「ちむどんどん」第68回:やめろ和彦、「僕はやっぱり……」って。しかも愛の話を遮ってまで
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2022年4月11日より放映スタートしたNHK朝ドラ「ちむどんどん」。
沖縄の本土復帰50年に合わせて放映される本作は、復帰前の沖縄を舞台に、沖縄料理に夢をかける主人公と支え合う兄妹たちの絆を描くストーリー。「やんばる地域」で生まれ育ち、ふるさとの「食」に自分らしい生き方を見出していくヒロイン・比嘉暢子を黒島結菜が演じる。
本記事では、その第68回をライター・木俣冬が紐解いていく。
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「ちむどんどん」第68回レビュー
燃える夏。燃える恋。賢秀(竜星涼)は偶然助けた青森出身の女性・水国和歌子(駒井蓮)に夢中で、角力大会にも出場するぞと張り切ります。久しぶりに、例のバンドを頭に装着しました。まだ持っていたんですね。
智(前田公輝)は優勝したら、今度こそ暢子(黒島結菜)にプロポーズすると決めました。三郎(片岡鶴太郎)と順次(志ぃさー)にだけこっそり伝えて、サプライズを狙います。
いや、もう、サプライズとか考えずに、さっさと暢子に伝えて玉砕してほしい。暢子は明らかに智に幼馴染以上の好意を持っていなくて、何度も何度もプロポーズしかけてはぐらかされているのは辛すぎます。「ひとり相撲」という言葉がこれほどぴったりな状況もなかなかないでしょう。
1978年8月13日。海辺の相撲大会は快晴で大盛況。鶴見の人たちが大勢集まってにぎやかです。
智がプロポーズを考えていることを「口の堅い約束の守れる男」(by三郎)順次によって知った和彦(宮沢氷魚)は俄然、相撲大会に力を入れ始めます。穏やかで柔和な雰囲気の和彦ですが、心の中は暢子への恋心で激しく渦巻いている様子。愛(飯豊まりえ)にキスされて、首根っこ掴まれて観念したのではないのでしょうか。
暢子の手製のお弁当(ゴーヤーと魚の天ぷら弁当)を食べて「やっぱりうまいよ暢子の料理」「いままで食べた天ぷらのなかで一番おいしい」とものすごく熱っぽく語ります。
愛はそれを見て、自分の決意を和彦に話そうとしますが(相撲大会に来たのは何か言おうと思ってのことのようです)、「ちむどんどん」でよくある、人の話を遮って自分の話をはじめてしまう失礼な態度を和彦がとります。
「やっとわかった 聞いてほしい 僕たちの結婚のことだけど 僕はやっぱり……」
愛の話がなんなのかまだわかりませんけれど、勝手に想像すると、仕事が楽しくなったから結婚をやめたいと言うのかなと思いますよね。和彦は、愛に花を持たせてやってほしいですよ。せめて、彼女から振る形にしてあげてほしい。
この日の愛はおしゃれなパンツルックで、何か吹っ切ろうとしている印象です。
配慮なく自分の思ったように振る舞う和彦。それだけ恋に夢中で理性が吹っ飛んでいる若気の至りでしょうけれど、視聴者はちむわじわじです。
悪気がないほうが悪い感じがします。
そして、智との試合がはじまりました。「なんでそんな頑張るわけ?」と智を圧倒させるほどの頑張りを見せる和彦。どう考えても智のほうが身体能力高いと思うのですが……。
このエピソードに「なつぞら」第35回のスキー大会を思い出しました。なつ(広瀬すず)に密かに思いを寄せる照男(清原翔)と天陽(吉沢亮)がスキーバトルを繰り広げました。でもこのときはちょっと捻っていて、照男が勝ったら天陽がなつに告白。天陽が勝ったらなつを諦める。という屈折したもの。彼らは自分のためでなくお互いのために必死で勝とうとするのです。エモい話でした。
「なつぞら」第35回は担当されていませんが、チーフ演出は「ちむどん」と同じ木村隆文さんです。
恋愛とスポーツ大会を通して、「なつぞら」の大森寿美男さんはかっこつけたい男のロマンを描き、「ちむどん」の羽原大介さんは男のどうしようもないかっこ悪さを描いているようです。
どちらが好みか人それぞれです。
(文:木俣冬)
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