<解説>「シー・ハルク:ザ・アトーニー」第6話:アラサー独身女性と結婚を描く
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マーベル・スタジオが送るドラマシリーズの最新作「シー・ハルク:ザ・アトーニー」が2022年8月18日より配信された。
突如、強大なパワーを手に入れた女性弁護士・ジェニファー。緑の怪物・ハルクの後継者“シーハルク”となった彼女の運命やいかに……。
本記事では、「シー・ハルク:ザ・アトーニー」第6話の魅力をマーベル好きのライターが紐解いていく。
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アラサー独身女性と結婚
今回のエピソードでは、「アラサー独身女性が友人の結婚式を手伝いに行く」という、もはやスーパーヒーローものらしからぬ内容となった。
また、劇中で離婚訴訟にまつわるケースが描かれるのも面白い。「結婚」と「離婚」が同時進行で描かれ、キャラクターも過去の結婚について語るなど「結婚」がテーマの一つとなっていた。
等身大のヒーロー像
お馴染みとなった冒頭のタイトルロゴいじりでは「She HULK : ATTORNEY AT LAW」が「Just JEN : ATTORNEY AT LAW」(ただのジェン:ザ・アトーニー)に。
ここからも象徴されるように、今回はアラサー独身女性・ジェンのリアルを描く物語となった。これまでも、大富豪や一児のパパに高校生など、様々なキャラクターたちを「1人の人間」として等身大で描いてきたマーベル作品。
本作はアラサー独身女性の悩みをリアルに描くという点で、シリーズに新たな広がりを生んでいる。
また、これまで有害な男性たちから被害を受ける主人公が強調されていた「シー・ハルク:ザ・アトーニー」だが、前回辺りから少し風向きが変わっている印象も感じられる。
女性悪役・タイタニアとの法廷対決を描いた第5話では、他にも結婚式に参列した主人公が女性コミュニティの中で苦しめられる描写など、女性対女性の構図でのエピソードも増えた。
実は第5~7話のみ、エピソード監督をアヌ・バリアが担当している。その他のエピソードでは、シリーズの製作総指揮も務めるカット・コイロが担当しており、各監督のカラーが出ているのかもしれない。
ミスター・イモータルとは?
今回のエピソードでは、依頼人としてマーベル・コミックにも登場するキャラクターであるミスター・イモータル(クレイグ・ホリス)が登場した。
原作ではミュータント(X-MENシリーズでもお馴染み)でもある彼は、実は過去にもドラマの登場が予定されていた。パイロット版が撮影されたものの、制作中止となってしまった幻のマーベルドラマ「ニュー・ウォーリアーズ」では、ミスターイモータルがメインキャストとして登場。
There was a #NewWarriors show.@kbiegel says the show was canceled before airing: "A singular power that be killed the show. Because it was too gay. A rich, straight, Brentwood turd."
— Phase Zero - MCU (@PhaseZeroCB) September 9, 2021
That exec has since been fired.
Biegel shared these pics from the show. pic.twitter.com/c6WzUD3UpD
ファンからも人気の高いスクイレルガール(リスと話せる女性ヒーロー)含め、6人のキャラクターたちが共に戦う物語が予定されていた。
ハルクキングとは?
エピソードのラストには、シー・ハルクを狙う謎の人物“ハルクキング”の存在が示唆された。どうやら、組織ぐるみで動いている様子の彼らは注射器のような機器を準備していた。
この描写からは、彼らがシー・ハルクの血液を採取しようとしているのか、彼女の能力を抑える薬品を準備していることが予想されるであろう。
果たして、その正体とは誰なのだろうか。
ちなみに、今後公開が予定されている『キャプテン・アメリカ:ニュー・ワールド・オーダー(原題)』では、『インクレディブル・ハルク』で、その誕生が描かれた悪役“ザ・リーダー”の再登場が決定。
ひょっとすると、映画での登場に先駆けて、彼がドラマに登場するなどということもあるのだろうか……。
能力を自分のために使う主人公
主人公のキャラクター像から、賛否を呼んでいる「シー・ハルク:ザ・アトーニー」。
その中でも、とりわけ注目を浴びているのが主人公が自分のためにスーパーパワーを使う描写だろう。
マッチングアプリをシー・ハルクの姿で登録したり、結婚式にシー・ハルクの姿で現れたりと、かなり自由な振る舞いを貫く主人公。その展開は、もはや「もし独身アラサー女性がスーパーパワーを手に入れたら……」という思考実験のようにも考えられるが、今後の展開はどうなるのだろうか。
マッチングアプリにまつわる展開が、物語上の伏線として回収(裁判の重要な証言に繋がった)されたことからも、すでに描かれている内容が今後の物語に関わる可能性もあるのかもしれない。
マーベル作品を代表するゲストキャラの登場がなくとも、物語の面白さを実証した第6話。前回から今回に続き、アヌ・バリアが監督を務める第7話では、主人公のどんな悩みが描かれるのか。
今後の期待もさらに高まるエピソードだった。
(文:TETSU)
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