『覆面D』でドラマ初主演!関口メンディー「ポンコツな僕の活躍を見せて、挑戦する人が増えたら」
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10月15日(土)22時から配信開始となる、ABEMAオリジナル連続ドラマ『覆面D』。
熱血教師になることを夢見て高校で教鞭を執る主人公の大地大輔(演・関口メンディー)だったが、担当した生徒が自殺してしまったことをきっかけに、自身の“理想の教師像”について悩み始める。3年後、大輔が新たに赴任したのは、貧困に苦しむ家庭の子どもたちが通う、いわゆる“教育困難校”だった。現代を生きる高校生たちがリアルに直面している社会問題と、それに向き合う教師を完全オリジナルストーリーで描く社会派作品。
cinemas PLUSでは、今作がドラマは初主演となる関口メンディーにインタビュー。大輔さながらの作品への熱い思いや、自身の高校時代の思い出などを大いに語ってもらった。
初主演。3つの意気込みと、主人公・大輔への思い
――初の主演ドラマですが、意気込みを教えてください。
関口メンディー(以下、メンディー):いわゆる座長の経験が今までなかったので、座長とは、というところから考え始めました。せっかくやるからにはいいものにしたいですし、(鈴木)おさむさんが書いてくれた脚本が本当に良くて感動しました。主演するにあたって僕が目標にしたのは、作品に携わってくださった方々が「覆面D」をやってよかったと思ってくれること。このドラマを「今年いちばんよかったよね」と言われるようなドラマにすること。そしてこのドラマを観て「ああ、自分もうちょっと頑張れるかもな」「ここで諦めないでもうひと踏ん張りしようかな」と思う人を一人でも増やすこと。これらを心に置きながら現場入りしました。
――いろいろなことを背負って臨まれたんですね。
メンディー:「背負った」という気持ちはあまりないんです。ここまで自分と役を重ね合わせてしまうことは今までなかったので、こんな作品にはもう二度と出会えないかもしれないなと思ったときに、「やれることをやりきりたいな」と思いました。
――タイトルからはストーリーが想像できないお話ですが、台本を読んだご感想は?
メンディー:たしかにたしかに、想像つかないですよね。台本を読んで、僕はすごく勇気をもらえる作品だなと思いました。
最初「プロレスのドラマやるよ」とHIROさんに言われたときに、「プロレスっすか!」とワクワクして、面白そうだなと思って即答で「やります!」と答えました。僕がプロレスをやるとなるとちょっとコメディっぽいのかなって、勝手な先入観で思っていたんです。
でも、さっきおっしゃったみたいにタイトルからは想像できないような作品になっていて、実際に社会問題になっていることも詰め込まれていて……。社会問題に対して、自分ができることを考えるきっかけにもなりましたし、この作品が世の中に知れ渡ることによって「こうじゃ駄目だよね」「こうしていかなきゃいけないよね」と考える人が増えるなと思ったので「これは何としても届けたいな」と決意しました。
――関口さんから見て、演じる大輔はどんな人ですか?
メンディー:こんなこというのもあれなんですけど「僕だな」と思いますね。脚本を書いてくれたおさむさんとは普段から交流があるんですけど、大輔のセリフの中に、僕が普段からブログやTwitterで言ったことや言おうと思っていることが随所に入っていて、他人事として見られませんでした。
――大輔はご自身に近いなと思っていらっしゃる?
メンディー:すごく近いと思いますね。大輔は高校の先生ですが、自分ももともと大学の頃は体育の教員を目指して勉強していて。同時期にダンスに出会って、ダンスの道に進むことにしたんですけど、もしかしたら、大輔のような先生になっていた可能性もあります。パラレルワールド……別軸の自分、みたいな感じもしていて、本当に、運命的な作品です。
高校生時代、とある出来事から考えた「自責思考」
――大輔はさまざまな生徒に接しますが、ご自身はどんな高校生でしたか? 打ち込んでいたことなどあれば教えてください。
メンディー:高校生のときは、甲子園を目指してひたすら野球に打ち込んでましたね。スポーツクラスに入っていたので、午前中に授業をして午後練習、みたいな感じでした。男子校というのもあって、浮いた話みたいなものは全くなくて、男くさーい高校生活を送ってました(笑)。もっと恋愛したらよかったなと思ったりもするんですけど、そこで得たものがあるから今があるので、これはこれでいいかな。
――今回の作品ではヤングケアラーなどの問題が出てきますが、関口さんは当時どんなことに悩んでいましたか?
