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2022年10月23日

「アトムの童(こ)」第2話:ジョン・ドゥ復活!那由他(山﨑賢人)&隼人(松下洸平)の熱いラストシーンに注目

「アトムの童(こ)」第2話:ジョン・ドゥ復活!那由他(山﨑賢人)&隼人(松下洸平)の熱いラストシーンに注目




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山﨑賢人主演、岸井ゆきのや松下洸平が出演する日曜劇場「アトムの童(こ)」が、2022年10月16日より放送を開始。

山﨑賢人演じる安積那由他(あづみ・なゆた)は、凄腕の若きゲームクリエイター。とある事件をきっかけに開発から離れているが、企業や販売元を通さずに個人で制作していたスタイルは「ゲーム業界のバンクシー」「インディー」と呼ばれ、知る人ぞ知る存在だった。そんな彼を探しているのが、経営崖っぷちの老舗おもちゃメーカー・アトム。ゲーム業界の覇権争いを描くドラマが、始まる。

本記事では、第2話をcinemas PLUSのドラマライターが紐解いていく。

「アトムの童(こ)」第2話レビュー

深い優しさゆえに、裏切りとしか思えない行動に出る。人間は不可思議で、だからこそ愛おしく思えてならない。那由他(山﨑賢人)と隼人(松下洸平)のやりとりを見ていると、そう痛感する。

興津社長(オダギリジョー)との確執から、責任をとった公哉(柳俊太郎)が自死。この壮絶な現実を前にして、那由他と隼人が選んだ道はそれぞれ真逆だった。

那由他は、公哉への償いのためにゲーム制作をやめた。反して、隼人は因縁の敵・SAGASに入社してまでゲーム制作を続けた。やめた者と続けた者。二人の間にできた溝は、どこまでも深いように思われた。



なぜ、隼人はSAGASに入社したのか? 那由他だけではなく、アトム玩具の社長となった海(岸井ゆきの)にとっても、それは謎に思えた。多くの視聴者にとってもそうだったろう。何か意図があるはず、と信じたい気持ちと、どう見ても「地位や名誉や金のために」敵の懐に入ろうとしているようにしか見えない現実。相反する両面が迫ってくる。

隼人は、責任の重さゆえに自死した公哉の名誉を晴らすため、そして那由他自身の将来を慮ったゆえに、SAGASに身を捧げるような真似をしたのだ。



隼人が「ジョン・ドゥ」としてSAGASと契約すれば、SAGASに盗まれたゲーム「スマッシュスライド」を取り戻せる。しかし、その代わりに、隼人が企画・制作するゲームは今後すべてSAGASの名義となる

隼人の行為は決して裏切りではない、と多くの視聴者が予想していたはずだが、まさかここまで自己犠牲的だったとは……。深すぎる優しさのように思うが、自由奔放に作りたいゲームを作る那由他と隼人のバランスは、この思いやりゆえに成り立っていたとも言えるのかもしれない。





隼人の意図に気付いた那由他は、契約直前の隼人をつかまえ、必死に説得する。

「バカだな、お前。俺がここにいんだろ? また一緒に作ればいい」

「あれ超える、もっと面白いもん、俺と一緒に作ろうぜ」

ここまで来て後戻りはできない、と拒否する隼人と、必死で言葉を尽くす那由他。二人の緊張と不安定な関係性が、少しだけ揺れる画角に表れているように見えた。

一度はSAGASの社内へ戻ってしまった隼人だが……。那由他の言葉が届いたのだろう。過去、一緒に対戦していたゲーセンで再会する二人。あの頃に戻ったように、軽妙なやりとりをしながらゲームをする二人の姿は、まさに「エモい」「少年漫画的熱さ」に満ちていた。

晴れてアトム玩具に仲間入りすることになった隼人。一難去ってまた一難というやつで、新しくやってきた財務顧問が新たな“災厄”を持ち込んできそうだ。

しかし、今はまだジョン・ドゥの復活新生・アトム玩具の誕生を喜びたい。

(文:北村有)


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