2022年06月08日

BiSH短編オムニバス映画インタビュー:ハシヤスメ・アツコ「忘れていた怒りを思い出させてくれた」

BiSH短編オムニバス映画インタビュー:ハシヤスメ・アツコ「忘れていた怒りを思い出させてくれた」


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

2023年をもって解散を発表した、“楽器を持たないパンクバンド”BiSH。12ヶ月連続リリースの真っ最中であることも話題を呼んでいるが、このタイミングで大きな知らせが。

なんと、BiSHのメンバー6人をそれぞれ主演に迎えた短編オムニバス映画『BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK'N'ROLL』が、6月10日(金)に全国公開されることが決定した。

cinemas PLUSでは、BiSHメンバー全員にインタビューを実施。映画『レコンキスタ』で”これまでにないハシヤスメ・アツコ”を見せた本人に話を聞いた。

ハシヤスメ・アツコの人生を取り上げた映画に


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

――「ハシヤスメ・アツコ=コメディ」のイメージがあったので、今回の作風は意外でした。鬱憤をカッコよくぶちのめす爽快さがBiSHっぽいです。どのような思いで作られたのでしょうか?


ハシヤスメ・アツコ(以下、ハシヤスメ):今回、監督を務めてくださった大喜多監督は、映画を作るにあたって”私の過去”を深掘りしてくださいました。インタビュー記事まで読み込んでくれて、ハシヤスメ・アツコに寄り添った作品を作ろうとしてくれたんだと思います。

大喜多監督とは、BiSHの活動がスタートしてから割と早い段階で出会ったんです。楽曲「オーケストラ」のMV撮影も担当してくれていて、もう6年くらいのお付き合い。今でも定期的にライブを見に来てくれて、いわば”BiSHのお父さん的存在”ですね。

そんな大喜多監督が、私の人生を取り上げた映画を作ろうとしてくれている。BiSHの過程を近くで見守ってくれた大喜多監督だからこそ、できた作品だと思います。


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

――初めて脚本を読まれたときの感想を教えてください。

ハシヤスメ:忘れてた感情を取り戻させてくれましたね。

多くの清掃員(=BiSHファンの通称)が、ハシヤスメにはコメディやコント、いわゆるバラエティ的な要素があると思っているはず。私自身も、BiSHのメンバーになってからは怒ったり感情的になったりすることが少なくて。

でも、いただいた脚本には、感情的になるシーンがいっぱいあったんです。怒り、イライラ、もどかしさ、悲しみ……。撮影するにあたって、忘れてた感覚や感情を思い出せるかどうか、それが一番心配でしたね。 

自分で自分を苦しめた撮影


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

――怒りの感情を思い出すのに、どんなことをしましたか?

ハシヤスメ:とにかく、自分がもがき苦しんだ過去を思い出すようにしました。オーディションを100社くらい受けても受からなかったり、警察官になる夢を実現できなかったりした過去を。忘れてた思い出を無理やり掘り返して、自分で自分を苦しめてましたね。


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

――映画のためとはいえ、苦しさを伴う作業ですよね。

ハシヤスメ:私はもともとポジティブ思考なので、怒りモードになっている自分が嫌でたまらなくて。でも、明るいままの自分だと、上手く撮影に入れないなと思ったんです。なので、撮影の合間もずっと下を向いてました。

私がそんな状態でも、いつも通り話しかけてくれた大喜多監督さんには、感謝しかありません。 

伝えるために170%の勢いでネジを飛ばす


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

――客観的にご自身の演技をご覧になって、いかがでしたか?


ハシヤスメ:少し恥ずかしかったです。自分の作品『レコンキスタ』が流れた瞬間に「とうとう来てしまった……」って目を覆いたくなりました。でも、意外と最後まで観られたんですよね。なので「世界観に入り込める作品になったのかな?」と思えて、嬉しかったです。


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

――過去にドラマ「ボクとツチノ娘の1カ月」(2021)で主演をされてますよね。ドラマと映画を比較して、感じる違いはありましたか?

ハシヤスメ:演技経験が多いとは言えないので、語るなんておこがましいんですが……。強いて言うなら、演技表現には、BiSHと通じるものがあるなと思いました。

たとえば、自分がドラマや映画を見るときに「もう少し大袈裟にやったほうが面白いかも?」って思うことがあるんです。でも意外と、やってる側は120%くらい出してるつもりでいる。


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

自分では「ちょっと大袈裟過ぎない?」と思う動きや声の出し方でも、見る側にとっては違和感がないんだな、と気づいたんです。BiSHのライブでも、もっとネジを飛ばして170%くらいの勢いでやったほうが、観てる側は入り込めるんだなと学びました。 

一歩殻を破るために、タイトルを叫んでみてほしい


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

――今回の映画作りは、ハシヤスメさんにとってどんな経験になりましたか?


ハシヤスメ:大喜多監督の優しさに救われました。好きなように叫んで、好きなようにセリフを言ってもいいって言ってくれたんです。怖いと思ったら、セリフになくても「怖い」って言ってもいいよ、って。自分の感情のままにやらせてもらえて、ありがたかったです。

大喜多監督はとても優しい方なので、私がやりやすいように空気感を作ってくれたんだと思います。ゼロから一緒に作品を作り上げて、その過程で私もたくさん学ばせてもらいました。大喜多監督だからこそ、安心して世界観に飛び込めたんだと思います。


>>>本記事の画像を全て見る(独占写真10点)

――これからご覧になる観客の方へ、メッセージをお願いします。

ハシヤスメ:「一歩殻を破る」って大事だなと思うんです。殻を破るって、言葉では簡単に言えるけど、いざやろうと思うと難しいじゃないですか。でも、たった一歩踏み込めたら、人生って本当に変わるんですよ。

私もBiSHとして活動を始めた当初は、下ネタを言うのも恥ずかしかったです。だけど、いざ口に出してみたら「殻、破れたな」って思ってスッキリできる。

ほんのちょっとでも自分を変えたいと思う方は、この作品を見て一歩踏み出してほしいと思います。まずは、この映画のタイトルを叫んでみてください。

(撮影=Marco Perboni/取材・=北村有)

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

RANKING

SPONSORD

PICK UP!