インタビュー

2022年10月17日

『もっと超越した所へ。』千葉雄大とオカモトレイジが語る、演じることの難しさ

『もっと超越した所へ。』千葉雄大とオカモトレイジが語る、演じることの難しさ


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根本宗子による舞台『もっと超越した所へ。』が、初演から7年の時を経て映画化される。今作で描かれるのは8人の男女。“クズ男に沼る4人の女性たちの恋愛バトル”と喧伝されている。そんなクズ男たちを演じる4人の男性キャストの中から、千葉雄大と、今作が映画初出演となるOKAMOTO‘Sのドラマー・オカモトレイジに話を聞いた。2人はこの作品に、そしてクズ男たちにどう向き合ったのだろうか。

演じることを突き詰めると……



――この作品のオファーが来たときの印象はいかがでしたか?


オカモトレイジ(以下、レイジ):「ウケる」っていうのが大きかったですね(笑)。映画は、自分の中で観るものであって、出るものという感覚がなかったので。しかも、この作品って8人全員が主役みたいな感じで、出る分量が同じくらいじゃないですか。最初はこんなにいっぱい出る役柄だと思っていなくて。ノリでOKしてみたものの……台本を見たらセリフの量にびっくりしましたね。

千葉雄大(以下、千葉):僕は根本宗子さんと共通の知り合いが何人かいまして。その人たちから「2人を会わせたい!」と言われていたんですけど、なかなか実現していなかったんです。なので、オファーをいただいたときはうれしかったですし、台本を読んで、これが映像化したらどんなスペクタクルになるんだろうと楽しみでしたね。

――実際に演じてみた感想は?

レイジ:セリフ量が多くてピンチだったけど……超越しましたね(笑)。

千葉:いいコメントですね(笑)。超越したのは、子役時代の自分を、ということですか?

レイジ:子役時代っていっても、自分がしていたのは、フリートークだったので、演技は初めて挑戦している感覚で。別物でしたね。俺は演技がどうこうよりも、“遅刻をしない”“セリフを覚えておく”ことしかできないので。それを精一杯やりました!

千葉:でも正直、突き詰めていったら、必要なのってその2つだけですよね。

レイジ:周りの人に迷惑をかけたくない一心でやっていました。初めてだったので、基準がわからないんですが……この作品って台詞の量、多いですよね?

千葉:多いと思います。会話の一つひとつが大事だから、全部落とせないですし……。セリフに関しては、もちろん、いつもちゃんと覚えてはいくんですが、「よし覚えたぞ!」という感覚は持てなくて。現場に行って段取りをやってみて「よかった、入ってた!」と感じたり「やべぇ、ここ全然入ってなかった」と気付いたりですね。

撮影を経て、レイジが感じた映画の奇跡




――レイジさんは伊藤さん、千葉さんは趣里さんと、それぞれの会話が自然に見えました。

レイジ:万理華ちゃんとは、実はもともと友達だったんです。それがあったから、自然にできたのかもしれないです。

千葉:僕も2人で仲良くしゃべるシーンは、カメラの回ってないところで趣里ちゃんとしゃべっているときのテンポ感に近かったんですよね。カットがかからなかったら、あのままずっとしゃべっていられるような雰囲気でした。

――お互いの演技に関してはどうご覧になりましたか?

千葉:レイジくんたちのカップルの演技を見て「めっちゃ自然!」って感じました。

レイジ:本当っすか!

千葉:レイジくんのお芝居がドンピシャで、グッときましたね。

レイジ:うれしいです。俺の最初の登場シーンで、家に帰ってきて「寒っ」っていうシーンがあるんですけど、自分で見ていて寒そうに見えなかったんですよ。「寒っ」と言葉にすることで寒そうに見せるのって本当に難しいんだな、と。それって何かを覚えてやるようなことではない気がして。今まで自分が観客として映画を観ていて、ちょっとした一言がその言葉通りに見えないなんてことなかったので、改めて役者さんってすごい職業なんだなと思ったんです。

千葉:僕はそのシーンを観ていて「寒そうに見えないなぁ」なんてことは感じなかったけど、演じたからこそわかるというか、自分だけ気になるシーンってありますよね。

レイジ:いやぁ、全部作り物なのに、現実を見ているかのような感覚で観られるから、映画ってすごいですよね。やってみて改めて、映画が1本できあがるって奇跡的なことだなと思いました。評価とか集客とか興行とか一旦おいておいて、完成すること自体がすごいことだな、と。

千葉:音楽だってすごいことだと思いますよ。

レイジ:確かに、音楽でしか解決できない問題もあるんじゃないかというのは同時に感じるんです。DJをやっていると、各々に問題を抱えている人たちが楽しそうにしている瞬間に出くわすんですよ。この作品の登場人物たちのような、自分の幸せが何なのか、まだ具体的にはわかっていない人たちが、音楽が鳴るミラーボールの下で踊っているときは、幸せを感じている。それを目の当たりにすると、やめられないなぁ、と思います。

――最後に、作品に込められたものをどう感じましたか?

千葉:まあ、悪いのは男だけじゃないと僕は思いますけどね。

レイジ:そういうメッセージも込められているんじゃないかと。

千葉:なので、男女関わらず、観ていただけたらうれしいです。


インタビュー全文は10月17日(月)発売の『CINEMAS+MAGAZINE』にて掲載!



(ヘアメイク=木暮智大(bloc japon)<レイジ>、堤紗也香<千葉>/スタイリスト=TEPPEI<レイジ>、寒河江健<千葉>/撮影=西村康/取材・文=霜田明寛) 

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