「ユニコーンに乗って」第4話:年齢や価値観をどう越える?小鳥(西島秀俊)が教えてくれたこと
(C)TBS/撮影:加藤春日
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永野芽郁主演のTBSテレビ火曜ドラマ「ユニコーンに乗って」が、2022年7月5日放送スタートした。
大北はるかが脚本を手掛けた完全オリジナルストーリーの本作は、スタートアップ企業の女性CEOが突然部下としておじさんサラリーマンが転職してきた中、仕事や恋に奮闘していく“大人の青春”ドラマ。若きCEO・成川佐奈をTBSドラマ初主演となる永野芽郁、佐奈の部下となる小鳥智志を西島秀俊が演じる。
本記事では、第4話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。
「ユニコーンに乗って」第4話レビュー
(C)TBS/撮影:加藤春日佐奈(永野芽郁)と高山(飯田基祐)が出会ったのは、恋人を探すアプリではなく、起業家と投資家をつなぐマッチングサイトだった。
事業の資金調達に奔走する佐奈たちの姿が引き続き描かれる「ユニコーンに乗って」第4話。
年齢や価値観も異なる者同士がむやみに傷つけ合うことなく、共生していくにはどうすればいいのか。今回も、そのヒントが物語の至るところに散らばっていた。
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「ドリームポニー」の理念に共感し、1億円の投資を前向きに検討したいという高山。救世主現る!と思いきや、高山は投資を餌に若き女性起業家を食いものにしようとしていた。
異変に気付いたのは、小鳥(西島秀俊)。バードウォッチングをきっかけに知り合った早智(広末涼子)の家に招かれていた小鳥は、彼女が投資家と会う時に気をつけていたことを聞く。
それは、見た目から女らしさを消すこと。女性だからと舐められないためでもあるが、下心で近づいてくる投資家も少なからずいるからだ。佐奈はまさに今、早智と同じ経験にぶち当たっていた。
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九死に一生を得て、小鳥と功(杉野遥亮)に助け出された佐奈。取り乱さないように自分を無理やり落ち着かせる彼女に気付いたのは功だ。
過度に心配したそぶりを見せず、「さっきの再現」「ほら、ストレス発散!」とあくまでもじゃれ合いの延長線上で佐奈の恐怖を取り除く功。もうあんた100点満点の良い男だよ、優勝!と讃えたくなる。
遠くから二人の様子を見守る小鳥に私はなりたい。
(C)TBS/撮影:加藤春日
しかし、そんな微笑ましい光景から一転、佐奈たちには現実的な問題がのしかかってくる。高山からの融資は白紙となり、このままでは後10ヶ月で会社の資金がショートするというのだ。
サービスを継続していくためには"課金制度”を導入するしかないのでは、と海斗(坂東龍汰)から提案を受け、多くのメンバーは賛同を示す。
それは「全ての人が平等に学べる場所を作る」という理念に反するという佐奈の意見に共感してくれたのは小鳥だけだった。
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「功にはわからないと思う」
佐奈が思わず零してしまったこの一言で、社内は険悪なムードに変わる。できるなら、“課金制”は導入しない方がいい。佐奈が言った通り、課金できる誰かとできない自分を比べて嫌な思いや悔しい思いをする人たちが絶対にいる。
だけど、現実的な側面も見なければいけない。そんな状況下で、誰かのルーツを否定することだけはしちゃいけなかった。金銭的には恵まれていたかもしれないが、功もまた父親に認めてもらえないという別の苦労を抱えているのだから。
(C)TBS/撮影:加藤春日
そんなすれ違った佐奈と功を、小鳥の存在が再び結びつける。「ピッチ」「ナイスケミ」など、頑張って“若者用語”を使う小鳥を微笑ましく見ていたが、それこそ佐奈たちに必要な姿勢だった。
自分と年齢や価値観が異なる人の言葉や行動は、どうしても理解しにくい。理解してるつもりでも受け入れがたい、ということも往々にしてある。
だけど、頭から否定するのではなく、まずは出来ることから相手のアイデアに乗っかってみること。功が父親なりの愛情に理解を示し、小鳥に倣ってスーツ姿やお酒で敬意を表したように。
(C)TBS/撮影:加藤春日
小鳥の存在は、多くの人にとって大きなものとなりつつある。「ドリームポニー」にとっても、そして早智にとっても密かに。
絶対に相手を否定しない。器が広くて、怒りとか悲しみとかトゲトゲした感情を包み込んで丸くしてくれる小鳥。そんなの惹かれざるを得ない。小鳥とハイタッチした時の佐奈のはにかみは、仲間として距離が近づいたことへの喜びなのか、それとも……?
第5話で佐奈の小鳥に対する感情がようやく明らかになりそうだ。
(文:苫とり子)
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