「汝の名」第5話レビュー:一線を越え、泣きながら笑う久恵(北乃きい)が恐ろしい
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明野照葉の同名小説を原作に、山崎紘菜と北乃きいがW主演と務める「汝の名」が4月5日より放送開始。
山崎演じる姉の陶子と北乃演じる妹の久恵は、「女王様」と「奴隷」のような関係を築き上げ、憎しみ合いながらも心の奥底で依存し合う。女の感情の「負」が惜しげもなく散りばめられた新感覚ホラーサスペンスだ。
本記事では、第5話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
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「汝の名」第5話レビュー
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久恵が飲み物に何かを入れたおばあさん・継子さん(茅島成美)はやはり亡くなった。自分がアパートを更新したいという身勝手な理由のために、たった十数万のために人を殺してしまうなんて。アパートのお金以外に手にしたお金があったとしても、もちろん殺していい理由にはならない。
さらに近所の人たちの前では取り乱して泣き、一人になったときは「もったいなかったかな」と何でもないようにつぶやく様子はまともな神経を持っているようには思えない。思った以上にやばい人間だったようだ。
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一方陶子(山崎紘菜)は、河島(眞島秀和)のキスを避けるように。確かに仕事中にキスはどうかとは思うが、恋人ができたとはいえなかなかわかりやすい。一応この人に出資してもらってるけどいいのだろうか。眞島秀和のねちっこい中年男性役はなかなか新鮮だ。
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そして亮介(EXILE NAOTO)にすべてを打ち明け、身も心も結ばれる陶子。秘密を聞いても大したことないと言い、里矢子という名前も久恵との関係も伝えたがむしろ面白がるくらいの亮介、さすが器が広い。あんなに激しい性格だった陶子がかなり穏やかになっていて、よかったなと思った。
だが久恵は心が穏やかでない。ハローワークに通っていると嘘を伝えたら喜んだ陶子に「もう自分のことはいらないんだ」と危機感を募らせる(単に友人の前向きな一歩に喜んだだけではと思うが……)。さらに「明日お祝いしよう」と言ったのに、亮介と一緒にいて帰らなかった陶子(これは陶子がひどい)。久恵が自分で作った食事をぶちまけ、涙を流しながら不気味に笑うシーンは本当に怖い。北乃きいの演技、すごい……。
亮介に「里矢子」という名前を伝えたと知った久恵はさらにおかしくなった。なんと、誰にも知られてはいけないと思った久恵は本物の麻生陶子(長井短)のことも殺していたのだ。つまり亮介の出現に関係なく、自分の身を守るために人を殺してしまえる人間だったということか。
「裏切り者」と低い声でつぶやく久恵が恐ろしい。
陶子、逃げて~!!!
(文:ぐみ)
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