「初恋の悪魔」第1話レビュー:全員変人!4人の化学反応にワクワクする!
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林遣都と仲野太賀がW主演を務める「初恋の悪魔」が2022年7月16日スタート。
本作は脚本家・坂元裕二が送るミステリアスコメディ。停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)、総務課・馬淵悠日(仲野太賀)、生活安全課・摘木星砂(松岡茉優)、会計課・小鳥琉夏(柄本佑)ら曲者4人がそれぞれの事情を抱えつつ難事件に挑む姿を描いていく。警察モノ、ラブストーリー、謎解き、青春群像劇……全ての要素をはらんだ物語の結末はどこへ……?
本記事では、第1話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「初恋の悪魔」第1話レビュー
事前情報から、クセがありそうだなと感じていた登場人物たち。実際に観たら、思っていた10倍くらい全員変人だった。情報量が多すぎて、正直1回観ただけでは消化しきれなさそうな物語にワクワクしている。事前に番組が、4人それぞれのキャラクターPVを用意したのも納得だ。
坂元裕二脚本作品ということで、このあと私たちはどんなふうにこの曲者の変人たちを好きになるんだろう、と早くも次回以降の展開に期待が募る。
今回は4人のキャラクターを振り返っていきたい。
総務課・馬淵悠日(まぶちはるひ・仲野太賀)
悠日が冒頭に放つ、「負けっぱなしの人生って、誰かを勝たしてあげてる人生じゃないですか」というセリフが心に残った。「僕たちが隅にいるから真ん中に立てる人がいるんです」とも言っており、脇役である自分を受け入れているように見える。だが小鳥琉夏(柄本佑)の話によると、悠日と小鳥の共通点は「自分の仕事が嫌いなこと」らしい。やはり満足しているわけではないということだろうか。4人の中ではいちばんまともそうではあるが、だいたいの状況で笑顔を崩さない彼は、逆に不気味にも感じる。
彼の亡くなった兄・朝陽(毎熊克哉)とはどのような関係だったのか、彼の友だちだったという署長・雪松(伊藤英明)は悠日を疑っているようだが、朝陽が亡くなった本当の理由は何なのか。
停職処分中の刑事・鹿浜鈴之介(林遣都)
鹿浜は、クセが強そうだと思っていたが、想像の10倍くらい面倒くさそうな人だった。凶悪犯罪愛好家の推理マニアで、猟奇的な事件を「美しい事件」と言う。今まで一度も人を好きになったことがなかったらしく、星砂(松岡茉優)のことが頭から離れない状況を「僕はおかしいのかもしれない。彼女のことばかり考えてドキドキしてる、気になって仕方ないんだ、彼女に対して殺意を抱いているのかもしれない」と解釈してしまうやばい人だ。
ドラマのタイトル「初恋の悪魔」の「初恋」は彼の星砂への気持ちなのだろうか? この恋がこの後どんな展開を迎えるのか非常に気になる。
会計課・小鳥琉夏(柄本佑)
堅物で生真面目な小鳥は少々他の人たちに煙たがられている様子。彼は彼でこだわりが強そうだが、正義感が強い一面もありそうだ。自分の話に耳を傾けてくれた渚(佐久間由衣)にひそかに恋心を抱き、彼女に手柄を立てさせてあげたいという思いから病院での事件を独自に捜査することに。
彼女がくれた炭酸飲料を、炭酸が苦手なのに飲むのがちょっとかわいい。鹿浜とは特に気が合わなさそうなので、今後の掛け合いにも期待したい。
生活安全課・摘木星砂(つみきせすな・松岡茉優)
元は県警捜査一課に所属していたが、今は生活安全課にいるという星砂。スカジャンがトレードマークで、話し方も独特だ。財布を落として悠日に食べ物(ハトにあげた残り)をもらったことから、彼らの捜査に協力することに。
ぶっきらぼうだが、洞察力に優れ、4人の中では冷静に判断できるように見える。落とした財布が届けられ取りに行くと、高そうな靴を買いその店に落ちていたという情報が。星砂は「私がその靴を買ったと?」と言うが、何かを思い当たったようで、途中から自分が買ったことを認める。彼女の家には高そうで、でも彼女が身に付けなさそうなものが並ぶクローゼットがあり、鏡を見て「ふふ…いい加減にしてくれよ。蛇女」とつぶやいていた。
これは……二重人格ということなのだろうか。彼女が訪ねて行った医師・小洗(田中裕子)の机に飾られていた写真には、小洗と警察の制服を着た星砂が写っていた。明かされていく彼女の真実が気になる。
曲者揃いの4人がそれぞれ勝手な推理をしているように見えつつ、それぞれの視点が重なることで事件を解決に導く様子が印象的だった。事件現場のジオラマのようなものを見ながら、実際の当時の現場に4人がいる、という演出が不思議だったが、これが「マーヤのヴェールを剥がす」状態なのだろうか。
「警察モノ?ラブストーリー?謎解き系?実は青春群像劇?その全てがここに出会った!」とうたわれている本作品。その言葉通り、さまざまな物語が複雑に絡み合っていそうだ。彼らがどんな人なのか、そしてさまざまな謎の真実や恋の行方はなんなのか。気になるポイントが多すぎて、土曜の夜が毎回楽しみになりそうだ。
(文:ぐみ)
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