「やんごとなき一族」第6話:衝撃!長男・明人の暴走と妻・美保子の過去


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土屋太鳳主演・松下洸平共演の木10ドラマ「やんごとなき一族」が2022年4月にスタート。

原作は講談社『Kiss』で連載中の、こやまゆかりさん作の同名コミック。庶民の家庭から上流社会の一族に嫁ぐことになった主人公が、理不尽な一族のしきたりや親族内の複雑な人間関係に翻弄(ほんろう)されながらも、夫とともに真正面から立ち向かい奮闘する“アフター・シンデレラ・ストーリー”をお届けします。

本記事では、第6話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「やんごとなき一族」第6話レビュー

序盤10分ちょっとの時点でさまざまな展開があり、濃い回だった……。

有沙(馬場ふみか)と友貴(森田甘路)は仲良くなり、なんと婚約。
前回の大波乱は何だったのか……。まあ有沙が幸せならいいけど。
友貴、やばそうな人だったけどケーキのいちごを取られてもニコニコしてる。意外と合うのだろうか。

そんな二人の婚約を記念して、お茶会が開かれることに。
美保子(松本若菜)が取り仕切り、作法を知らない佐都(土屋太鳳)には何もさせないようにしようとしたが、八寿子(倍賞美津子)に「お点前をなさい。深山の女でしょう」と言われ、初参加のお茶会でお点前を披露することになってしまう。

久美(木村多江)の全面協力により、特訓が始まった。妨害しようと佐都に雑用を頼もうとする美保子。久美は彼女の前に立ちはだかり、強い口調で「これは私がやります、何かあって美保子さんの責任になってしまったら大変ですものね」と押し切ってくれた。

お母様、素敵……! 前回の涙を経て、久美も自分から行動していこうという気持ちになったのだろうか。いずれにしても、本当にずっと見方でいてくれる存在が心強い。そして木村多江さんのこういう演技、いい……!

そして今回すごかったのは、なんといっても明人(尾上松也)の暴走。ここ数話で態度が変わってきてはいたが、今回はすごかった。

佐都の実家のお店がある商店街は、深山家によってピンチを迎えていた。
向かいの深山の土地に建っている団地をつぶして、ショッピングモールを建設しようというのだ。怒る健太だが、圭一は取り合わない。もっといい案を期限までに考えると食い下がる健太だったが……。

暗闇から昔閉じ込められた記憶を思い出し、健太への憎しみが増した明人は、ものすごい形相で健太に怒鳴ってくる。

「次男坊の健太くん、むかつくんだよお前昔から」
「好き勝手ばかりして、いつも怒られるのは僕だけ」
「僕が厳しくされてきたのを知ってるくせに、跡取り争いにしゃしゃり出てくるなよ!」

……健太がしゃしゃり出たのではなく、圭一が勝手に呼び戻しただけなのだが、ずっと自分が損をしていると思ってきた明人にはそう見えるのだろう。

穏やかではない兄を心配して「大丈夫か?」と健太が心配しても

「やめろよその顔! 心配してるふりしやがって」

思い込みが極まっていて、関係修復はなかなか難しそうだ。

「跡取りは僕だ。おま、えじゃ、ない!」

怒鳴るだけでなく、指で健太のおでこをツンツンするのが印象に残るし異常さをかもし出している。健太のショックそうな顔に心が痛む。

健太は決して悪くなく、いつも自分の心のままに行動しているだけなのだ。
ただ以前、大介(渡邊圭祐)にも「お前に言われたくない、俺の気持ちはわからない」というようなことを言われたことがあった。

自分たちがとてもできないようなことを、自分のままでやってのける健太は、相手にうらやましい、ねたましい気持ちや劣等感をわき起こさせてしまう存在なのかもしれない。

かなりショックそうだが、健太にはそのままでいてほしい。
明人とのことが頭に浮かびつつ、佐都の待つ離れに入る前に表情を作り直す健太が健気……。そして寝てしまっていた佐都にストールをかけ、キスするシーンがとてもよかった。ほんとにこの「大切なものに触れている感」がたまらない。

あとエプロンと眼鏡姿の健太もとてもよかった。

お茶会当日。いきなり佐都に対して動揺を歌い出す美保子。
「お母さんなあにお母さんていい匂い……におうわ」

なんと美保子は、佐都の母・良恵(石野真子)をお茶会に呼び、マナーのなっていない彼女を笑いものにして佐都の立場を悪くするつもりだったのだ。
普段着と聞いて普段着の着物ではなく洋服を着てきてしまった良恵に

「あら私としたことがどうしましょう」と1話と同じセリフを言い佐都が心の中で「デジャブ」と言っていて笑ってしまった。

さらに良恵を正客の席に座らせるなど悪だくみする美保子だが、いろいろと失敗したものの、美保子のフォロー(という名の点数稼ぎ)から「マナーは思いやりだと思ったんです」と自ら習っていないのにお茶碗の絵柄を外側にし、称賛の拍手をあびる。不本意ながら仕方なく、ゴリラのような拍手をする美保子には笑ってしまった。

良恵の横でいろいろとフォローしてくれ、最後は「知識ではなく、心でなさったと」と褒めてくれた客の男性、素敵だった。

帰り際、良恵を呼び止めた八寿子は、こう声をかけた。

「正しい作法は学べば身に付きます。でも一番大切なのは、相手を想う心。今日はあらためて学ばせていただきました」

「佐都さん、結構なお点前でした」

八寿子さん、素敵……! 久美によると、八寿子は関西から嫁いできて随分といろいろ言われ苦労したらしい。「おばあさまはきっとさとさんに期待してるの。私もね」と言う久美。
八寿子さんも、彼女の苦労をしっかりわかっている久美さんも素敵だ。

一方健太は、商店街の人たちがひどい契約書にサインさせられそうになっているのを止めに行った。「この商店街は俺にとってふるさとです。はじめて家族の温かさを教えてくれた」と言う健太の様子から、心から感謝して大事に思っているのが伝わってきた。

触れるべきか迷ったが、商店街のメンバーとしてダチョウ俱楽部の3人が出演していたこのドラマ。すでに撮った部分の上島さんのシーンが流れたが、2人だけのシーンもあり、あらためてさみしさを痛感した。

最後にとんでもないことが発覚する。美保子の実家の和菓子屋は、愛人とその娘によって乗っ取られ、元の奥さんは今も心を病んでいるという。それを言い出した友貴の母は「気分が悪い」と帰ってしまった。美保子は、その愛人の子だったのだ。

どうやら明人はそのことを知って結婚したらしい。はじめて会った美保子の笑顔の一目ぼれしたようだった。逆にちょっと見直した。だが健一は激怒。「二度と私の前に顔を出すな」と言い捨てる。

一人泣く美保子。「まわりに見下されながら、血のにじむような思いをしてここまできたのになんで?」

なら同じ立場の佐都にもっと優しくしてあげてもと思ったが、そのままで嫁いだ佐都が気に食わなかったのかもしれない。結構似たもの夫婦なのかも。

次回、泉(佐々木希)の本性が見られそうで楽しみだ……!

(文:ぐみ)

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