「石子と羽男」第2話:「親ガチャ」という言葉で片づけていいんですか?
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有村架純と中村倫也のW主演ドラマ「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」が2022年7月8日スタートした。
本作は、誰にでも起こりうる珍トラブルに正反対のようでどこか似た者同士の“石羽コンビ”が向き合っていく姿を描いた異色のリーガルエンターテインメント。4回司法試験に落ちた崖っぷち東大卒のパラリーガル・石田硝子(いしだ・しょうこ)を有村架純が、司法試験予備試験と司法試験に1回で合格した高卒の弁護士・羽根岡佳男(はねおか・よしお)を中村倫也が演じる。
本記事では、第2話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」第2話レビュー
今回、石子(有村架純)と羽男(中村倫也)の元に舞い込んだのはある親子からの相談。小学生の息子・孝多(小林優仁)が母親の瑛子(木村佳乃)に黙ってスマホゲームに課金し、ゲーム会社から高額請求をされてしまった、というもの。
羽男たちがゲーム運営会社の顧問弁護士を訪れるが、そこにいたのは羽男の元同僚・丹澤文彦(宮野真守)。すっかり調子を狂わされた羽男は弱気に。そんな羽男が石子に発破をかけるわけだが……。
孝多はゲームに夢中になって課金したのかと思いきや、実はある目的があってのことだった。中学受験をしたくない、塾をやめたい、ストレスからゲームに没頭し、課金したということになれば辞めさせてもらえるのでは……そう考えてのことだった。
しかし、その後、孝多はアカウントを乗っ取られ、更に高額請求をされることに。石子と羽男は乗っ取り犯を探し始める。
第2話で頻出したのは「親ガチャ」という言葉。塾に行けるのはそれなりに裕福な家だから。
そんな家に生まれられなかった人間は諦めるしかない。乗っ取り犯は、そんな自分の家庭環境から逆恨みをした、塾のスタッフによる犯行だった。
もちろん、塾に通う子どもたちがみな裕福ではない。孝多の家はシングルマザー。瑛子はダブルワークで塾の費用を捻出していた。そもそも、どれぐらいの子どもが自分から望んで中学受験をしているのか。
羽男は「だいたいは親のため」と言っていたがその通りだろう。
受験がしたいのに、家庭の経済状況が芳しくなく、諦めなければならない子ども。
親にプレッシャーをかけられながら嫌々、塾に行く子ども。
どちらが「親ガチャ」はハズレなのか。
孝多の場合、受験はしたいが、ダブルワークで疲れ切っている母親にこれ以上負担をかけたくないという思いから、塾が辞められるように課金をした。
母親と息子、お互いに思いやっての行動だったのだけれど、少しすれ違ってしまった。
ちゃんと話をすれば、起こらなかった出来事だ。
「親ガチャ」が外れたとしても、対策はある。親子だけでは解決できないことがある。
そんなときには外に助けを求めることも重要……だが、そこまで心の余裕があるかも問題だが……。
案件を重ねることで、石子の羽男に対する反発は和らいだよう。羽男は羽男なりに仕事への情熱はあるので……。早くも名コンビ感が出てきているが、そんな2人を見守っているのがアルバイトとして入って大庭(赤楚衛二)だ。羽男に石子が好きなのかと聞かれて否定していたが、いやまあ……好意は持っていますよね……。仲良さそうな石子と羽男を複雑そうな表情で観ている大庭。どうして赤楚さんはそんな表情ができるんですか……見ているこちらが切なくなるんですが……。
恋愛要素多めにはなってほしくないとは思うが、片想いにもだもだとする大庭は見たいと思ってしまうのはワガママだろうか……。
(文:ふくだりょうこ)
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