雪ちゃん感がなくなったりするので、なるべくいい感じに調整できるようにしていました。



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リナちゃんが連れてくる男性とお話するときにちょっとだけ仕事モード入れてください、と言われたこともあり、「わかるけど難しいな、どうしよう」と思うことも多くて。「ここ、笑ってよかったですかね? 笑いすぎてましたかね?」とか、細かいところを監督と相談しながら、ちょっとずつ雪ちゃん像を作り上げています。

撮影中も「もうちょっとこうした方がいい」とパッとひらめいたことをすぐに行動に移す方で、良いものを作るために地道な努力を重ねられるのが酒井監督の強い部分だと思います。一緒にやっていて面白いです。

「幸福」は身近なところにたくさんあるものだと思う


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――雪が「幸福は麻薬なんだよ」というモノローグがありますが、吉川さんは幸福はどんなものだと考えてますか?

吉川:幸福は意外と身近、すぐ近くにあるものだと思っています。日常的なことも、意外と幸せだなと思っていて。「当たり前ができてる」って幸せなことだなってすごく思います。幸せを感じる瞬間は多いです。

――最近「幸せだな」と感じた瞬間は?

吉川:体調が普通なこと! 体調を崩してしまったときがあったので、体調が普通なことってすごい幸せだなって思います、健康は本当に大事ですね(笑)。

――雪も他の女の子たちも、それぞれの幸せを手に入れるためにそれぞれの手段を見つけて頑張っていますが、吉川さん自身は何かに悩んだとき、どんな方法で乗り越えていますか?

吉川:いろんな方法がありますけど、私はすごく大切な友達に話します。私のことを何でも、もしかしたら私より知ってるんじゃないかなという友達がいて。私がミスったとしてもその子だけは受け止めてくれるんじゃないかな、私が間違ったとしたら言ってくれるだろうなと思っているので、安心できます。


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あとは好きなことして、まあいっかと思うとか、そのどっちかですね。自分のリラックスできる方法を知っておくのって大事なんじゃないかなって思います。温泉に入るとか、音楽を聴く、この人と会う、愛犬と遊ぶ、何でもいいと思うんですが、ひとつでも方法を知ってると、さみしさって意外とまぎれるんですよね。

私自身も、友達ができづらいタイプで悩んだことがありました。周りと比べてさみしいなと思うときもあったのですが、周りと比べるんじゃなくて自分のしたいことをしようと思いました。

――作品の中でいちばん好きな登場人物と、いちばん苦手な登場人物は誰ですか?

吉川:好きなキャラはゆあちゃんで、苦手なキャラはハルヒくんです。ゆあちゃんは私のまわりにいない女の子で、こんな子いたら面白いんだろうなと思うし、かわいいし、好きですね。

ハルヒくんは人を人として見てないですよね。お金のことしか考えてない人間なんだなと思っちゃって。仕事だとしても相手の子にだって感情はあるし、ちょっと苦手かなと思います(笑)。

ドラマ「明日カノ」を通して伝えたいことと、今後チャレンジてみたい役


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――今作は「レンタル彼女」がテーマの作品ですが、吉川さんはどんな「レンタル〇〇」があったら活用してみたいと思いますか?

吉川:レンタル動物! いろんな動物、飼えない動物と触れ合いたいですね。キリンとか家にいたら面白いなと思うので、1日だけ体験できるサービスがあったら使ってみたいです。

――ずっと育てるのは大変ですよね(笑)。

吉川:そうなんです。ずっとは難しくても、1日とか数時間ならいけるかもしれないなと。その子の生態や「これ嫌いなんだな」というのがわかったらいいなと思って。なにごとも体験しなきゃわからないので、体験してみたいです。

――「体験」をしたい派なんですね。近々体験したいことはありますか?

吉川:ずっとやりたいのが「香水作り」「リング作り」「ガラスのコップ作り」です。先日予定してたんですけど、私が体調を崩していけなくなってしまって。

――作るのが得意なんですね。

吉川:それが苦手なんです(笑)。作ったりするのも機械を使ったりするのも苦手なんですけど、でもやってみたい。あとはスカイダイビングも体験したいです。バンジージャンプの低めのやつはやったことがあるんですけど、もっと高いところからやりたいなと。普段できないことをやりたいですね。

――なるほど。では「こういう役をやりたい」というのはありますか?

吉川:それこそ何か特技がある、役に向けて数か月前から事前に用意しなきゃいけないような役をやってみたいですね。例えばトランペットなどの楽器とか……私はそういう役をやったことがなくて。特技がないので、それで特技としてできます! と言えるようになったらいいなみたいな気持ちもあります(笑)。映画『のぼる小寺さん』で共演した他の子たちは数か月前からクライミングをやってたらしくて、私はのぼらない役だったので、見ていていいな~と思いました。

――最後に、この作品を通じて視聴者の方に伝えたいことがあれば教えてください。

吉川:それぞれの悩みがリアルだったり今時だったり、共感できるところも多いし、自分の悩みってちっぽけだったんだなと思ったり、「あ、こういう気持ちわかる」とか「あ、じゃあこうすればいいんだ」とか、いろんな道が見える作品だなと思っているので、観てほしいですし、観て自分はどう思うのかなと考えてほしいです。

(撮影=渡会春加/取材・文=ぐみ)

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