メンディー:悩んでたことかぁ……親にもよく言われたんですけど、僕、あんまり相談したり、悩んだりした経験がなくて。
でも自分の中で大きなエピソードとしては……高校3年のときに後輩の子たちが無賃乗車したのがばれちゃって、僕の学年にとって高校最後のひとつ前の大会に出られなかったんですよ。そういう経験をしたときに「後輩のせいで出られなかった」と思う人もいるかもしれないけど「自分のせいだと思うことって大事だな」と思いました。
父兄の方とかもめっちゃ怒ってて、「お前らこんなことされて悔しくないのか!」と言われたりしたんですよ。昔やってた熱血教師が出てくるラグビーもののドラマ「スクール☆ウォーズ」みたいに(笑)。でも、もともとその後輩たちがやんちゃなのは知っていたのに、それを見て見ぬふりしていたのは自分だしな、と思って。
当時、高校の理事長がワタミグループの渡邉美樹さんだったんですけど、彼が全校集会で講演する機会があって、ちょうどそんな「自責思考」の話をしていました。自責と言っても自分を追い込んでしまうことではなくて、人のせいにしないことで「自分がもっとこうできたかな」「こうしたらよかったかな」という学びの機会にするっていう意味で。そういうのは高校時代、悩みではないですけど、よく考えたことではありましたね。
――高校生でそういう考えに切り替えられたのはすごいですね。
メンディー:高校生のとき、全校集会の話なんてほとんど聞いてなかったんですけど(笑)、そのときだけは「この話は聞いたほうがいいな」と思って聞いて「やっぱりそうだよな」と思ったんですよね。
エンタメに関わる理由は「挑戦する人を一人でも増やしたい」から
――関口さんはバラエティーのイメージが強い印象なのですが、今回シリアスな作品での主演でイメージが変わるのではと思います。今後俳優としてどうなっていきたい、という展望はありますか?
メンディー:自分でもいろいろ考えたんですけど、このドラマをやりたいと思ったのはシンプルにワクワクしたのと、届ける意味があるなと思えたからなんですよね。僕、お芝居を含めてエンターテインメントに携わるひとつの理由として「挑戦する人を一人でも増やしたいな」という思いがあるんですよ。
僕は全然できた人間じゃなくて、昔も遅刻をいっぱいして謹慎させられたりとか、結構ポンコツなんですよ。ポンコツは今もなんですけど(笑)。そういう人が努力したら……というとマッチョな話になっちゃうかもしれないんですけど、そんな「ポンコツな僕みたいな人間でもやろうと思ったらこんなふうになれるよ」というのを見せたいんですよね。
日本人の特徴だと思うんですけど、自己肯定感が低くて「私なんて」「僕なんて」と思っている人が結構いると思うんです。そういう人たちの背中を押したいというのが、僕がエンタメに携わる理由なんです。
なので、さっき「この作品を今年いちばん良かったねと言われるような作品にしたい」と言ったんですけど、それを経て役者として大成したいとかはあまり思っていなくて。僕がその作品に関わることで挑戦する人を増やすことに繋がりそうだなと思うことはやるし、そうでないことはやらないと思います。なので、そんな作品に今後また出会えたら役者にも挑戦したいですね。
夢が見つからない人に伝えたい、3つのポイント
――この作品に出てくるような学生の中には、夢が見つからないと悩んでいる人もいると思いますが、そんな人たちに何か伝えたいことは?
メンディー:そうですね、3つポイントがあると思うんです。
まず「夢」というと職業のことを頭に思い浮かべる人が多いと思うんですけど、もっと漠然としたものでいいと僕は思うんです。僕も「EXILEになりたい」とずっと思っていたんですけど、EXILEになったらなったで「あれ、どうしたらいいんだっけ?」となった時期がありました。だからまずは漠然とどんな人になりたいのかを考える。例えば「人を笑顔にする人になりたい」なら、そのためにどういうことをすべきかを考えたらいいんだと思います。そしてそれが自分の好きなことであったらなお良いですよね。
はじめは漠然と「こんな人になりたい」「どうしたらそういう人に近づけるかな?」というところから選んでいくのがやりたいことだと思うので、堅苦しく考えなくていいのかなと。
あと、やりたいことが見つからないのは、多分見てるものがまだ少ないだけなんですよ。例えば(自分の手元のペットボトルを見て)「このペットボトルを作る人になりたい」と思うには、この形のペットボトルを見たことがなければそう思えないじゃないですか。
選択肢に出会えてないだけで、もっとたくさんのものを見れば「あ、これいいかもな」と思えるものに必ず出会えると思うんですよね。なので、いっぱいいろんなものを見ることが大事。学生だと行動できる範囲も限られてしまうと思うんですけど、今いる狭い世界から抜け出すことが、やりたいことが見つかるきっかけになると思います。
いっぱい見る、つまり行動するということですね。それがやりたいことを見つける方法かな。
あとは、やりたいことをやるためには、なんやかんやお金が必要かなと。夢を諦めるときって、「この仕事では食べていけない」とか、お金の問題に直面するときだと思うんですよ。諦めなくてもいいように、お金の勉強をしておくのも大事だなと思います。
漠然としていていいので、どんな人になりたいか考え、選ぶ、たくさんのものを見て、選択肢をひろげる、夢を諦めなくて済むように、お金の勉強をする、この3つですね。
……そうは言っても、僕も学生のとき、そこまで考えてなかったですけどね(笑)。でももっと早めに知りたかったなと思っているので、みんなに早めに知ってほしいと思うし、お伝えできたらいいなと思いますね。
(撮影=大塚秀美/取材・文=ぐみ)
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