「君の花になる」第3話:無色透明じゃない。どんどん色濃くなる8LOOMの魅力
▶︎「君の花になる」画像を全て見る
本田翼主演のドラマ「君の花になる」が2022年10月18日放送スタート。
本作は挫折した元高校教師の主人公・仲町あす花が、7人組ボーイズグループ“8LOOM(ブルーム)”の寮母となり、一緒に“トップアーティストになる”という夢を追いかけていくオリジナルストーリー。主人公を本田翼、個性豊かなイケメン7人組を高橋文哉、宮世琉弥、綱啓永、八村倫太郎、森愁斗、NOA、山下幸輝が演じる。
本記事では、第3話をCINEMAS+のドラマライターが紐解いていく。
「君の花になる」第3話レビュー
弾(高橋文哉)が背負ってきた荷物をみんなで分け合い、グループとしてひと段階成長した8LOOM。例の着ぐるみ動画がバズったのをきっかけに知名度もアップした。
そんな中、CHAYNEYを育てた香坂(内田有紀)が8LOOMのチーフマネージャーに就任。会社から見放され気味だった彼らが手をかけてもらえるようになったのは喜ばしいことだが……。
鼻が利くメンバーの竜星(森愁斗)が“波乱”のにおいを嗅ぎ取ったように、その日から8LOOMは否応なく革新を迫られる。売れるためにはある程度変わる必要もあるのかもしれないが、その革新は香坂の成功体験に基づくもの。
メンバーの思いなんてお構いなしに、香坂は独自の売り出し戦略を次々と打ち出す。その一つが、寮母であるあす花(本田翼)の排除。香坂は甲斐甲斐しく7人の世話を焼く彼女の存在が、グループの成長を阻んでいると考えたのだ。
まさかのクビ宣告に戸惑いながらも、ようやく売れっ子になるための一歩を踏み出した8LOOMの邪魔はしたくないあす花。どこか夢を諦めかけていたメンバーも、香坂にCHAYNEYと比べられて火がつく。
特に燃えているのが、現役大学生の栄治(八村倫太郎)。CHAYNEYのメンバー・ユズ(髙塚大夢)とは、以前通っていたスイミングスクールでライバルだったらしい。
「栄治に自立は難しいかな」とユズに発破をかけられ、栄治はますますやる気に。学生と芸能活動を両立させるだけでも大変だろうに、家のこともあす花に頼らず、メンバーだけでこなすようになる。
あす花は、そんな彼らを見守ることしかできない。8LOOMのためなら偉い人にだって物怖じせずに意見をぶつけられるのに、自分のことになると遠慮してしまいがちなあす花。
それはやっぱり、過去のトラウマが関係しているのだろう。「(大事なのは)あんたがどうしたいかじゃねえの?」「ヘラヘラすんな」と弾に言われても、力のない笑みが溢れるだけ。
婚約者の満男(菊田竜大)の浮気が原因で家出してきた優里(木南晴夏)も大事な妹が再び傷つくことを恐れ、あす花に寮母をやめさせようとする。
そんな中、事件が起きる。翌朝に8LOOMの寮を紹介する番組の収録を控えているにもかかわらず、あす花が帰ったら寮の中は大荒れ。きちんと片付けしていると思ったら、実はあす花や弾が知らないところでメンバーが不要なものや洗濯ものを部屋に押し込んでいたのだった。
不運なことに、そこに香坂が現れてしまう。「あなたたちはCHAYNEYになれない」と声を荒げる香坂に、反論するのはやっぱりあす花だ。
「彼らのことを無色透明って言いましたよね? でもそんなこと絶対ないんです。一番怖いのは周りにいろんなことを押し付けられて、そのうち自分の色を忘れてしまうことで。
だから、彼らとCHAYNEYと比べるのはやめてください!」
本当にそうだ。8LOOMは無色透明なんかじゃない。むしろ、どんどん一人ひとりの色は濃くなってきている。何気ない会話の内容や行動からそれぞれのキャラクターが出ていて、回を追うごとに目が離せない。
彼らの魅力に周りも気付き始めているのではないだろうか。もともとアイドルだったというケンジ(宮野真守)も、8LOOMを応援せずにはいられなくなっている。
そんな彼の恋人であるトシくん(梶裕貴)の協力もあり、満男の乱入などのトラブルもあったが、無事に収録を終えた8LOOM。ライブ配信の視聴者数も急激に増加し、「半年以内に新曲で配信チャート1位を取る」という目標も現実に近づいてきている。
8LOOMの成長には、やっぱりあす花の存在は欠かせない。香坂もメンバーとあす花の励まし、励まし合う関係性を見て、クビは撤回。彼女自身もアーティストに怖がられることが多いことに悩みを抱えていて、どこかで愛嬌のあるあす花を羨ましく思っていたことが分かった。
そういうことが、あす花にはこれまでもたくさんあったのではないだろうか。あまりにも眩しい光は誰かにうっとおしがられることもある。「みんなをちょっと元気にできるお花みたいな先生になる」という夢を諦めた理由もそこにありそうだ。
だけど、今のあす花は確かに8LOOMにとっての“花”であり、8LOOMもあす花にとっての“花”である。
特に最初はあす花を拒絶していた弾は誰より彼女を必要としているように見える。それが恋なのか、恋じゃないのか。この物語で二人の関係性がどこに着地していくのかが、次週はっきりしそうだ。
(文:苫とり子)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
(C)TBS