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2022年08月29日

「鎌倉殿の13人」第33話:頼家の無念、善児の最期に涙が止まらない。

「鎌倉殿の13人」第33話:頼家の無念、善児の最期に涙が止まらない。


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2022年のNHK大河ドラマは「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜 脚本×小栗旬 主演で描く北条義時の物語。三谷幸喜曰く「吾妻鏡」を原作としており、そこに記されきれていない部分を想像と創作で補い、唯一無二のエンターテイメント大作に仕上げているという。

本記事では、第33話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

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「鎌倉殿の13人」第33話レビュー

地獄が上塗りされていく……。

 
源実朝が鎌倉殿に就任した。政子(小池栄子)と頼朝の次男で、乳母夫は実衣(宮澤エマ)。そして実朝を支える執権別当には時政(坂東彌十郎)が。やる気満々な時政だが、ほかの者たちからはりく(宮沢りえ)の言いなりだということは見え見え。

時政は家族が大事で、北条が大事。だけれど、いささか行き過ぎている気もする。

権力を振りかざしている様子が目に余るのか、義時は三浦義村(山本耕史)から嫌味を言われてしまう。嫌味で済めばいいが、御家人の不満が膨らんでいくのは想像に難くない。

 

新たな鎌倉殿が誕生したが、修善寺に送られた頼家(金子大地)は鎌倉に戻ることを諦めていなかった。
鎌倉に文を出し、自分の存在感を示そうとする。
さらに、修善寺にやってきた義村に鎌倉に攻め入るつもりがあるということを話す。義村なんて絶対に話してはいけない相手なのだが……。
義時(小栗旬)はもう少し様子を見よう、という。闇落ちしたように見える義時だが、できるだけ人を殺したくない、という気持ちはまだ変わっていないようだ。

しかし、頼家が後鳥羽上皇(尾上松也)に北条追討の院宣を願い出ていることが発覚する。これによって、義時は頼家を討たざるを得なくなってしまった。

義時はその任を善児(梶原善)に任せることに。
が、ここに来て、善児が宗時(片岡愛之助)を殺したのだということに気がつく。
共にいた時房(瀬戸康史)は自分が善児を討つと言うが、義時はそれを制する。
善児は必要な男だというと同時に、「私に善児を責められようか」という。
義時も、誰かにとって「大切な人」を殺めてきた。そして、善児が心を動かされた一幡を殺せと命じているのは他ならぬ義時だ。

義時から頼家を討つ話を聞いた泰時(坂口健太郎)は修善寺へ走る。頼家に逃げろと言うが、「いずれ自分は殺される」と言って聞かない。
そして、これから猿楽が披露されるから見ていけという。猿楽には善児が紛れ込んでおり、泰時が見破る。

が、泰時は敵わない。追い込まれる頼家。善児との一騎打ちになり、不利な状況に見えたが、善児の手が緩む。頼家が書いた「一幡」の文字を目にしたからだ。傷を負い、逃げようとした善児に切りかかる頼家。その頼家を背後からトウ(山本千尋)の刀が襲う。

師匠である善児を助けたのか。違う。トウは自分の両親の仇を討ちたかった。
「ずっとこのときを待っていた」と言い、善児を刺す。「父の仇」、「母の仇」。
修善寺に幽閉されていた源範頼(迫田孝也)と一緒に野菜を作っていたのはトウの両親だった。範頼が暗殺された際に、トウの両親も殺されたのだ。

仇であると同時に、育ての親でもある善児。トウの辛い心情が想像される。

頼家の死。享年23歳。悲しく短い一生。それでも、もしかたら最後に泰時が来たことは頼家にとっての救いになっていたのではないか、と思いたい。
誰も自分が回復したことを喜んでくれない。助けようとしてくれない。そんな中で、唯一、泰時は頼家を守ろうとした。
頼家を守れなかった泰時の心中を考えると悲しくなるが、このひとつひとつが将来の泰時を作っている。

義時は「泰時はかつての私なんだ」と言う。
似た経験をした親子が、時代によって、どのような道を歩むのか。それもまた、興味深い。

 

「大河ドラマ」なので、つい、「伏線が回収された」などと思ってしまうが、「鎌倉殿の13人」を見ていると、ひとりの人間の行動が数珠つなぎになっているのだと実感する。
ひとりの行動が運命を変える。たとえば、泰時が善児に一幡をかくまうように言っていなければ、善児は死ななかったのではないか、とか。頼家の人生はあまりにも多くの人が関わったせいで、早い死を迎えることになってしまったようにも思う。

それにしたって、今回はあまりにも地獄の詰め合わせが過ぎる……。

(文:ふくだりょうこ)


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